名曲435 「デビルマンのうた」【十田敬三/ボーカル・ショップ】[デビルマン]

ーーあれは誰だ、誰だ、誰だーー

【デビルマン 主題歌 / デビルマンのうた】

 エンディング曲を紹介してからずいぶん経ってしまった。いやはや、待ち望んでいた方をデビルアイの目つきにさせてしまったかもしれない。

 今回は1972年から73年に放送された『デビルマン』のオープニングを紹介。古い作品なのでさぞ同世代は知らないだろうと思っていたら、意外と知名度があって驚いた。何でもTwitterでネタになったのを聞いたことがあるのだとか。そして実写映画もゲフンゲフン。

{あれは誰だ 誰だ 誰だ あれはデビル デビルマン デビルマン}

 知名度90%と思いたい最高の出だしだ。低い声なのがまたよし。ボーカル・ショップの美声たるや。

{裏切り者の名を受けて すべてを捨ててたたかう男}

 お決まりのヒーロー紹介である。これが昭和ならでは。しかもたった一文で全容を把握できてしまいそうである。作詞は阿久悠。この時点ですごい。

{デビルアローは超音波 デビルイヤーは地獄耳 デビルウィングは空をとび デビルビームは熱光線}

 恐らくここがネタ(替え歌?)になるところだろう。ちなみにデビルイヤーはただの地獄耳なだけじゃないかというツッコミは控えるように。

{悪魔の力身につけた 正義のヒーローデビルマン デビルマン}

 壮大なサビは拍手しかない。作曲編曲は三沢郷。歌詞も素晴らしいが曲のほうがほんの少し上回る気がする。重厚な間奏、オーケストラを使用した音の厚みをうまく調理した。2番から3番までの間奏がテクニック。

そして再び{あれは誰だ 誰だ 誰だ あれはデビル デビルマン デビルマン}と続くのが素晴らしいのである。そうそう、そこも聞きたいのよ、一回で終わらせちゃつまんないのよ。聞く者の要望に応える構成。

 昭和アニソン界の中でも屈指の知名度であるように、歴史的な名曲といっていいだろう。ひとつの完成形である。ちゃんとヒーローの境遇紹介、必殺技、盛り上がり、短め、そして覚えやすく歌いたくなるメロディー。すべて取り揃えているフルコースなのだ。

 私は幸運にも幼いころに「うたエモン」からこの曲を知り、よく歌っていた。当時はライディーンとデビルマン(エンディングも含め)がお気に入りだった。今思えば変な子どもである。でも、子どもって妙に古い曲を知っていたりするんですよね。

       【今日の名歌詞】

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