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新・オーディオ入門171 測定器編 基準器

『オーディオはよくわからないけど良い音で音楽を聴きたい』、『オーディオ歴は長いけどこれは知らなかった!』というお話を聴くことがあります。 新オーディオ入門はオーディオの基礎についてエンジニアの視点から初心者の方にも判りやすく解説していくものです。 タイトルは私が10代の時に愛読した『オーディオ入門』から拝借しました。 私がオーディオに携わることになったきっかけの本です。 とても判りやすく説明されていて、手元に置いて辞書のように使っていました。 『新・オーディオ入門』はその現代版となれるよう書き進めたいと思います。

オーディオコンポーネントの測定において、基準値となるものを用意し、その基準値に対して変化した値を求めることがあります。

● ステレオ基準レコード
レコードプレーヤーやカートリッジの特性を測定するためのレコードです。 1KHz/0dBの基準信号や、右チャンネル/左チャンネルの信号、31.5Hzから20KHzまでのスィープ信号、無音トラック等が録音されています。 LPレコードのサイズですが、45回転で録音されており、より高域特性がフラットになっています。

● オッシレーター(OSC)
正弦波発振器です。超低歪の正弦波が20Hz以下の超低域から100KHz以上の帯域まで安定して出力されます。 出力電圧レベルを自由に可変することができます。 最近ではファンクション・ジェネレーターと呼ばれる、正弦波だけでなく三角波や矩形波、鋸波等の信号を発生させるものが多くなっていますが、 ファンクション・ジェネレーターはデジタル回路で作り出した信号であり、オッシレーターのように発振させた信号ではありません。 その大きな違いは歪率です。低歪の信号源を必要とするのであればファンクション・ジェネレーターはおすすめできません。

● 測定用マイク
音場やスピーカーの周波数特性を測定するときに使用するマイクです。 通常、測定用マイクは測定機材に付属しています。付属のマイクはその測定機材専用ですので他の測定機に使用することはできません。 まして、音楽を収録するために使用することはありません。測定用マイクは周波数特性がフラットで均一だと思われていますがそれは間違いです。 そのマイクを使用する測定機材にマイクの特性を補正する回路が内蔵されており、 マイクと測定機材を組み合わせたときにフラットになるよう設計されています。 同じ型名の測定器であってもマイクと測定器を組み合わせて調整している可能性がありますのでマイクを入れ替えて使用するようなことはできません。

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