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新・オーディオ入門162 図表編 実態配線図2

『オーディオはよくわからないけど良い音で音楽を聴きたい』、『オーディオ歴は長いけどこれは知らなかった!』というお話を聴くことがあります。 新オーディオ入門はオーディオの基礎についてエンジニアの視点から初心者の方にも判りやすく解説していくものです。 タイトルは私が10代の時に愛読した『オーディオ入門』から拝借しました。 私がオーディオに携わることになったきっかけの本です。 とても判りやすく説明されていて、手元に置いて辞書のように使っていました。 『新・オーディオ入門』はその現代版となれるよう書き進めたいと思います。

実態配線図を書くにあたっての注意です。

● Top viewとBottom view
出来上がった基盤を上から見た図面がTop view(上面図)、 下から見た図面がBottom view(下面図)です。 真空管の時代にはあまり基盤が使用されませんでしたのでBottom viewで書かれていました。 現在でも真空管やリレーの仕様書の図はBottom viewで書かれています。 半導体の時代になると大半が基盤を使用するようになりました。 基盤を使用して製作するときはTop viewの方が見やすいため 現在ではTop viewで書かれることが多くなっています。

● パーツを配置する際は適切な間隔で
水色の丸がユニバーサル基盤に開けられた穴(ホール)です。 ユニバーサル基盤には径が1.5mm程の穴が開けられています。 この穴にパーツのリード線を差し込んで配置するのですが、 パーツとパーツの間隔は適切な距離でなければなりません。 パーツが接触することは避けなければなりませんし、 必要以上に間隔をとると回路全体の面積が大きくなりノイズが混入しやすくなります。

● 基盤をカットする場合は
基盤をカットする場合はホールを切り取り線とするようにカットします。 また、シャーシに取り付けるためのネジ穴もホールを広げるように穴開けします。

● パーツの向きにも注意
オーディオメーカーが試作等でユニバーサル基盤を使用する場合は、 その後量産されるのが前提です。 試作時であってもパーツの位置や方向を揃えたり、 同じ種類のパーツを隣り合うように配置する等の配慮を行っています。 このように配慮された基盤はパーツをマウントする際の間違いが少なく、 完成後の目視による確認がしやすくなります。

実態配線図3へ続きます。

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