【実践論文】社会とつながる学校教育(2)

小・中学校教育課程における表現活動に関する研究 ―ものづくり・音づくり・音楽づくりを連携した創造的表現活動の試み―


 本論は、小・中学校教育課程の表現領域において、「造形活動」と「音楽づくり」(「創作」)を連携させた表現活動に関する研究である。これらの学習活動は、小学校では図画工作科(中学校では技術・家庭科および美術科)と音楽科の表現領域においてそれぞれ扱われるが、活動の目的や指導内容には共通するところも多く、各教科の一部を連携することによって相乗効果を期待できると考えられる。今回、筆者らが地域の小・中学生を対象として構想・実施したワークショップ(地域社会教育)は、「サウンド・エデュケーション」を通して音・音楽という無形の要素を「造形活動」に取り入れた「楽器づくり」である。また、制作した楽器を活用する機会として「音楽会」を開催し、3つの表現活動がそれぞれを補完するような連続性をもたせた。実施結果について考察したところ、「楽器づくり」のワークなどにおいて顕著な成果が得られた一方で、今後このような授業を学校教育課程において実施するための課題や障壁も顕在化した。

キーワード:ものづくり、サウンド・エデュケーション、表現活動、教科連携、地域社会教育

PDF版: http://opac.ll.chiba-u.jp/da/curator/900118072/?lang=0&mode=0&opkey=R155553340708669&idx=4

本論は、こども造形教室「アトリエティエラアスール」を主宰する久本綾さんとの共同研究です。 http://www.tierra-azul.com/atelier_Tierra_Azul/home.html

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