船宿「末廣」

梅蔭寺を出て巴川沿いにすこし上り、次郎長が経営していた船宿末広へ。
こじんまりとした二階屋で、いきなり旅支度の等身大次郎長蝋人形がお出迎え。時節柄みごとなつるし雛が展示されていて美しい。

館内には飲食スペースもあり、15分ムービーで次郎長の生涯を簡単に振り返ることもできる。

二階には次郎長経営の英語塾のようすが人形で紹介されていたけれど、個人的ヒットは藤枝長楽寺清兵衛の写真。

次郎長ものの映画ではきまってラストに描かれる荒神山の戦い。
吉良仁吉(次郎長の子分ではない)が兄弟分の神戸長吉のため伊勢の荒神山で命を散らす物語。長吉の助っ人に押し出してきた次郎長軍団と穴太徳の軍勢が大立ち回りを繰り広げる。

しかしじっさいは穴太徳は次郎長の軍勢に恐れをなして降参したそうで、数年後、各地親分がやってきて手打ち式をしたときの集合写真が展示されていた。

この人は神戸長吉と吉良の仁吉に御油玉吉をくわえた三吉の媒酌人で(真偽は不明)去年のまど舎で藤枝に演奏しに行ったこともあって注目していた人物なので存在を確認することができてうれしかった。しかし情報が少なすぎて、どういう人なのかはまったく不明。

ディープな沼にひきずりこまれながら川沿いの道を下り、いよいよ次郎長生家をたずねる私たち。軒先でなんと仁義を切ろうか考えつつてくてく歩き…


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