新・オーディオ入門120 『2024.1.9 プリアンプを使用する意義』の用語解説
『オーディオはよくわからないけど良い音で音楽を聴きたい』、『オーディオ歴は長いけどこれは知らなかった!』というお話を聴くことがあります。 新オーディオ入門はオーディオの基礎についてエンジニアの視点から初心者の方にも判りやすく解説していくものです。 タイトルは私が10代の時に愛読した『オーディオ入門』から拝借しました。 私がオーディオに携わることになったきっかけの本です。 とても判りやすく説明されていて、手元に置いて辞書のように使っていました。 『新・オーディオ入門』はその現代版となれるよう書き進めたいと思います。
これまで書いてきた新・オーディオ入門の記事の中から解説が必要な用語を取り上げています。
● ハードディスクにリッピングした音源
CDの音楽データーをパソコンのハードディスクに取り出し、音楽ファイル化することをリッピングと言います。 CDの音楽信号は2進数のデーターに変換されてCD盤に記録されているのですが、 CDを再生する1970年代の技術ではただデーターを読み出すだけが精一杯の処理速度でした。 そのため僅かな傷やほこりで読み出しエラーが発生することがあり、これをエラー訂正回路によって修正していました。 しかし、元の音楽信号に近い波形は得られますが100%同じデーターで再生できるわけではありません。 ところが、リッピングされた音楽ファイルを現代の技術のパソコンで再生すると、 十分に余裕のある読み出し速度と洗練されたデーターの読み出し方法によって 元の音楽信号と100%同じデーターで再生することができるようになりました。 つまり、CDをCDプレーヤーで再生するよりもパソコンでリッピングした音楽ファイルを再生したほうが高音質になるということです。 この場合、CDをリッピングする際にエラーが発生するのでは?と思われる方もあるかと思います。 リッピングはファイル化することでありリッピング時に音を聴いているわけではありませんので十分な時間をかけて行うことが可能です。 また、怪しいと思われるデーターは何度も読み込み直して正確なデーターとすることができるのです。
● 信号レベルがオーバーして歪んでしまった
アナログの音楽信号を増幅するためには、その音楽信号の2倍以上の電源電圧をかけた増幅回路が必要です。 電源電圧に対して音楽信号が大きすぎると歪が発生したり、波形の形が崩れてしまったりします。 このような状態を信号レベルがオーバーして歪んでしまった状態といいます。
● 音の鮮度
音楽信号が多くの回路を通過したり長いケーブルで伝送されると、歪が発生したりノイズが混入することがあります。 このように音楽信号にそれ以外の信号が重畳した状態を『音の鮮度』が悪いと表現されることがあります。
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