名曲439 「インマイタウン」【Mr.Children】

ーーブラッドオレンジだっていい曲は多いもん!ーー

【Mr.Children インマイタウン】

 ミスチルにはちょいとうるさい男である。今回も例によって再評価を望む感じで書くわけだが、少しばかり説明が必要だ。曲そのものもそうだが、アルバムについて書きたい。

 ミスチルファンにとって最高傑作といわれるアルバムは何かと問われると、これはけっこうばらける。では一番評価が低いといわれているのは……「blood orange」なのだ。不快に感じた方がいたら申し訳ない。でもこれはありとあらゆる媒体で低評価となっている。正直、私も期待外れの感を抱いた。

 これはアルバム曲の少なさが一つの要因となっている。つまり新規の曲が少なかったのだ。ではその新規な曲もどうかといわれると微妙な曲ばかり……ん、おいおい危ない流されるところだった。

 今回はそうじゃないことを強く言いたかった。「インマイタウン」はまさしくその新規の曲である。私の中では一軍に属する。

{年末に目眩がして 立ち止まる人波 フワフワした足取りで踏む水溜まり Do you know my mind? Do you know my mind? 彷徨える my life}

 桜井和寿得意の情景描写である。この時点では地味な曲だ。

{ぶつかっても謝んない この町のしきたり 比較的 平常心でやり過ごせてる このまま このまま 流されて my town}

 なんとなく想像できる。そんな冷たい町でものうのうと生きていく自分に嫌気がさしていそうだ。そうそう、もちろんこれは街ではなく町である。

{処が変われば 己も変われる 戯けた姿も生きる道 瞳を閉じれば 自由は広がる 虹の橋 渡ろう 友人は嫌気がしたとtwitter に書き込み フロリダを旅してみたいと言う}

 小説のような描写。特に友人のフロリダのところは秀逸。含みの残し方が天下一品だ。

{リズムに合わせて どこでも踊れる ほどけた靴ひもでも踊る 両耳塞げば 未来は広がる 大きな夢 描こう 子供らは 有り余った無邪気さで雄叫び グラウンドへと飛び出していく}

 さあ地味だった曲がじわじわと色をつけてきた。ここも好きな歌詞。もちろん上記の部分は瞳を閉じた世界だ。そして感動の大サビに突入する。

{さよなら さよなら また会う日まで このまま このまま 今年も終わるよ Do you know my mind? Do you know my mind? 流されて 彷徨う in my town}

 最後は彷徨う。目が覚めた悲しみを乗り越えて。歌詞もメロディーのムードも非常に素晴らしい。最後は最高の盛り上がりで締めくくっており、私好みの構成だ。

 この曲が評価されないとは世知辛い世の中である。声を大にして言いたい。blood orangeにもいい曲はあるぞと。正直期待外れだったけれども!

      【今日の名歌詞】

リズムに合わせて どこでも踊れる ほどけた靴ひもでも踊る


 

 


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