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新・オーディオ入門66 電子パーツ編 RCA端子(ピンジャック)

『オーディオはよくわからないけど良い音で音楽を聴きたい』、『オーディオ歴は長いけどこれは知らなかった!』というお話を聴くことがあります。 新オーディオ入門はオーディオの基礎についてエンジニアの視点から初心者の方にも判りやすく解説していくものです。 タイトルは私が10代の時に愛読した『オーディオ入門』から拝借しました。 私がオーディオに携わることになったきっかけの本です。 とても判りやすく説明されていて、手元に置いて辞書のように使っていました。 『新・オーディオ入門』はその現代版となれるよう書き進めたいと思います。

オーディオコンポーネント間を接続する端子はアナログの音楽信号が伝送されていますのでそのクオリティーは重要です。特にRCA端子(ピンジャック)は微小信号が伝送されるため、端子表面の酸化や汚れが音質大きな影響をあたえます。 そのため表面にはメッキが施され、酸化を防いでいます。

● 無メッキ
メッキを嫌う一部のマニアがいます。無メッキは使い始めたときは確かに良いのですが、数か月で表面が酸化し急激に音質が劣化します。RCAジャックのホット側の端子は露出しておらずクリーニングは困難です。

● ニッケルメッキ
酸化に対してそれほど強力な耐性があるわけではありません。安価で、RCA端子には最も多く使用されているメッキですが、ニッケルが磁性体のため音質が悪くなるという人も。

● 金メッキ
酸化に強く、非磁性体です。しかし、金は柔らかい金属なので抜き差しでメッキ表面が削られていきます。そのため頻繁に抜き差しをする端子には不向きです。複数のパワーアンプを所有して、取り換えて音質の変化を楽しむというような用途にはおすすめできません。また、金メッキは金属に直接メッキすると美しい金色にならず、くすんだ黄土色のようなメッキになってしまいます。そこで下地に輝きのある別のメッキを施し、その上に金メッキをかけます。安価な金メッキでは下地にニッケルメッキが使用され、音質を重要視する場合には銀メッキが使用されます。銀メッキが使用されている端子は高価で、一般用として販売されることは稀です。

● ロジウムメッキ(画像のRCA端子)

ロジウムは白金に近い希少金属です。非磁性で、酸化しにくく、硬いメッキです。理想的なメッキですが、半田が乗りにくく 大型のこてがないと半田不良が起きる可能性があります。また、高価で、コストパフォーマンスを考えて使用する必要があります。当社ではカスタマイズで使用しています。

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