一度だけの出会いが 懐かしさをくれた
2021年の初秋、
ひとりでに、豊島へ足を運んだ。
(これは池袋の豊島区ではなく、
香川の離島である。
なぜこれで「てしま」と読むのか解せぬ・・・)
このときのわたしは、
すべてが嫌になってしまって
心の赴くままに 過ごしていた。
ちょうど noteに投稿し始めた時期も
このとき。
そんなわたしは、導かれるように
豊島にむかった。
島で流れるすべての時間が
やわらかく 穏やかに、
すべてを受け容れてくれるかのように
わたしを迎えてくれた。
と、余談だけれど、
なぜ 半年も前のことを
いま 書き起こしているのか。
それは
まどろっこしいタイトルが 答えだ。
今し方、
ふと、傍らにあった
豊島美術館のポスターカードと
ガイドブックを手にし、
およそ半年ぶりに そこ と再会を果たした。
あろうことか、
なぜか 涙があふれてとまらなかった。
ふるさとや 母親を思い出すときの
あたたかさと、
わずかな ほろ苦いような
心をつままれるような
そんな感覚。
小高い丘に
なだらかなドーム状になっている
コンクリートでできた建物が ぽつんとある。
そこに足を踏み入れた途端、
すべてをつつみこんでくれる。
「だいじょうぶ。なにも怖くないよ。」と
そう聞こえた気がした。
上を見上げると
大きな穴がふたつあって、
広大な空に雲 そして 鮮やかな木々が
風に身をまかせて 空間を彩っていた。
ふと 下に目をやると、
至るところで
水滴が 浮かび上がっては、
あるときを超えると
ひとつの場所に流れていく。
そして 最後は、
みんな大きな水たまりへと 交わる。
ただただ 自然の営みを
全身で感じ、
じぶんもそこに溶け込む。
「ああ、あるがままで いいのだ」
そう感じさせてくれる。
そんな場所だった。
そんな場所に 想いを馳せ 、
あのときのように あじわってみるだけで
こんなにも包み込んでくれるなんて
あのときは 思ってもいなかった。
心のふるさとは
ひとつや ふたつだけじゃない。
通いなれた場所だけなわけでもない。
思い出すだけで安らぎをあたえてくれる場所。
いつか
わたしの大切なひとたちと
一緒に味わいたい。
それがいまの夢です。
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