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新・オーディオ入門173 測定器編 その他

『オーディオはよくわからないけど良い音で音楽を聴きたい』、『オーディオ歴は長いけどこれは知らなかった!』というお話を聴くことがあります。 新オーディオ入門はオーディオの基礎についてエンジニアの視点から初心者の方にも判りやすく解説していくものです。 タイトルは私が10代の時に愛読した『オーディオ入門』から拝借しました。 私がオーディオに携わることになったきっかけの本です。 とても判りやすく説明されていて、手元に置いて辞書のように使っていました。 『新・オーディオ入門』はその現代版となれるよう書き進めたいと思います。

オーディオコンポーネントの測定において、便利なものや、測定器に準じるものをピックアップしました。

● 負荷用抵抗器
パワーアンプやプリメインアンプを測定する際にスピーカーを負荷としても正確な値は計測できません。 周波数特性もインピーダンスもスピーカーによってまちまちで基準とすることができません。 スピーカーは抵抗、コンデンサー、コイルの要素が含まれ複雑に組み合わされているため、 測定のためには純抵抗を使用する必要があります。 このような用途で使用するのが負荷用抵抗器ですが、市販されている20w程度のセメント抵抗で十分に代用できます。 測定内容によっては発熱することもあるので放熱器に取り付けると良いでしょう。

● ショートピン
オーディオコンポーネントの内部で発生する残留ノイズを測定する際は、 外部からノイズが混入しない状態で測定しなければなりません。 混入の可能性があるルートの中で測定値に最も大きく影響するのが入力端子です。 たとえば、ゲインが20dBのパワーアンプの入力端子に1ミリボルトのノイズが混入すると、 出力には10ミリボルトのノイズとなってあらわれます。 ショートピンは入力端子をグランドと短絡するもので、入力端子に混入するノイズをゼロにすることができます。

● スペアナ
スペアナはスペクトルアナライザーの略で、周波数帯域ごとの電圧レベルを表示するものです。 単位はデシベルが多く使用されています。 かつてはLEDが使用されていましたが、現在では液晶で表示されますので測定値をより詳細に表示することが可能です。 測定器というよりは音楽信号の周波数分布を確認したり、 見ていて楽しいアクセサリーとしての用途で使用されることが多くなっています。

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