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S&G「水曜日の朝午前三時」第9曲「山の上で告げよ」 Go Tell It On The Mountain/第10曲「太陽は燃えている」The Sun Is Burning In The Sky

第9曲「山の上で告げよ」 Go Tell It On The Mountain 

「ハレルヤ」で始まるゴスペルソング、「山の上で告げよ」。
12弦ギターを含むギターによるコードストローク、ウッド・ベースの伴奏で、高らかに歌うそのハーモニーに、サイモン&ガーファンクルの原点を感じます。特にアートの高音が冴えています。
 
歌の内容は、「ジーザス・クライストが生まれた、その喜びを、山の上から世界に告げよう!」というもの。
もともとアフリカ・アメリカの黒人霊歌として伝わる歌だそうで、サイモン&ガーファンクルはエド・マッカーディーというフォークシンガー版をカバーしたようです。マッカーディ版を試聴できればとインターネットで検索をかけましたが、唯一カウボーイソングが聞けただけ(典型的なカントリーウェスタン風)で、残念ながら見つけられませんでした。(本文執筆は2001年。ちなみに2023年の現在も、エド・マッカーディーの音源はSpotifyをはじめ全く見つかりません)
 
しかし、他のアーチストが歌う"Go Tell It On The Mountain"で検索すると、数多くヒットしました。原曲は賛美歌のようですが、演奏するアーチストによって独自のアレンジが施され、例えばロックンロール風になったり、楽しいです。

この有名な歌がサイモンとガーファンクルのよってカントリーウェスタン風にアレンジされています。二人の息のあったコーラスがたっぷりと堪能できる2分間です。


第10曲「太陽は燃えている」The Sun Is Burning In The Sky

綺麗で穏やかな歌です。この歌でも、二人の声が終始ハーモニーで聞けます。覚えやすく、そして美しい歌ですね。

これはイアン・キャンベルというシンガーの歌で、ポールが英国で実際に作者の演奏を聞き、気に入ったものだそうです。

太陽が昇り、西に傾き、沈みかけ、地に落ち、消える、これら5つの情景描写を通して歌うのは、自然の中における無力な人間でしょうか。前半の太陽の下で踊る蜂たちや花などの自然描写、子供が遊びから帰る微笑ましい光景と対照的に後半では地獄、死、灰、そして暗闇、怒り、苦痛、恐怖などの言葉が出てきます。 

4番で、

Death comes in a blinding flash
死が眩しい光の中で、
Of hellish heat and leaves smear of ash
地獄のような熱と共にやってきて、汚れた灰だけを残す

の箇所は、叫ぶような二人の声が、とても印象的です。

静かで淡々としているだけに内容を知るとますます心揺り動かされる歌です。


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