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名曲139 「青春の影」【チューリップ】

ーー若者は絶対に聞いてほしい伝説の名曲ーー

【青春の影/チューリップ】

チューリップは財津和夫がリーダーを務めるグループだ。70年代を代表する存在であり、名曲の数は多い。財津和夫のほかに姫野達也もボーカルを務めており、「心の旅」や「虹とスニーカーの頃」などは財津和夫がバックに回っている。

チューリップの中でも最高傑作といえるのが青春の影だろう。私はまさしくこの曲からチューリップを聴くようになったのだが、いまのところこれを超える曲はない。迫るものはいくつもあるが、原点にして頂点という感じもあり寄せ付けていない。

{君の心へ続く永い一本道は いつも僕を勇気づけた とてもとてもけわしく細い道だったけど 今君を迎えにゆこう}

しっとりとしたピアノと共に渋い声が響き渡る。

{自分の大きな夢を追うことが 今迄の僕の仕事だったけど 君を幸せにするそれこそが これからの僕の生きるしるし}

素晴らしい。刺さる世代も多いのではないだろうか。多くは語らない。皆々で心にとめてほしい。

{愛を知ったために涙がはこばれて 君のひとみをこぼれたとき 恋のよろこびは愛のきびしさへの かけはしにすぎないと}

恋から愛へと変わる描写がうまい。

{ただ風の中にたたずんで 君はやがてみつけていった ただ風に涙をあずけて 君は女になっていった}

「やがてみつけていった」から、「女になっていった」への過程が素晴らしい。風との対比もまたいいではないか。

{君の家へ続くあの道を 今足もとにたしかめて 今日からは君はただの女 今日から僕はただの男}

そして別れ。今日から君はただの女、今日から僕はただの男。つながっていた関係が途絶えたわけだが、女は新たな道を見つけて前向きなのに対し、男は今にも振り返ろうとして惜しんでいるのが想像できた。それもまた昔の話。

青春の影。人には皆光だけでなく影を持ち合わせている。1番の歌詞の健気なさまと2番で訪れる愛の厳しさ。現実を知ったのだろうか。女は風に吹かれるままに決断をする。男はそれに応えられなかった。

日本の誇る名曲として後世に残したいレベルである。特に1番のサビの歌詞は骨董品と遜色ない。全青年に知ってほしい。そして恋する人を大事にしてほしい。

【今日の名歌詞】

自分の大きな夢を追うことが 今迄の僕の仕事だったけど 君を幸せにするそれこそが これからの僕の生きるしるし

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