名曲258 「冒険ガボテン島」【ボーカル・ショップ/杉山佳寿子/野沢雅子/太田淑子/伊藤牧子/北川智恵子/東美江/西尾徳】[冒険ガボテン島]

ーー元気になれるガボテン島のハーモニーーー

【『冒険ガボテン島』主題歌フルバージョン 1967】

 久しぶりに60年代アニソンの傑作を紹介。67年というとまだモノクロの時代だ。それがまた味があっていいのだが、その古臭さをかき消すようなイキイキとした曲が存在する。

 それが「冒険ガボテン島」である。実はこの曲、幼稚園か小学生1年生くらいのころに初めて聴いた。当時のBSだったか、アニソン特集系の番組を録画してもらいそこで耳にしたのだった。かなり耳に残る内容であったので、大人になっても忘れないでいた。

 それくらいインパクトの強い曲ということできっと同じ経験のある方も多いと思う。歌うはボーカル・ショップをはじめとする色とりどりのメンバー。アニメの登場人物が歌っているようだ。ボーカル・ショップの凛々しい声と同じくらい印象の強い存在が{ケロロ ケロロロ ケロ}と歌う鳥?の声の存在である。誰が歌っているのだろう。

 この曲は4部構成なのが斬新なのである。

{ガボテン ガボテン ガボテン}

 ここはタイトルを連呼するだけあって「アピール」の場である。

{おれたちゃ仲間さ バッチリくんで行こう すすめ魔の山へ うずまく霧をつきやぶれ}

 続いて冒険らしく勇敢なさま。

{ガボテン ガボテン ガボテン 胸はってドカンといこう ガボテン ガボテン ガボテン ザザザザザ}

 サビ。これだけでも完成形になりうるが、それでは終わらない。

{けどちょっぴり思い出しちゃう ふる里のことを}

 悲しみのパートがあるのだ。この部分が地味に大きい。これがなくては名曲にならず、60年代アニソン群の中に埋もれていただろう。そして。

{ケロロ ケロロロ ケロ ケロロ ケロロロ ケロ ケロロ ケロロロ ケロ ケロ ケロロ}

 最後は悲しみで終えてはいかんと、ケロロとコミカルに締めくくる。よくできている。これで子どもたちも親しみを覚えるわけだ。事実、私もそこで気に入ったのである。

 気に入ったのはこのメロディーもそうだった。作曲は山下毅雄。当時の60年代アニソン群をぜひ聴いてほしいのだが、この曲だけ異質なほどさまざまな味が楽しめるのである。ミュージカル風アニソンの先駆けといってもいい。

 それにしてもこのアニメ、知名度の割に意外と1年も持たずにいたのは意外だった。雰囲気は面白そうなのだが。当然、内容も見たことはない。そこで声優陣に注目したい。野沢雅子、太田淑子といったレジェンドがいるではないか。60年代ですよ皆さん。敬意を表したい。

       【今日の名歌詞】

おれたちゃ仲間さ バッチリくんで行こう すすめ魔の山へ うずまく霧をつきやぶれ

 




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