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新・オーディオ入門201 用語解説編 4 『回路図5』の用語解説

『オーディオはよくわからないけど良い音で音楽を聴きたい』、『オーディオ歴は長いけどこれは知らなかった!』というお話を聴くことがあります。 新オーディオ入門はオーディオの基礎についてエンジニアの視点から初心者の方にも判りやすく解説していくものです。 タイトルは私が10代の時に愛読した『オーディオ入門』から拝借しました。 私がオーディオに携わることになったきっかけの本です。 とても判りやすく説明されていて、手元に置いて辞書のように使っていました。 『新・オーディオ入門』はその現代版となれるよう書き進めたいと思います。

● ローノイズタイプ
トランジスターには使用する用途によって多くのタイプがありますが、 その中でもオーディオコンポーネントに良く使用されるのが低雑音タイプのトランジスターです。 フォノイコライザーアンプやマイクアンプ等の微小信号を増幅する回路に使用されます。

● hfe
トランジスター増幅回路をエミッター接地で使用した場合の直流電流増幅率を意味します。 この値がそのまま電圧増幅率となるわけではありませんが、hfeが低いトランジスターよりも高いトランジスターの方が電圧増幅率が高くなります。 大電流で使用するトランジスターではhfeは低くなる傾向があります。

● 大電力のスイッチング
スイッチング回路は大電力をコントロールするために使用されます。 例えば、100w照明を半分の明るさにする場合、コンセントの電圧は100vですので、100wの電球に流れる電流は1Aです。 オームの法則から抵抗値はV/I=100/1=100オームとなります。この電球を50wで光るようにするのですから電圧は1/√2倍の71vになります。 この時流れる電球は71/100=0.71Aです。電球に71vの電圧を供給しますが、元の電圧は100vなのですから29v分が必要なくなります。 不必要な29vは抵抗器で熱にしてしまうと、その電力は29?0.71=21wとなります。 つまり、100wの電球を半分の明るさの50wにするためには21wの無駄な熱が発生することになります。 この無駄をなくすためには1秒間の内0.5秒は電球を点灯させて0.5秒消灯させても半分の明るさになるはずです。 ただし、このようなスパンで点灯消灯を繰り返すと目にチラチラしますので、 0.0005秒のように超高速で点灯と消灯を繰り返すようにすれば目にチカチカせず半分の明るさに見えるのです。 これをスイッチング回路といい、調光の他ストーブの温度管理等にも使用されています。

新・オーディオ入門は『オーディオはよくわからないけど良い音で音楽を聴きたい』、『オーディオ歴は長いけどこれは知らなかった!』という方に向けて。オーディオの基礎についてエンジニアの視点からオーディオについて解説してきました。通常のブログとは別に毎日更新し、今回で新・オーディオ入門の記事数が200となりました。今後は不定期でこれまでに書いた記事の手直し等を行っていきたいと思います。これまでの記事はムジカ公式ウェブサイトでご覧いただくことができます。通常のブログの記事はこれまで同様、毎日更新していきます。