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ムシラセ『瞬きと閃光』撮って書いて演出して、それで。

写真展もあるし配信もやっているし、それが全部終わったら終演後ブログ書こうかなと思って日常(私の場合は写真屋さん)に戻っているのですが、そろそろ書いといた方がいいだろうとおもって筆を取ります。

ムシラセ「瞬きと閃光」ありがたいことに見てくださったお客様のクチコミのおかげで結果最終日まで満員御礼で幕を閉じることができました。
コロナ禍、演劇界自体がかなり苦戦している中、本当にありがたいことです。(だって初日あけるまでスカスカだったもの)

いつもは勢いのままありがとうございましたー!って書くんですけど、今回に関してはなかなかそうもいかず。
※配信まだ見てないネタバレが嫌いな方はここから読むとネタバレに近いことしか書いてませんから、後ほどどうぞ。

これを読んでくださってる方がどこまでご存知かはわかりませんが、ちょうど執筆を始めた時期に、今回出演予定だった松尾くんが亡くなりました。自死でした。因果なタイミングのよさで、火葬にも立ち会えました。
顔は見られませんでした。
きっと写真がないだろうと思ってお節介で焼いてもっていったビジュアル撮影のときの写真が遺影になってしまって、私は彼を撮った最後のプロカメラマンになってしまいました。
そんなつもりで撮ったんじゃないのにね。

生きていてこんなに悲しいことがあるのかと、人がいなくなるということにこれほどまでの嵐が起きるのかと、起きた嵐は強烈なものだったはずなのにいつのまにか凪いで、こんなにもすぐみんな忘れてしまうのかと、私はずっと怒っていました。自分勝手で、何もできなかった自分に。

松尾くんに出演をお願いした段階でこのお話は大枠のプロットも構成も既にできていて
「オバケのスケープゴート的な存在で女子校をうろうろしている害のない不審者やって」
という聞いてもわけわかんないだろうなっていうオファーをしたんですけど、即「もちろん!」っていう元気な返事が返ってきて楽しみですと言ってくれました。
代役の話になったときに、これは立てないでいこうと判断した理由はこの配役が既にあったからです。
本チラシのキャストの欄に載せるか載せないかはギリギリまで悩んでいて、私は彼の死を営業的なものに利用したくないという気持ちがあったんですが、舞台美術の袴田さんに作劇と演出でどうにかいるようにしたいと相談したときに「それはもう出演してるということだから載せていいとおもうよ」と背中をおしてもらって、今回はこのような形になりました。
執筆中の自宅でウンウン唸っているときも、稽古場にも、劇場にも、ずっと彼は私のそばにいる気がして、いるかいないかわからない神様よりも彼のことをずっと信じてました。
でも、これはわたしのエゴです。そうあってほしいという、勝手な欲求です。

何度も書きますが、彼の死を醜聞にしたくなかったし、人が亡くなっている話なので大きなストーリー展開には影響は受けないように書いたつもりだし、実際プロット通りに展開させましたが、大切な人が死んでしまっても私たちは残されたまま生きていくという後悔と絶望の圧倒的な部分は彼のことを思って書きました。
プロットも構成もできていていざ書きはじめようとしたときにオバケになってしまうなんてズルイよ。オバケ出てくる芝居って言ったのにさ。

千穐楽、開演直前にお客様のキャンセルが出て、ちょうど劇場の真ん中で座ってみさせてもらって、いつも階段は目に入らないシーンでふと視線が奪われて、ああ、いまそこにいるんだなぁと思ったら無性に泣けてきて、愛してるとごめんなさいとずっと忘れないと観に来てくださったお客様と全人類長生きしてくださいとキャストスタッフみんなありがとうが混在した結果、主宰の女が過呼吸気味に一番泣いてるんじゃないのかというハタから見たらキモすぎる感じの人間が爆誕してました。すみませんでした。
次の週に別現場の撮影で風姿花伝にいったんですが、もういませんでした。
まあ現場違うもんね。49日より引き伸ばしていてくれたから、スっとかえちゃったかな。寂しいです。会いたい。

きっとこの作品は形をかえて再演を繰り返すとおもいます(ほんと多分そうなると思う)が、あの役は誰に何と言われても、わけがわからなくてもこのまま残すし誰にもやってはもらわないと思います。エゴなので。勝手にさせていただきます。

にしても「瞬きと閃光」っていいタイトルですねこれ。みんなにいわれるし、じぶんでもそう思います。
人生は瞬きのように一瞬のことなので、みなさん愛している人の写真をたくさんとってくださいね。わたしもそうします。

というわけで、配信やっております。
キャスト陣、本当にもれなく素敵なひとたちばっかりで、楽しかったのが伝わるといいなとおもってます。
演劇なんて生で見た方がそりゃ面白いんですが、映像うまくつくっていただいているのでよければぜひ。
今月中は購入できて、来月1/31まで視聴スタートから30日みられます。
お正月みるものがないやとおもったらね、ぜひ。

「瞬きと閃光」配信ストリーミング

[視聴券販売期間]2022年12月6日(火) 19:00~2022年12月31日(土) 23:59まで※
※セブンーイレブン決済時の支払締切は2023年1月1日(日) 23:59です。

[配信期間]
2022年12月11日(日) 0:00~2023年1月30日(月) 23:59

※配信期間中のお好きなタイミングで30日間(720時間)視聴できるサービスです。
視聴用ページにログインいただいてから720時間が経過すると視聴いただけなくなりますので、ご注意ください。
(※配信期間が先に終わる場合は、その前に視聴を終えてください。)



写真展が22日からです。今私はヒーヒーいっています。
でもみんなが撮ってくれた写真撮ってもいいので、ぜひ。

写真展『瞬きと閃光』

2022年12月22日〜27日
OPEN 12:00-20:00
※最終日18:00CLOSE
入場料 500円

女子校写真部を舞台にした演劇公演・ムシラセ「瞬きと閃光」と連動し、作演出写真家の保坂萌・出演キャストが撮影した写真を展示します。
L版300円・2L版500円で販売予定。

差し入れは生物以外でしたら可能です(なまものは食べきれないので…)。
キャスト宛は在廊予定があるキャスト以外のものはお預かりできません。

GALLERY「SUMMER of LOVE」
JR高円寺駅南口徒歩2分
〒166-0003 東京都杉並区高円寺南4-41-6
www.summeroflove.jp


主催・ムシラセ
Mail mushirase@gmail.com
Twitter mushirase_tw
instagram mushiraseno


写真展、25と26日以外は在廊しています。
お待ちしてます!

保坂萌

ご支援いただいたお金は写真の機材費・演劇につぎ込みます。 保坂がスクスク成長します。よろしくお願いします。