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Glen Phillips Japan Tour 2024

7/4 Nagoya,Tataraba

最も大切なアーティストの一人、グレン・フリップスのライブに行ってきた。

トード・ザ・ウエット・スプロケットが大好きで、叶う事なら死ぬまでに”日本”で観ることが出来たなら、とずっと願っている。先日、何とついにそのトードのヴォーカリストであるグレン・フリップスのソロライブを観ることが出来た。しかも驚くほど間近で。もう、終始感動しっぱなしで言葉もない。
それは人生で最も短く感じた1時間半だった。

グレン・フィリップスってどんなアーティスト?

1986年サンタ・バーバラの同じ高校に通う4人で結成したロックバンド、Toad The Wet Sprocket のヴォーカリスト。1989年にデビュー、その後3rdアルバムの「Fear」(1991年)4thアルバム「Dulcinea」(1994年)と2枚立て続けにプラチナディスクを獲得し、全米を代表するメジャーバンドへと成長し成功を収めるが、続く5thアルバム「Coil」(1997)をリリース後の1998年にバンドは解散。(その後バンドは2013年に16年ぶりの6thアルバムをリリースし、2021年には7thアルバムもリリース。現在も精力的にライブ活動を続けている)。

98年の TTWS 解散後にグレンはソロキャリアをスタート。
2000年に1stソロ・アルバム「abulum」をリリース後、5枚のオリジナル・アルバム他未収録曲アルバム、ライブ・アルバムなどを精力的にリリース。初来日は2006年4月、2回目が2008年4月、3回目が2011年11月、4回目が2016年4月。そして今回2024年7月、8年ぶり5回目のジャパンツアーで来日。

オリジナル・アルバム

  1. abulum『アブルム』(2000年)

  2. winter pays for summer『ウィンター・ペイズ・フォー・サマー』(2005年)

  3. Mr.Lemmon『ミスター・レモン』(2006年)

  4. Swallowed By The New『スワロウド・バイ・ザ・ニュー』(2018年)

  5. There Is So Much Here『ゼア・イズ・ソー・マッチ・ヒア』(2022年)

その他のアルバム

  1. Unlucky 7 (2006, independent)

  2. Secrets of the New Explorers (2008, independent)

  3. Tornillo (2010, independent)

  4. Coyote Sessions (2012, independent)

  5. Options – B-sides & Demos (2014, Umami Music)

  6. Live at Largo (2003, independent)

  7. Connect Sets (2005)

  8. Live at the Belly Up (2016, Belly Up Live)

僕がグレンのアルバムをしっかりと追えているのはオリジナル・アルバムの5枚。かろうじてLiveアルバムの『Live at Largo』は手元にあるが、それ以外の企画&ライブアルバムは聴けていない。ただ、Toad The Wet Sprocketとグレンのソロ・スタジオ・オリジナルアルバムは全てCDで手元にある。バンド、ソロ、別プロジェクトとグレンが歌う曲は170曲程度、頭にインプットされている。自分にとっては、青春をともにし今もなお聴き続けているかけがえのないアーティストだ。それにも関わらず、実は恥ずかしながらグレンがすでに4回も来日している事を知らなかった。日本での知名度や人気を考えると、バンドが来日する事はまず無いだろうなと半ば諦めてしまっていたから、ソロで来日なんて事には考えが及ばず、調べたことすら無かった。なんという失態!

だが今回、数年前に始めたSNSを通じてグレンが来日することを知った。しかもそれは、この note で「 Toad The Wet Sprocket の全オリジナルアルバムをフィジカルで聴く」という記事をUPして1週間後の来日情報リリースで、僕にとってはなんという奇跡!と心底興奮した。
企画してくださった鎌倉の Cafe Goatee さん、そして名古屋公演を実施してくださった皆さん、本当に本当にありがとうございました!

今気がついたけど、2023年!? いやぁ、こんなこともあるさっ!笑

さてさて、ライブ当日。
この日は午前中仕事、午後と翌日はお休みを取りライブに向け万全の体制。退社後、灼熱の太陽を浴び一体何℃になっているのかわからない車中で、汗だくになりながらスーツから私服に着替え、急ぎ最寄り駅へ。そして在来線に乗り、予約した栄のホテルへ。道中はもちろん、Spotifyにてセレクトしたグレンのベスト。この曲やってくれるかな~、などと想像を膨らませ移動。夕方無事ホテルに到着。あまりの暑さにやられ、室内で涼んでいたはずがいつの間にか寝落ち!そして、寝過ごしてライブに行きそびれるという最悪の夢で慌てて飛び起きたが、ライブの時間まではまだ全然余裕…。いやぁ、焦った。
その後しっかりと準備をし、いざ吹上「鑪ら場」へ。

鑪ら場、とても雰囲気の良い空間。

会場10分前に到着したらすでに20人近く並んでいたが、整理番号順なので並んでいる人に確認しながら、自分の番号の場所に並ぶ。いよいよだ。
19時、会場となり地下にある「鑪ら場」へ。

とても雰囲気が良い!
初めての場所なのになぜか落ち着く。チケット代とドリンク代を払い、2列目に座る。
いやぁ、近いぞ、近いぞ!

物販に並ぶCDやレコードを見て、本当にあのグレン・フィリップスがここで歌うのか!と誰にも気付かれないように、一人静かに大興奮。とにかく、落ち着かない。ソワソワする。

そこへ、眼の前を「エックスキューズミー」と外国の方が僕の前を横切る。邪魔にならないように足をどけ、顔を上げると、なんとそれがグレン!!!

へ?なんで?
(いや、ここでライブやるのだから当たり前だろ)
え?でも、あの憧れのグレン・フィリップス!?
うそ!(いや、だからさ…)
心の準備が1ミリも出来ていないのに!
と頭の中を猛スピードで色々なことが駆け巡った。

そのままフリーズしていたら、前座のアジマカズキさんの演奏がスタート。すごく素直な演奏にやっと我に返り、思わず聴き入る。アジマさんもグレン・フィリップスが大好きなようで、「曲やるよりどれだけグレンを好きか語ります!」という素敵なMCもあった。少し短めの前座を終え、いよいよグレンだ。

グレン・フィリップス!!!

高校生の頃1年間留学したアメリカ。
滞在先のホストファミリー宅でいつもMTVを観ていた。当時はグランジやオルタナにどハマりしていた。そんな中、意図せず耳にした「All I Want」。聴いたその瞬間から胸が締め付けられるように魅了され、その歌声に打ちのめされた。あれからもう30年以上。ずっとずっと大好きだったトード・ザ・ウエット・スプロケットとそのフロントマン、グレン・フィリップスが目と鼻の先で歌っている!とその事実を確認、実感するたび目頭が熱くなった。

ずっとCDで聴き続けてきた大好きな曲が次々と、眼の前で生の歌声で聴けること、そしてアコーステックギター1本とは思えない広がりを見せる音の世界に、心酔した。わかっていたことだけれども、配信でアコギ一本のライブだって何度も見てきたけれども、生って凄いな。そしてアメリカで2枚連続プラチナ・アルバムの実力ってやっぱり半端ないんだな、と衝撃だった。1曲終わるごとに贈られる拍手に対し、少し照れるように微笑するグレンの姿も印象的だった。なんか曲や歌声、表情やエピソードから勝手に思い描いていた、優しい人柄がにじみ出ているなぁ、と思った。

曲は、ソロからトードの曲まで幅広くやってくれた。
当日リクエストは無かったけれども、もしも「聴きたい曲ある?」と言われたら、ソロ中心のセットリストだった場合は「True」か「Cleareyed」、トードの曲もたくさんやってくれるのであれば、「All I Want」か「Fly From Heaven」をリクエストしたいと思っていた。その中で「Cleareyed」と「All I Want」は聴けた。ただ、自分はグレンのライブを観るだけのはずなのに、なぜか観ることに緊張し、その緊張をほぐすためにビールをたくさん飲んでしまった為、肝心の「Cleareyed」をトイレで聴く羽目に…。でもやっぱりいい!
そして、さすがに思い出が詰まりすぎていて「All I Want」は涙が溢れ出るのを防げなかった。

あとは「The Sound of Drinking」の美しいアルペジオにうっとりとしたり、やっぱり「Walk On The Ocean」は感動したし、驚いたのは「Stupid」「Nanci」なんかも聴けたこと。いやぁ、時間が足りない!!!まだまだまだまだ聴きたかった。本当に終わってくれるな!と。でも時間は残酷。最高の時間はあっという間で、人生で1番短く感じた1時間半でした。

終わった瞬間、下北と鎌倉もチケット取ればよかった…と大後悔した。次回は旅行を兼ねて、できる限り多くの会場に足を運ぶと心に誓った。出来れば松山も行ってみたい!

グレンは自分にとって特別なアーティスト。
それももちろんあるのだけれども、今まで行った全てのライブの中で1番だった。

セットリストのようなもの。ここからたくさん歌ってくれました!


ライブ事前に今回のツアーTシャツを予約していたので、無事入手。人気であっという間に完売していた。そして、ずっとずっとフィジカルを探していた「Works Progress Administration」のCDも入手!!!購入する際、主催の方から「これは持ってる?」と「Glen Phillips Options」を紹介され、持っていなかったのでそちらも一緒に入手!良かった~。

そしてそして、可能だったら全てのスタジオ・アルバムにサインしてもらおう!と一応全部のアルバムのCDジャケを会場に持って行っていたのだが、勇気がなく、ドードで一番思い出深い「Fear」とソロで一番好きな「winter pays for summer」にサインをもらった!!次回の来日は他のアルバム持っていって、少しずつ、いずれは全てのアルバムにサインもらおうっと!

このTシャツ、花*花さんという知的障がい者作業工房にて作成されたそうです。本当に素敵なデザインと、文字。最高に洒落ていて素もあたたかい。
気に入ってすぐに予約を入れさせてもらいました!!


1991年、アメリカはワシントン州ヴァンクーバーのホームステイ先のテレビから流れてきた「All I Want」を聴いてから33年。ずっとファンです。
途中、バンド解散後に16年の時を経てアルバムがリリースされていることを知らなかったり、その間何度も来日されていたことも知らなかったような駄目なファンですが、それでもずっと聴き続け、何度も何度もあなたの歌声に救われ、勇気をもらい、前を向いて歩いて行く力を与えてもらいました。

次来日してくださるときは、可能な限りできるだけ多くの会場に足を運びます。ぜひまた、できるだけ近いうちに来日してください。また会える日を心から願っております。

嬉しくて号泣!! Thank You!

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