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新・オーディオ入門44 プリアンプ編 音量調整

『オーディオはよくわからないけど良い音で音楽を聴きたい』、『オーディオ歴は長いけどこれは知らなかった!』というお話を聴くことがあります。 新オーディオ入門はオーディオの基礎について初心者の方にも判りやすく解説していくものです。 タイトルは私が10代の時に愛読した『オーディオ入門』から拝借しました。 私がオーディオに携わることになったきっかけの本です。 とても判りやすく説明されていて、手元に置いて辞書のように使っていました。 『新・オーディオ入門』はその現代版となれるよう書き進めたいと思います。

音量調節はボリューム・コントロール、単にボリュームということもあります。 回転するツマミをボリュームという人がいますが、たとえば、ラジオの選曲ツマミを『選曲のボリューム』というのは間違いです。 音量調節を行う方法はいくつか有り、それぞれに特徴があり音質も異なります。

● 可変抵抗器
カーボン等の抵抗体の上を摺動子を動かすことで抵抗体の距離が変わり、抵抗値が変わる仕組みです。 回転型とスライド型があります。回転型は一般的なアンプに使用され、スライド型は業務用ミキサーに使用されています。 回転に対して音量が比例して聴こえるAカーブや回転に対して抵抗値が正比例するBカーブ等、カーブを選ぶことができます。 また、音量を連続可変することが可能です。オーディオコンポーネントには最も多く使用されています。小音量でも歪は少なく、音質はナチュラルです。

● アッテネーター
固定抵抗器をロータリースイッチで切り替えて音量を変化させます。カーボン抵抗や金属皮膜抵抗等、高品位な固定抵抗を選ぶことができます。 また、ステレオで使用する場合、右チャンネルと左チャンネルの音量を完全に一致させることが可能です。 しかし、連続可変は実現できませんし一般的には23ステップ程度の切り替えになりますのでちょうどよい音量に調整しきれない場合もあり得ます。

● 電子ボリューム
半導体素子を使用して音量を変化させる方法で、ローコストでリモコンでコントロールするのに適しています。 抵抗を使用した方法よりも歪は多くなります。テレビ等の音量調節に使用されています。

● モータードライブ
可変抵抗器に小型モーターをとりつけて、モーターを回転させることで音量調節を行います。特徴や音質は可変抵抗器と同じです。 リモコンを使用して音量調節を行ったり、現在の音量をメモリーしたりすることが可能です。