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新・オーディオ入門158 図表編 周波数特性図2

『オーディオはよくわからないけど良い音で音楽を聴きたい』、『オーディオ歴は長いけどこれは知らなかった!』というお話を聴くことがあります。 新オーディオ入門はオーディオの基礎についてエンジニアの視点から初心者の方にも判りやすく解説していくものです。 タイトルは私が10代の時に愛読した『オーディオ入門』から拝借しました。 私がオーディオに携わることになったきっかけの本です。 とても判りやすく説明されていて、手元に置いて辞書のように使っていました。 『新・オーディオ入門』はその現代版となれるよう書き進めたいと思います。

2つの周波数特性図を例に周波数特性を読み解いてみましょう。

● 図1・アンプの周波数特性図
プリアンプやパワーアンプはどのようなモデルの特性をとっても図1のようなグラフになります。 プリアンプやパワーアンプは基準点に対して3dB下がったのポイントをもって周波数特性と呼ばれます。 丁寧に書かれた仕様書では(±3dB)のような但書がついていることもあります。 プリアンプやパワーアンプでは1KHzを基準点としますので、1KHzのポイントが0dBになるようにグラフが書かれています。 そこから3dB下がったポイント(71%に低下したポイント)の範囲が周波数特性ですので 図1では『5Hz~22KHz(±3dB)』という表示になります。

● 図2・スピーカーシステムの周波数特性図
プリアンプやパワーアンプは-3dBのポイントの範囲をもって周波数特性と呼びましたが、 ホームオーディオ用のスピーカーシステムでは-10dBが一般的です。 一部の業務用スピーカーの規格や未だ規格が固まっていないハイレゾ対応と呼ばれるツィーターがプラスされたスピーカーシステムでは-20dBであることも。 スピーカーシステムはアンプに比べると周波数特性はデコボコが多く、ピークとディップの差が3dBを超えることも珍しくありません。 図2のスピーカーシステムを業務用の規格(-20dBのポイント)で読み取ると周波数特性は20Hz~60KHz、 一般的なホームオーディオの規格(-10dBのポイント)で読み取ると60Hz~35KHz、 オーディオアンプと同じ規格(-3dBのポイント)で読み取ると120Hz~4.8KHzとなります。 同じスピーカーシステムであるにもかかわらず、規格によってこれだけの差が生じます。 周波数特性を正確に読み取るには周波数特性図が必須なのです。 また、0dB基準点はオーディオアンプでは1KHzでしたが、スピーカーは400Hzと1KHzの2通りあります。 嘗ては400Hzが多かったのですが、最近ではオーディオアンプと同じ1KHzを基準点としているスピーカーシステムが増えてきました。

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