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【ミュージカル講座 16】オリバー!

さて、
今回は人々に長く愛されるロンドンミュージカルの名作「オリバー!」を題材にしたいと思います👍



オリバー! / Oliver!


作曲・作詞・脚本:ライオネル・バート
演出:ピーター・コー
振付:マルコム・クレア



日本でも10月からシアターオーブで開幕されますね!

実は僕もまだ見たことないので、作品を更に楽しめるようにここで予習しちゃいましょう🎶



あらすじ

救貧院で働く少年オリバーはある日、食事に出たお粥のおかわりをねだり、態度が悪いとして町に身売りされてしまう。彼は葬儀屋に買われるも、そこでのひどい扱いに耐えられず、通りへ逃げ出す。オリバーが向かった先はロンドン。人が入り乱れる都会の街で、オリバーは自分と同い年くらいの少年ドジャーと出会い、彼の隠れ家へと招待される。そこの主人フェイギンはスリの魔術師で、オリバーのような少年孤児を仲間に引き入れてはスリの方法を教え、自分の代わりに働かせていた。オリバーも寝床をもらう代わりに、少年泥棒グループの一員として働くことになる。しかし、彼は最初の仕事でヘマをしてしまい、一緒にいたドジャー達は逃げ出したが、オリバーは捕まってしまう。

オリバーがスリグループのことを暴露し、自分も逮捕されることを恐れたフェイギンは、古いギャング仲間のビルとその妻ナンシーの助けを借りて、オリバーを連れ戻そうと決意する。一方、オリバーはスリを働いた裕福な紳士ブラウンロウ氏の家で、良い待遇を受けていた。ビルとナンシーはそんなオリバーを無理やり連れ去り、フェイギンの元へと返す。しかし、気を咎めたナンシーは誰にも内緒でブラウンロウを訪ね、オリバーをまた彼の元に届けようと企む。その夜、ナンシーはオリバーを連れ出すも、ビルが二人の後を追い、自分を裏切ったことに憤慨してナンシーを撲殺してしまう。オリバーを攫い逃げるビルも、彼を追ってきた警察の発砲を受け、命を落としてしまう。晴れてオリバーはブラウンロウの元に返され、フェイギンやドジャーらは隠れ家から逃げ出し、それぞれが新たなやり直しの道を進むこととなる…。




作品概要

本作はイギリスの国民的作家、チャールズ・ディケンズの小説「オリバー・ツイスト」が原作📗

1960年にロンドンにて初演。

戦後、ロンドンミュージカル界はブロードウェイ作品に圧倒され続け、上質な国産ミュージカルを生み出すことに苦戦していました。

しかし、本作は当時のロンドンミュージカル界においては記録破りとなる2618回の最長ロングランを記録するほど、超大人気作品となったのです‼️👏

その人気ぶりは現在でも続いており、イギリスの学校で上演されるミュージカル作品の中で、最も人気な作品の1つとしても知られていますね😆

ある記事によると、本作は当時、“孤児”や“貧困”といった原作の内容の暗さは劇場作品向けではないとされ、中々上演までこぎつけることが出来ませんでした。

ようやく上演が決定しても、予算はわずかしか出ず、製作期間も約1年という短さで、あまり製作陣からは期待されなかったそうですね…

作者のライオネル・バートでさえ、プレビューを観た観客からひどい批判を受けることを恐れ、初日のカーテンコール前に劇場を抜け出し、1時間以上通りを歩き回って観客が全員帰る頃合いを見計らったそうです😅

しかし、バートが劇場に戻って来ても、観客は帰るどころか劇場に居座り続け、23回ものカーテンコールが起こる拍手喝采でバートは大絶賛を受けたのです‼️‼️

この瞬間、本作はロンドンミュージカルを代表する、人々から長年愛される古典的名作の立場を確立したんですね👍




魅力

注目はやはり、トニー賞最優秀楽曲賞を受賞した耳に残る名曲の数々🎶✨

特に2幕の最初に酒屋で歌われるOom Pah Pah (ウンパッパ) はイギリス民謡にもなっており、日本でも小学校の音楽の教科書にも載ったことがあるほど有名です💡

多くの佳曲を生み出したライオネル・バートですが、驚くべきことに音楽の教育は一切受けていないのだそう😲‼️

作曲法どころか、楽譜すら読めないんです。笑

本作の作曲の仕方としては、バートがハミングでメロディーを歌い、編曲のエリック・ロジャースがそれを楽譜に起こす、という手順を踏んだそうです😅

さらに、バートは歌をシンプルに保つことを徹底し、「1曲作るのに1時間以上費やしたことはない」とまでコメントしています😯

こんな型破りな方法でも、あれほどの上質なミュージカルを生み出せるなんて、「天才」以外の言葉が見当たりませんね……😇


ちなみに、
バートはオリバー!の成功で手にした富で酒やドラッグに溺れたり、親友の裏切りで高価な物を大量に盗まれたり、投資家が手を引いた作品に肩入れして失敗したりと、私生活でも型破りな人だったそうです💨

1970年には膨らんだ借金を返済するため、オリバー!の舞台と映画の権利を、たったの約4500万円で制作会社に売却してしまいます。

後に、その価値は約3億円にまで跳ね上がることになったのですが…😱




記録・受賞歴

1963年のトニー賞では作品賞を含む9部門でノミネート、そのうち楽曲賞など3部門で受賞しました✨

その後もロンドンやブロードウェイで何度か再演され、ローレンス・オリヴィエ賞やワッツ・オン・ステージ賞などで多くのノミネートを受けました👏

1968年には映画化もされ、アカデミー賞とゴールデングローブ賞も受賞しましたね😆


日本での公演は1980年に劇団四季によって初演。
その後は1990年に東宝制作により再演され、今回はホリプロ主催によって3回目となる上演がされます👍

新演出となる今回はどんな感じになるんでしょうかね?😁 (1度も見たことないですが笑)

市村正親さんと優汰くんの親子共演も楽しみです🎶


では、今回はこの辺で〜🙇

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