新・オーディオ入門64 電子パーツ編 ボリュームとアッテネーター
『オーディオはよくわからないけど良い音で音楽を聴きたい』、『オーディオ歴は長いけどこれは知らなかった!』というお話を聴くことがあります。 新オーディオ入門はオーディオの基礎についてエンジニアの視点から初心者の方にも判りやすく解説していくものです。 タイトルは私が10代の時に愛読した『オーディオ入門』から拝借しました。 私がオーディオに携わることになったきっかけの本です。 とても判りやすく説明されていて、手元に置いて辞書のように使っていました。 『新・オーディオ入門』はその現代版となれるよう書き進めたいと思います。
音量調節には連続可変の音量調節器のボリュームとステップで変化する音量調節器のアッテネーターがあります。
本来の意味は、ボリュームは『音量』で、アッテネーターは『減衰器』ですが、オーディオの世界ではこう呼ばれることが一般的です。それぞれにメリット・デメリットがあります。機能別に見ていきましょう。
● ギャングエラー
音量調整のツマミが無音の位置に近く僅かしか音が出ていない状態のとき左右の音のバランスが崩れる現象です。 ボリュームのみの発生します。アッテネーターでは起こりえません。
● 連続可変
ボリュームは連続可変することが可能ですが、アッテネーターは段階的に変化するためちょうど良い音量に微調整できないことがあります。
● 音量を一定にする
コンポーネントやリスニングルームの試聴や測定を行うときに音量を一定にしたいことがあります。このようなときアッテネーターは必ず同じ音量に調整することができます。
● 減衰カーブが自在
音量調整のツマミは右に回すほど音が大きくなりますが、それは回した角度に正比例して大きくなるのではありません。人間の耳は小さな音が聴き取りにくいので小さな音では回転角に対して音量は大きく変化し、大音量時はさほど変化しません。これをAカーブ特性といい、音量調節に使用される可変抵抗器はAカーブ特性が使用されます。アッテネーターではAカーブ特性はもちろん、1dBステップで変化させたり、特殊な特性のカーブにすることができます。
● 高音質
一般にアッテネーターはボリュームよりも高音質です。これは固定抵抗を使用することができるためです。
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