#20 レッド・ホット・チリ・ペッパーズ『リターン・オブ・ザ・ドリーム・カンティーン』
レッド・ホット・チリ・ペッパーズ『リターン・オブ・ザ・ドリーム・カンティーン』
同じ時代を生きることができて良かったーー。僕がそう感じているバンド/アーティストが、何組かいる。レッド・ホット・チリ・ペッパーズもそう。今年4月に約6年ぶりにリリースされた新作『アンリミテッド・ラヴ』で、その想いは揺るぎないものとなっていた。とりわけこの曲(↓)は、気づけばずいぶんと人生を生きてきたなと、黄昏ることが多くなった自分に沁みに沁みた。
そして半年、なんと早くも次なる新作が登場した。前作と同様に、今作も本編が17曲。しかも、またしても名曲の玉手箱状態。ジョン・フルシアンテの電撃復帰が、バンドにどれだけのケミストリーとエネルギーをもたらしたのかを、感動とともに思い知らされる。献身的にバンドを支えた、前任のジョシュ・クリングホッファーとの別離が切なくはあるけど、これもまたレッチリらしいと言えばレッチリらしいわけで。
個人的に大ウェルカムなのは、年を重ね作品を追うごとに、彼らの音楽のメロディアス度、メロウ度がアップしていること。他界したエディ・ヴァン・ヘイレンへのオマージュであろう「エディ」なんて、アンソニーが歌う旋律とフリーのベース・ライン、ジョンのギター・フレーズが泣きのメロディでハモるという、号泣ものの展開だ。アルバムのエンディングがポエトリー・リーディングというのも、たまらない。
まだリリースされたばかりで、どうしても感動が先立ってしまい、1曲ずつ吟味している余裕がない。まあ、ゆっくり、じっくり、味わわせていただくとしよう。枯れた? いいじゃない。カッコ良く枯れてやろうじゃないの。若いモンには枯れることなどできないのだから。
鈴木宏和
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