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新・オーディオ入門71 音源編 ジャンル別セッティング vol.1

『オーディオはよくわからないけど良い音で音楽を聴きたい』、『オーディオ歴は長いけどこれは知らなかった!』というお話を聴くことがあります。 新オーディオ入門はオーディオの基礎についてエンジニアの視点から初心者の方にも判りやすく解説していくものです。 タイトルは私が10代の時に愛読した『オーディオ入門』から拝借しました。 私がオーディオに携わることになったきっかけの本です。 とても判りやすく説明されていて、手元に置いて辞書のように使っていました。 『新・オーディオ入門』はその現代版となれるよう書き進めたいと思います。

特定のジャンルの音楽のみを楽しむためにオーディオシステムを構築することはとても贅沢なオーディオの楽しみ方です。 それぞれのジャンルには特徴的な音があり、その音が引き立つ音創りはオーディオファンの腕の見せどころです。 ここでは、2回に分けてジャンル別セッティングを紹介します。その前編です。

● クラシック
クラシックはオーケストラように編成の大きな曲もありますし、ピアノソナタのようなひとつの楽器で演奏される曲もあります。 曲調もさまざまです。そのためクラシックの再生は周波数特性がフラットで広帯域のセッティングが求められます。 歪やノイズが少ない音であることも大切です。また、左右方向、奥行方向、上下方向に大きく広がったサウンドステージが好まれます。 こういったクラシック向けのスピーカーは音場再生に優れたトールボーイ型が有利です。 左右の間隔を大きくとり、軸をリスナーに向けたセッティングが良いでしょう。 スーパーツィーターを付加し広帯域化と高音域での低歪化を狙うのもおすすめです。

● ジャズ
ジャズファンには迫力があり、ダイナミックなライブ感を感じさせるようなセッティングが好まれます。 サックスや女性ボーカル等好みの楽器の帯域が頭ひとつ出ているようなセッティングをされているジャズファンに出会うことがあります。 これはその帯域の音圧だけが高いという場合もありますが、 他の帯域よりもスピード感があるスピーカーやクリアに聴こえるアンプを選ぶという手法で目立たせるということも可能です。 高域を目立たせたいのであれば、ホーン型のツィーターを使用したスピーカーシステムを選んだり、 低域を目立たせたいのであればサブウーハーを追加するのも良いと思います。 中域の音圧を上げるセッティングを行うと歪っぽい音になりがちです。 こういった場合はアンプ等で低歪化を図ったうえで音圧を上げるとナチュラルな目立ち方をすることができます。

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