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新・オーディオ入門51 パワーアンプ編 プリアンプとパワーアンプの違い

新・オーディオ入門をご覧いただきありがとうございます。
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『オーディオはよくわからないけど良い音で音楽を聴きたい』、『オーディオ歴は長いけどこれは知らなかった!』というお話を聴くことがあります。 新オーディオ入門はオーディオの基礎についてエンジニアの視点から初心者の方にも判りやすく解説していくものです。 タイトルは私が10代の時に愛読した『オーディオ入門』から拝借しました。 私がオーディオに携わることになったきっかけの本です。 とても判りやすく説明されていて、手元に置いて辞書のように使っていました。 『新・オーディオ入門』はその現代版となれるよう書き進めたいと思います。

 プリアンプとパワーアンプは何が違うのでしょうか。両方とも『アンプ』とついていますので増幅器であることは間違いないのですが、 動作は全く異なります。 その動作をダムの放流に置き換えて考えてみると、判りやすく説明することが可能です。 この場合、プリアンプはダムを操作するオペレーターで、パワーアンプはダムでしょう。 そして放水される水がスピーカーをドライブする電流です。 ダム(パワーアンプ)には水門があり開けると水が放流されます。ところがダム(パワーアンプ)自身では水門を操作することはできません。 水門を操作するのはオペレーター(プリアンプ)であり、どのくらいの水量を放水するのか、どのくらいの時間放水するのかを常にコントロールされています。

 また、いくら放流しようとしてもダム湖に水がなければ放流はできません。つまり、ダム湖はパワーアンプの電源回路に相当します。 僅かに放流するだけであれば問題なく放流できても、大量に放流したり、長時間放流し続けるためにはダム湖(電源)にいっぱい水が溜まっているか、川の上流から常に水が潤沢に供給されている状態が必要です。 水をいっぱい貯める方式はパワーアンプで電源事情が良くなかった1970~80年代に有効でした。 現在は電源事情は改善されたため、上流からスムーズに水を供給することが求められます。 昔のパワーアンプは大容量の電解コンデンサーに電気を貯める必要があったので大きくて重くかったのですが、 最新のパワーアンプは小型軽量です。ところが、昔の大型アンプよりも性能が良いスイッチング電源が搭載されており、スムーズに電気を供給するために電源ケーブルのクオリティにも気を使うなど、 パワーアンプの設計思想も変化してきました。

 極論を言えば、パワーアンプの本質はダムのゲートであり、それを開けたり閉めたりしているだけなのです。 コントロールしているオペレーター(プリアンプ)の方が遥かに重要な役割を担っているとも考えることができます。