新年明けました。 エッセイ的なことを書いてみる。【2/4】

気がつけば、もう2月ということですが、本当に訳がわからないまま、時間が過ぎてゆく。現在、エムスラは途轍もない開発案件を抱えており、全く新しい配信になるべく鋭意バージョンアップ中である。

元々配信数が極端に少ない配信プラットフォームだが、無理に配信をやる必要もないので、今はやるべき開発を地道に行なっている。近々みなさんに驚きと共にお届けできるのではないかと思っている。

いい音と高音質の違い

常々、エムスラをマニアックな状態から脱却させたいと思っている。
元々、音の良い・悪いなんてことは、一部のオーディオマニアや、こだわりの強いアーティストの言葉として語られていたことだが、近年、ストリーミングの音質は飛躍的に向上している。エムスラを始めた2020年の初めごろには、「ハイレゾ」や「ロスレス」なんてレベルの音質を求めるのは一部の人たちだったと思う。しかし、最近は高音質であることをウリにしてくるところも増加しており、最近では、サブスクリプションのSpotifiから脱するアーティストも増えてきた。

眉唾に思われていた音質に関して、このように語られたり、話題になることはエムスラにとっては、良いことだなと日々感じている。

アーティストがエムスラを使って配信すれば、ユーザーは必然的にエムスラで配信を見ることになる。高音質だからといって、特別な機器を買わなければ見れないサービスは作りたくない。ということで、エムスラは前出のハイレゾやロスレスでは配信を行なっていない。

一時期ハイレゾを使って配信を行なったことがあったが、正直言ってまだまだマニアックな領域すぎた。つまり、早すぎたのだ。エムスラは、アーティストが奏でる音を、「いい音」で届けることに集中しているのだが、ここで強調しておきたいことは、『高音質がいい音であるかは、また別の問題である』ということだ。


スペック推しをやめた。

このスペックで、この周波数帯域で、このビットレートで。。。と言っても、聞いた人が「いい音だな」と思ってくれなければ、全く意味がないのではないかと思った。何を隠そう、エムスラもサービス開始当初は、スペックを打ち出していた。このスペックで高音質でやります!って言っていた張本人が、今やスペックを謳わなくなった。私が今、感じていることは、いい音はスペックでは作れないということだ。なので、エムスラはスペックを推すことで高音質アピールすることを辞めたのだ。エムスラが目指したのは「いい音」だった。だから、エムスラの音は「いい音」の追求の音だ。

そう意識が変わったのは、スペックでユーザーを誤魔化したくない。そう思ったのだ。ユーザーが聴いた瞬間に『いい音だ!』って思ってもらえる印象をどうやって作っていくのかが大切なことだと考えを改めたからに他ならない。なので、他の高スペック配信にエムスラの音質が劣っているとは思わない。評論家の皆さんのご意見は真摯に受け取るようにしているが、それ以上に私が大切にしているのは、ユーザーの反応と、アーティスト、プロダクションといった常にその人の音楽を聴いている人の反応である。その音を送れているかがとても大切なのだ。

それを実現するために必要なのが、アーティストやプロダクションの方との共同作業であったり、確認作業であったりするのだ。エムスラはこの作業に途轍もない時間を割く。こういった作業は、リハーサル中のスタッフの帯同人数が増えたりする。プロダクション様の負荷は小さくはない。なので、この作業に理解をしてくれるアーティストとしかエムスラは配信できないのだ。つまり、エムスラで配信をしてくれたアーティストは須く、この音を届けたいと思ってくれた人であり、エムスラを観てくれたユーザーはその音で繋がれた人たちなのだ。

エムスラが語る「いい音」の定義は。
アーティストが届けたい音=ファンが聞きたい音の関係が成立している音だ。

(3/4に続く)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?