名曲262 「メロディー」【西田ひかる with 加藤和彦】

ーー森が詩を書き、海が曲をつけてーー

【西田ひかる with 加藤和彦 MELODY (Duet Version) (1996)】

 西田ひかるはポンキッキーズと関わりが深い。今回はその中でも子どもだけに限らず老若男女に人気の高そうな曲を。加藤和彦とのデュエットである「メロディー」だ。小さいころになんとなくいいなと思った曲だが、想像以上にレベルが高いとわかったのは大人になってからだった。

 {森が詩を書き 海が曲をつけて そして星が口ずさめば 世界中がコーラス 同じハーモニーで 同じ言葉で}

 素晴らしい。早くも出てしまった素晴らしい。ムーディないいメロディーだ。作曲はやはり加藤和彦。秀逸なメロディーを作ることにかけては右に出るものはいない。

 {子供のときはちゃんと 話していたというのに いまは 忘れてしまった 言葉があるという 赤ちゃんのときは みんなママにむかって 本当の気持ち 歌いかけている}

 「赤ちゃんのときは」の歌い方が好き。そう、あの気持ちを歌うことこそが、ちゃんと話していた本当のことなのだろうと思う。

{あなたが泣き出すと 世界は暗闇になり あなたが眠るときは 花びらがささやく 雨が降っても 涙の空はやがて 太陽顔出し 笑って歌った}

 作詞はきたやまおさむ。ザ・フォーク・クルセダーズのメンバーだ。秀逸なメロディーを支えるのはこの詞にある。ぴったりと世界観がマッチしているのだ。自然の豊かさと神秘をゆったりと。

{あなたは覚えてますか たしかあれはこんなメロディー もう一度 思い出してよ 奇蹟のようなあのメロディー}

 いままさに、小さいころに聞いていたこのメロディーを思い出している。至福の時である。

{だけどそれも 遠いはなしになって 大人になると 歌を忘れる}

 ああ……。だから私はnoteを書いているのだろう。

{森が詩を書き 海が曲をつけて そして星が口ずさめば 世界中がコーラス 同じハーモニーで 同じ言葉で}

 心が荒んだときにぜひともリピートしたい。

       【今日の名歌詞】

森が詩を書き 海が曲をつけて そして星が口ずさめば 世界中がコーラス


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