名曲663　「宇宙少年ソラン」【上高田少年合唱団】［宇宙少年ソラン］

ーー忘れられない歌詞とBGM。ソラン、ソラン、ソラーンーー

【『宇宙少年ソラン』　主題歌フルバージョン 1965~1967】

　同世代の20代諸君、お待たせしました。皆さんご存知『宇宙少年ソラン』である。はい、ソラン、ソラン、ソラーン。……誰も歌ってもらえない。もう60代以上の方しか伝わらない可能性も。ちなみに私の父は覚えていた。しかもちゃんと歌えていた。さすがー。

　これには大きな理由がある。それは当時の音楽が非常に歌いやすく、覚えやすく、親しみやすかったことである。特徴的なのだ。この「ソラン、ソラン、ソラーン」なんて一度聴いたらなかなか忘れない。むしろサビよりも覚えやすい。出だしが歌いやすいからなんとなくそのあとも流れで覚えていて、細かい枝葉の歌詞はわからずとも「チャッピー」は覚えている。そんな感じなのである。

　『宇宙少年ソラン』は1965年から1967年まで放送されたアニメ。ちょっと調べてみたところ、同時期の『W３』と何かいざこざがあったようだ。なんでも盗用だとかなんとか。これで封印化されていたら封印作品マニアの私も詳しかったのだが、今日に至るまでそうはならなかったので、発見が遅れた次第であった。

｛ソラン　ソラン　ソラン　はるかな宇宙から　ソラン　ソラン　ソラン　にじをこえてやってきた　むねにかがやく　ひみつのペンダント　もえあがるファイト　みなぎる力　さあ行くぞチャッピー　みんながまっている　宇宙少年ソラン　ソラン　ソラン　ソラン｝

　これは非常によくまとまっている。当時のアニソンらしく設定や特徴をちゃんと盛り込み、秀逸なのは相棒のチャッピーをちゃんと書いていること。これは人気が出ないわけがない。未来の設定も含めて当時の子どもたちは熱狂したのではないだろうか。

　ありがたいことにYouTubeで１話が見ることができる。この白黒の味。どんな色をしているのか想像が膨らむ。まあ漫画を見ればというのはなしで。あとは演出がかなりアメリカンだ。当時の日本アニメはアメリカの影響をかなり受けていた。

　当時の話ももう少し盛り込むと、アポロ計画で宇宙に関心があった時代だったこともある。この話の中だと2002年の出来事、1990年にソランが生まれたことになる。当然現実の世界では宇宙人などまだまだそんな次元ではないが、昔は1990年、2000年代なんて遠い未来の話に思っただろう（父はそう言っていた）。だから通用していたのだ。

　この曲は作中のバラードなBGMとしても優秀。やっぱりメロディーが優れていたという証明だ。60年代アニメは深い。テレビが、アニメが、全子どもを虜にしようと燃えていた時代なのだ。

　　　　　　　【今日の名歌詞】

宇宙少年ソラン　ソラン　ソラン　ソラン