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新・オーディオ入門60 電子パーツ編 コンデンサー

『オーディオはよくわからないけど良い音で音楽を聴きたい』、『オーディオ歴は長いけどこれは知らなかった!』というお話を聴くことがあります。 新オーディオ入門はオーディオの基礎についてエンジニアの視点から初心者の方にも判りやすく解説していくものです。 タイトルは私が10代の時に愛読した『オーディオ入門』から拝借しました。 私がオーディオに携わることになったきっかけの本です。 とても判りやすく説明されていて、手元に置いて辞書のように使っていました。 『新・オーディオ入門』はその現代版となれるよう書き進めたいと思います。

コンデンサーは種類が多く、用途に対して向き不向きがあり、とても神経質なパーツです。 抵抗は計算値と実測値がほぼ同じですが、コンデンサーはなかなか思い通りになりません。

● セラミックコンデンサー
セラミックコンデンサーは2枚の金属板をセラミックで挟み込んだ構造で教科書に書いてあるような構造です。 高周波特性が良く音質もナチュラルでNFB回路や発振止め等に使用します。 数千ボルトといった高耐圧のセラミックコンデンサーも存在します。しかし、大容量になると非実用的なサイズになってしまいます。 また、誤差は大きく、チャンネルデバイダーの周波数を決定する・・・というような用途には向きません。

● フイルムコンデンサー
フイルムコンデンサーには、スチロールコンデンサー、ポリエステルコンデンサー、メタライズドフィルムコンデンサー等多くの種類があります。 それぞれに特徴があり、ある回路上で、ある条件で、ある環境で使用した場合高音質となるコンデンサーはありますが絶対的な高音質コンデンサーというものはありません。 フイルムコンデンサーは絶縁フイルムの両面に金属が蒸着された構造です。大容量になるとフイルムが長くなるので、これを巻き上げ小型化しています。 そのため筒状になり、高い周波数でインピーダンスが上昇するというコイルとしての特徴を持つようになります。

● 電解コンデンサー
電解コンデンサーは大容量で安価ですが、決して高音質ではありません。その特性は多くのコンデンサーの種類の中では最悪と言って良いでしょう。 しかし、100マイクロファラッドを超えるような大容量コンデンサーは電解コンデンサーしかなく、オーディオ機器の内部で最も多く使われているコンデンサーです。 電解コンデンサーと上手に付き合っていくことが音の良いアンプにつながるのです。 並列にフイルムコンデンサーを接続し、高周波特性の改善することで良い結果が得られることがあります。