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バディものに浸りたい【小説•漫画•映画•アニメ•ゲーム】

バディもの。いいですよね…個性の違う2人が互いに衝突しながら唯一無二の関係性になっていく過程でご飯五億杯いける。私はこれから得られる栄養を吸って生きています。
栄養不足になった時のためと、同じような生態の人のお役に少しでも立てたらと思って、私が好きなバディもの作品を備忘録兼紹介記事として書かせていただきました。(有名どころなのに知らないものや見れていないものがたくさんあります…)
(注)ここに載せたバディものの定義は私基準なのでご容赦ください。ざっくりと下記のイメージです。
・性別に指定なし
・基本的にもとから仲がいい二人組、ではなく、作中で初めて出会い、その2人の個性が大きく異なるのですぐには仲良くならない(まれに意気投合パターンもある)が何らかの理由で行動を共にする
・最高にテンションが上がる
もう好きな二人組が出てくる作品リストになってしまっているところもありそうですが、なるべくバディっぽさを含むものを書いているつもりです。
(注2)BLを読む人間が書いています。BLの作品を挙げたわけではなく、(一つ原作がBLというものがあります)、感想もそのような点は含まない視点で書くように努めたつもりですが、自分では気づかないところもあると思います。ご承知おきください。


小説

鋼鉄都市

概要•あらすじ
アイザック・アシモフによって1954年に書かれた、SFミステリです。ドームと呼ばれる都市で、地球生まれの人々と、宇宙に移民した人類の子孫のスペーサーと呼ばれる人々が暮らす未来の地球が舞台で、そこで起きたスペーサー殺人事件を、地球人の刑事イライジャ・ベイリと、スペーサー製の人類そっくりのロボットのダニールがともに追います。

偏屈でロボット嫌いで、論理的と言いつつ感情論で喧嘩するベイリと、全く感情を理解せずともすれば恐怖を覚えるレベルで最高率で行こうとするダニールの組み合わせがたまりません。ただ、いわゆるバディもので一番グッとくるような、信頼を深めていったりその変化がわかるシーンは実はそこまで明確にはなく、捜査のシーンの方がメインで、読んでいる間の興奮度はあまり高くなかったのですが、ラストが最高だったので、それだけでお釣りが来ました。命救われた。後述するゲームのDetroitの元ネタの一つとも言われています。バディもの度はあっちの方が高いかなと思いました。

漫画

寄生獣

概要•あらすじ
1988-1995年に岩明均によって連載された、SF、スリラー、ホラー漫画です。パラサイトという、生物に寄生し、頭部侵入して脳を乗っ取り、見た目を宿主に完全に擬態し、人間を捕食する生物が突如飛来した地球が舞台です。その中で、寄生されたものの頭部への侵入は免れ、右腕だけが寄生生物となってしまった少年の泉新一は、そのパラサイトをミギーと名付け、奇妙な共同生活を送ることになりますが、人間を捕食する他のパラサイトが起こす事件に巻き込まれていきます。

最初は弱気な新一が経験を経てむしろ人間離れしていくのに対し、ミギーは新一と過ごし人間という生き物について独自の理解を得ていくのが面白いです。違う生物であり、価値観が生存本能のレベルで異なる1人と1匹の衝突は、人間同士のバディものとはまた違ったベクトルで、その関わり合いの中で人間とは何か、と考えさせられます。生死の境を行き来する命のやり取りを経て深まっていく繋がりは、一言では言い表せない奥行きがあります。でもその絆は最後には少年漫画的なアツさも!シンプルな萌えというよりは染み渡る感じの関係性です。作品自体の完成度が本当に高く、メッセージもとても好きなので、バディモノという要素抜きでもいろんな人に読んでほしいなと思う作品です。ただ、かなりグロテスクな描写が多いので、

映像作品

———国内ドラマ———

MIU404

概要•あらすじ
2020年にTBSにて放映された、星野源と綾野剛のW主演による刑事ドラマです。星野源演じる志摩一未は、社交力に長け、先回り思考で道理を通す人でとても優秀ですが、過去に何らかの理由で異動になっており、他人も自分も信用しない、と言い放つ、どこか影のある人物です。一方綾野剛演じる伊吹藍は、機動力や直感には優れるものの、猪突猛進で勝手に動き回り、これまでの職場の同僚の評判は最悪の人物。この二人がバディを組むことになり、機動捜査隊のもと、事件を追っていきます。

もうあらすじからして約束されていますが、期待通り衝突ありピンチあり絆されありの欲しいもの全部盛りです。とくに、冷静な志摩が破天荒な伊吹を信頼していく様子が好き…またメインの二人組ではありませんが、同じ機捜の別コンビ(ベテラン飲みニケーション系おっさん×キャリア組エリート若手の陣馬九重コンビ)がめちゃくちゃ好きです。塩対応の九重くんが絆されていくのがたまりません!!メイン2人とはまた違ったおいしさがあり、一作品の中で異なる栄養をもつバディが二組もいるという神作品です。
ちなみに、同じ脚本家の方が書かれた、同じ世界観の別の話として「アンナチュラル」というドラマがあります。こちらは不自然死の原因を究明する研究所の話で、miu404と比べて特定のコンビというよりは他の同僚のメンバーの出番が満遍なくあり、バディというよりチームで交流を深めていくシーンの方が多かった印象なので、入れませんでした。が、こちらもかなりバディ栄養素が味わえる作品になっていますので、ぜひ。

仮面ライダーオーズ/OOO

概要•あらすじ
2010〜2011年に放映された、特撮テレビドラマです。人間の欲望を利用して暗躍するグリードというメダルの怪人が復活した世界。主人公の火野映司は、右腕だけになってしまったグリードのアンクに促され、人々を守るため、仮面ライダーオーズとして戦います。一方でアンクはそのオーズの力を利用して、他の怪人を倒すことでメダルを奪い、力を手に入れようと画策します。

手段は一致しているが、最終目的がかなり異なるパターンのバディものです。刑事ものとかはお互いの考え方の違いで手段は違うことはあっても目的は同じなので、そこの衝突はありませんが、この作品は目的の違いによる衝突があり、そこがかなり個人的には美味しいなと思う作品です。主人公の映司は気さくで優しく、グリードのアンクは怪人で偉そうで粗暴な態度なので、アンクが映司を振り回すかと思いきや、映司もなかなか食えないやつで、互いに互いを振り回していくのがイイ。だんだんと戦闘での息も合っていくんですね…最高ですね….
かなり長めで、途中ちょっとダレるところもあり、特撮のノリもあるので人を選ぶところがあるかもしれませんが、二人の旅の終着点を観終えたあとの感慨もひとしおなので、ぜひ。
他の仮面ライダー系だと、仮面ライダー電王のライバルポジのコンビも最高です。あと、観れていませんが仮面ライダービルドもかなりバディもの感を感じるので見てみたい…

———海外ドラマ———

陳情令

概要•あらすじ
中国で2019年に放映された、墨香銅臭によるファンタジーBL小説”魔道組師”を原作とした時代劇ファンタジードラマ。原作はがっつりBLですが、ドラマはいわゆるブロマンスというジャンルに収まる範疇の描写しかなく、直接的な要素はありません。(中国での検閲事情で省かれています)温氏、藍氏、江氏、聶氏、金氏という、力を持った五大家が天下を納める世界で、その中でも温氏は自身が征服しようと目論み、さまざまな陰謀を巡らせています。その中で、江氏の宗主の養子として育てられた、才覚に恵まれ卓越した技能を持つものの、その奔放さから手を焼かれている魏無羨(ウェイ・ウーシェン)と、藍氏の第二公子であり、極端なほど真面目で潔癖な藍忘機(ラン・ワンジー)が、互いに衝突しつつも世をより良くしようと、その陰謀に抗っていきます。

なかなか意気投合するまでの前振りが長く、その道程の中でも信じられないくらい悲劇がたくさん起こるのですが、その分二人の絆はもう語りきれないほど深く、描写もとても丁寧で、互いに互いが影響されていく過程がしっかり描かれていて最高です。初めは藍忘機の方が振り回されていたのに、次第に魏無羨の方が振り回されるようになるのが好き…
メインのお話もとても面白く、他の登場人物も皆魅力的で、さらに2人は楽器を武器に戦う(箏と笛)ので中国の伝統的な音楽も非常に贅沢に使われており、大変におすすめなのですが、ハードルが高いのは事実です。まず45分ドラマが50話あるというボリューム、名前が漢字+さらに立場や人によって呼ばれ方が全く変わり誰のことを指しているのか分からず序盤大混乱する、登場人物が多く関係も複雑で立場が初めは分かりづらい、任侠小説特有の設定に慣れるまで時間がかかる(急に説明無しに空を飛びます)、かなり悲惨な展開が続くところがあり辛い、などなど….ですが、乗り越えた先には素晴らしい絆が待っているので、気概のある方はぜひ!!

———海外映画———

RRR

概要•あらすじ
2022年に公開された、S•S•ラージャマウリ監督による、ミュージカルアクション映画です。インド映画(テルグ語)で、バーフバリの監督と言えばご存知の方もいるかもしれません。あと、作中の音楽”ナートゥ•ナートゥ”も流行ったので、その面で聞いたことがある方もいるかもしれませんね。実在のインド独立運動の指導者である人物をもとに作成されたフィクションです。1920年のイギリス領インド帝国が舞台。ゴーンド族のビームは、イギリス政府のインド総督によって奪われた村の少女を奪還することを誓い、首都デリーに潜伏します。その時、ある列車事故をきっかけに、インド人でありながら大義のために英国政府の警察官となったラーマと知り合い、意気投合し、互いの正体を知らぬまま仲を深めていきます。しかし二人の道は本来交わらぬもの。友情か使命か、選択を迫られることになります。

3時間という大ボリュームですが、アクションあり、友情あり、コメディも、恋愛も、癖になる音楽も、全てが含まれており、個人的にはあらゆる面で満点の映画です。特にアクションがいい意味で大袈裟でケレン味があり最高にアガります。途中で挟まる音楽もなんか全部名曲だし…また、フィクションではありますが、インドの歴史を知るきっかけとしても良い作品だと思います。もちろん、ビームとラーマの固い友情は説明の必要もなく最高です。超カッコいいです。ラーマの兄貴が最高にカッコいいしイイ兄貴してるんですよ!!!!!!!全人類見てほしい。

ターミネーター2

概要•あらすじ
1991年日本公開の、SFアクション映画。言わずと知れた名作です。
スカイネットと呼ばれる自我を持ったAIコンピュータは、自身が人類を支配するという未来を確実なものにするために、それを脅かす存在である人間の指導者ジョン・コナーを、過去に遡って抹殺しようと、未来からアンドロイドのT-1000を刺客として送ります。前作にてその未来を知ったサラ・コナーと、ジョン・コナー、そしてスカイネットによって作られながらも、ジョンを守るというミッションを与えられて未来から来たアンドロイドのT-800は、ジョンの命を守り、スカイネットによって支配される未来を回避すべく奮闘します。

ちょっとバディものという定義からはずれてしまっているかもですが、生意気だけど根っこは素直な少年コナーと、任務遂行のために一直線なT-800の二人のかけあいが最高なんです….ジョンが言う冗談を真に受けるところとか、だんだん息があってくるところとか。もちろん全体のお話も、名作の名に違わぬ面白さですので、万人に見てほしい作品です。T-800のリロードがカッコ良すぎるんよ。

ズートピア

概要•あらすじ
2016年に公開された、ディズニー作品です。”ズートピア”と呼ばれる、様々な動物たちが暮らす大都会に、警察官になる夢を抱いて田舎からやってきたウサギのジュディと、詐欺師のキツネのニックは、ひょんなことから、二人である事件の謎を追うことになります。
警官と詐欺師、約束された組み合わせ。悪態をつきつつもだんだん息があってくるコンビis最高。2人は動物なのもあって、それぞれの得意なことや経験してきたこと、価値観が種族的にも異なるところがあるのもこの作品の面白さだと思います。ニックが魅力的すぎるんよ。安心のディズニークオリティですので、ぜひみんなに見てほしい(こいついつも言ってんな)

名探偵ピカチュウ

概要•あらすじ
2019年に公開された、ゲーム”ポケットモンスター”を題材につくられた、ハリウッドの実写映画です。主人公ティムの父親は、ポケモンに関わる事件を解決する刑事で、その熱心さから、主人公が幼い頃から、家に長い間戻っていませんでした。大人になったティムのもとに、父親の死を知らせる連絡が入り、荷物整理のために都会の父の部屋に向かうと、そこには人語を喋るピカチュウが。ピカチュウは父親の相棒だったと言い、事故の衝撃記憶を失っているが、父親は死んでないはずだ、と話します。そしてティムとピカチュウは、父親の死の真相を追う中で、大きな事件に巻き込まれていきます。

ピカチュウの中身はおっさんです。ちょっと冷めてるけど根は熱いものを持つティムと、見た目はとてもキュートなのに中身は頼りになるんだかならないんだか微妙なおもしろおじさんのピカチュウが、事件を調べる中でだんだん良いコンビになるのがたまらないです。あとおっさんピカチュウが面白すぎる可愛すぎる。ほんとに。実写のポケモンのビジュアルも、静止画で見るとちょっとびっくりするものもあるのですが、作中で生き生きと動いている様子を見ると全然違和感なく溶け込んでおり、ポケモンの実写化としても面白いです。あと、街のビジュアルが結構サイバーな感じで超イイです。

LEON

概要•あらすじ
1995年に公開された映画です。ある男が麻薬取引に失敗し、家族全員が惨殺されてしまいますが、その中で偶然にも免れ一人だけ生き残った少女がいました。その少女マチルダは、隣に住んでいた殺し屋の男性レオンに助けを求め、奇妙な共同生活がはじまります。その中で、二人は心を通わせていきます。

これもバディかと言われるとちょっと違う気もするんですが…でも、得られる栄養素的には近いなと思って勝手ながら入れております。まだ少女なのに時たま大人っぽい様子を見せるマチルダと、孤独で寡黙な殺し屋(でもたまに優しい) の心を通わせていく過程が、ね……もう最高なんですわ…..二人の心が埋まっていくのがさ…..ハーーー
(ディレクターズカット版では、より親密な関係を感じさせるシーンが多くあり、人によっては合わないかもしれません。)

———国内アニメ———

TIGER&BUNNY

概要•あらすじ
2011年に公開された、サンライズ制作のテレビアニメ。 NEXT(ネクスト)とよばれる超能力者が生まれた世界が舞台で、スポンサー各社と契約し、その能力を使って街を守るスーパーヒーローが存在しています。主人公のおじさん”鏑木・T・虎徹”は、デビューして10年、人気は落ち目ながらも地道にヒーローとしての活動を続けていました。しかし所属会社の都合により、自分と同じ能力を持ちつつも、性格が正反対の超優等生なルーキー、”バーナビー・ブルックスJr.”とコンビを組まされ、活動していくことになります。

アニメ界のバディもの代表です(諸説あり)。虎徹は、人情家で熱くなりやすく、人を守るためなら器物損壊も伴わない(代わりに企業が弁償する羽目になっても)、お節介なおじさん。バーナビーは、外面は愛想がいいものの中身はクールで冷静、合理的な優等生。この2人が仕事を組まされて喧嘩にならないはずがないし、いいコンビにならないはずがない。バーナビーがなんだかんだだんだんおじさんに信頼を寄せていくのがたまらん。一番初めの作品のTVアニメ版は2クールあるのですが、1クールは出会いからだんだんコンビになっていくまで、2クールは良いコンビになってから、様々な事件に巻き込まれていく(その中で仲が危うくなることもある)もので、個人的には1クールがバディものとしては一番美味しかったなと思います。個人的にはバディものの”トロ”の部分は、関係性が変化していくところだと思っているので…

ゲーム

Detroit : Become Human

概要•あらすじ
2018年に発売した、アクションアドベンチャーゲーム。PS機やPCでできます。プレイできる映画もしくは海外ドラマ、といったようなゲームです。主人公が三人おり、それぞれの視点の物語が平行して進みます。キャラクターを操作して部屋の中を調べたり会話したりできますが、その選択は、他の主人公の物語に影響を及ぼし、シナリオ展開が分岐していきます。選択によっては容赦なく主要人物が亡くなったりします(それでも主人公が行動不能にならない限り物語は続きます。選択の重さを味わえます)物語は、2038年、AIとロボット技術が発達し、アンドロイド産業で発展した未来のデトロイトが舞台。アンドロイドは非常に高性能で人々の仕事をかなり代替していますが、変異体と呼ばれる、自我に芽生えたアンドロイドの個体もあらわれはじめており、ついに人命を奪うものもあらわれました。主人公の一人である、その事件を捜査する警察をサポートするために作られ派遣されたアンドロイド・コナーは、過去の出来事からアンドロイドを嫌う53歳のベテラン刑事のハンクとタッグを組み、事件を追います。

他の二人の話も面白いんですが、バディもの栄養素が味わえるのはコナー編になります。もうこれがね、素晴らしいんですよ!!!主人公のコナーはアンドロイドですので完全に合理的な判断を下せるように作られていつつも、任務遂行に支障のないように愛想よく冗談まで交えて対話できる機能も備えています。一方ハンクは、短期で皮肉屋、過去は事件解決に燃え、優秀だったものの今はある事件で自暴自棄になってしまった人物。皮肉屋なおじさんを合理的で優秀な若者が引っ張るという構図はもう無形文化遺産ですよ。ハンクがコナーに理解を示していくのが最高だし、コナーもハンクの合理的でなく初めは理解できなかった感情や思考回路も理解していくのも最高。そしてなにより最高なのは、これがゲームなことです。2人の会話でどう受け答えするかが、全て選べるんですよ!!受け答えだけでなく、行動まで!!例えばハンクの皮肉に、優等生らしく愛想よくかわしてもよし、真正面からど正論をかますもよし、冗談で返すもよし、なんです。全てでハンクのリアクションが違うし、会話の内容によっては好感度が上がりまして、エンドが分岐します!!!また、コナーはアンドロイドなので、犯人などに致命傷を負わされても代わりの機体がいくらでもいるし記憶も引き継げるので、操作でミスってもそのまま物語が進みます。一方、そうやってミスをすると、まるで死んでも生き返ったかのような振る舞いするコナーに、ハンクは気味が悪いと不快な様子を示すんですね。でもプレイヤーがうまくやって死なないで捜査を終えられれば、この発言も出てこないんですよ。他にも、物語の後半の方の、ある程度信頼度が上がっている状態で捜査でミスって死にかけるとめちゃめちゃ心配してくれたりとか….自分の選択で、膨大な分岐を味わえる。バディ栄養素のテーマパークですよこれは。映像も本当に実写みたいで、ハンクの感情が表情からも読み取れてしまう素晴らしさ。お話としても大変面白く、ゲームとしてもものすごく良くできた作品だと思うので、どうかやってください。

マジで最高なのでやってください

バディミッション BOND

概要•あらすじ
2021年に発売されたアドベンチャーゲーム。ヒーローを目指す警察官•ルークは、上司が捜査をしないと宣言した事件について、独自に調査を進める中で、DISCARDという暗躍する組織の存在を知ります。とあることをきっかけに、ルークは、「怪盗ビースト」として世界に名が知られる泥棒アーロン、元忍者のモクマ、天才詐欺師のチェズレイと、4人でその組織の真実を追うことになります。

このゲームのすごいところは、4人メインキャラがいますが、その4人の全ての組み合わせについてきちんと描かれているところ。メインのお話には分岐はありませんが、短いけど個数は多くかなり密度が濃いサブストーリーのようなお話が、全ての組み合わせに用意されており、組む人が違うことで全く違う面が見えてくる面白さが味わえます。ゲーム中に聞き込みをする捜査や、潜入するパートでも、4人の中から任意で二人組を作ることができ、二人の会話を楽しむことができます。なんとなく王道の組み合わせと想定されているコンビはあり、そこの会話はメインでは多めではあるものの、どの組み合わせを推しても供給があるという素晴らしいゲームになっています。
捜査パートや潜入パートはゲーム性としては正直一昔前のもの感がありますが、とにかくシナリオがいいです。ADV好きの方はぜひ。

DISCO ELYSIUM

概要•あらすじ
2019年に発売された、ロールプレイングゲーム(いわゆるRPGではなく、TPRGのような方の)です。記憶喪失の刑事を捜査し、相棒とともに殺人事件の謎を解いていきます。主人公のパラメータは自分で振ることができ(頭脳派なのか、肉体派なのか)、振ったパラメータに応じて、会話の選択肢や捜査しているときに気づくポイントなども変化します。

相棒のキムは、昔から主人公と相棒であったわけではなく、物語の中における捜査対象である事件を解決するために派遣された人物で、ゲーム開始時には初対面です。主人公の刑事のおっさんは、記憶を失っているものの、目を覚ましたときの周囲の様子から、かなりのやべーやつであることが予想されるにも関わらず、キムは気を遣って冷静に、誠実に接してくれます。このキムのキャラが本当に良くて、淡々としつつも、主人公(を操作している自分)の突拍子もない選択にも、ある程度は理解しようと努めてくれる誠実さをもち、生まれから様々な苦難を経たことで達観した姿勢がありつつも、根っこには熱いものを持つ男なんです。ぜひキムを味わってほしい。ただし、このゲームはかなり人を選びます。テキスト量が半端なく、文章も少し難解なところがあり、ビジュアルも抽象的な油絵が多く使われる独特のスタイル(それがかっこいいんですが!!)で、会話もダイスで分岐したりして結構めんどくさかったりします。バディ要素が気になる!と思って買うにはちょっとバディ味も薄めなところはある(本作の描写はほとんどがテキストで行われるため、体感的には小説を読んでいるほうが近いです。同じゲームでも、上記のデトロイトはドラマを見たときのように二人の掛け合いにテンションが上がりますが、この作品は小説を読んだときのように、じんわりと染み入る良さがあります。わかりやすいバディ物栄養素は少なめですが、いくつかとてもグッと来るシーンもあります)ので、ゲームとして気になった方にはおすすめできるかな。

SANABI

概要•あらすじ
2023年に発売した、2Dワイヤーアクションです。主人公は機械の義手を持つ退役軍人。ある任務でメガシティに招集された主人公は、SANABIと呼ばれる謎の存在、そしてそのメガシティに眠る秘密を、シティで出会った天才ハッカーである少女・マリとともに追うことになります。

主人公は任務以外どうでもいいといった感じの寡黙な男性です。一方マリちゃんは賑やかな感じの、でも時たまどこか影を思わせるところがある少女。任務一直線な主人公に、マリちゃんは振り回されますが、同時に感情的でおっちょこちょいなマリちゃんに主人公が手を焼く場面もあり…マリちゃんがジャジャ~ンってせっかく言ってるのに、さっさとしろって言うところとか、最高。こんなに正反対で、互いに理解できないと思いつつも、共通の目的のために手を合わせ、強大な敵を倒していき、息があっていく様子が、毎度言ってますけども、最高なんですね。この作品は、バディもの栄養分もかなり含んでくれていますが、とにかく、もうとにかく、ストーリーがほんっとうに良いんです。私の好みもありますが、人生でやった中で上位五位くらいに入るレベルで個人的には良かったと思っています。全人類やってください!!

メモ

下記に、バディものとは言えないけど結構にた栄養味わえるな…ってものとか、世間ではめちゃくちゃ有名なのに私がまだ見れていなかったりするものを備忘録として書いておきます。

アニメ
けものフレンズ(コンビとしては最高だし、二人でできることが違うけど補いつつ冒険していくお話もとても良い。が、終始めちゃくちゃ仲が良いので、バディもの!!って感じはあんまりしない。固い絆の二人組、という感情はとても味わえる)

ゲーム
・ゴーストトリック(主人公のシセルはニヒルなヤツ、作中行動をともにするリンネ刑事は明るく突っ走るおっちょこちょい系。)
・逆転検事(主人公の御剣はクールで合理的、相棒の美雲ちゃんは元気で明るい少女)

漫画
・ブラックジャック(ブラックジャックはニヒルな闇医者。ピノコは双子の姉の腹の中で18年間生き続けていた畸形嚢腫で、ブラックジャックの手で人工の体を得た少女。精神は16歳だが人生経験はないため幼い少女の面もあり、ませた強気の、いたいけな女の子といった感じ。この二人の関係が最高。バディ感でいうと、キリコ(安楽死を良しとする医者で、死生観がブラックジャックと合わない)とたま~に手を組む回のほうがあるかも)
・うしおととら(読みたい)
・ワールドファイネスト(バットマンとスーパーマンのコンビのことです。明確なシリーズがあるわけではありませんが、単独コミックとかいろいろデていて、二人の性格の違いがバディ感をめちゃくちゃ感じます)

ドラマ
・SHERLOCK
・火村英雄の推理
・Hawai five-O
・SUIT
・ハンニバル

映画
・シュガーラッシュ
・ヴェノム
・第五惑星


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