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少女たちの楽園追放~アリウス分校についての考察と今後の予想~

※この記事は2022年1月3日時点の情報に基づいて記述されています。その性質上、ブルーアーカイブのメインストーリーvol.3「エデン条約編」第3章9話までに公開された情報、即ちネタバレを含みます。未読の方、未プレイの方の閲覧は極めて非推奨です。
また、本記事の内容は全て個人の見解です。

(2022年1月9日16時18分。誤字の修正)

はじめに


クリスマスイブに便利屋お正月イベントの愉快痛快なPVとエデン条約編3章後半の重すぎる告知スチルを同時発動することで純粋な対消滅エネルギーの塊を先生たちにぶつけて限定ガチャに対する迷いを消し飛ばすことに成功したRPG、ブルーアーカイブ!


2022年、あけましておめでとうございます。元日と2日が土日に丸被りしたお正月、先生の皆様はどのようにお過ごしになられたでしょうか。
私の元旦2022は大体こんな感じです。

ムツキチュキ…

がんぼろうペロロジラ!


それはさておき、今回は「少女たちの楽園創生~エデン条約編ストーリーテーマについての感想と考察~」から引き続き、メインストーリーのお話になります。
前回は補習授業部とナギサ、ミカに焦点を当てました。では今回焦点を当てるのは誰かと言うと……アリウス分校です。
前回アリウス分校やセイア、先生を中心とした~と書きましたが、アリウス分校のみの内容となっています。理由としては十分な考察ができるほど情報がまとまらなかったからです。3章後半が配信された後でセイアや先生についての考察を書くかもしれません。

ティーパーティーの思惑。ゲヘナとトリニティの確執。学園の前身となった組織から続く因縁。ジグソーパズルのように細緻なバランスで保たれている情勢を額縁ごとひっくり返さんとする第三勢力の登場によってエデン条約編、ひいてはブルーアーカイブのメインストーリーは更なる加速を見せることでしょう。
ブルーアーカイブとしては初の「明確に敵対者の生徒」として登場した彼女たちをただの討伐対象ではなく、目的と意思を持った生徒として読むことで物語はより一層深みを増すと考え、アリウス分校単独で考察するに至った次第です。
今回は少女たちの楽園創生のような個人の内心の解釈よりも「ここは何故こうなったのか?」「この先どうなるのか?」と言った予想の解釈が多くなります。
MMRを読んでいる感覚で、どうぞお楽しみください。


アリウス分校の存在意義


皆さんはアリウス分校、そしてアリウススクワッドのことは好きですか?


友人との小さな諍いのために鉛玉を飛ばし、学生の止め処ないトライ&エラーのために大量の火薬が消費される。私達にとっての異常が日常のキヴォトスにおいてもなお、冗談では済まされない大事件をアリウス分校は引き起こしました。
プレイヤーがよく見知ったヒナたち風紀委員会やツルギたち正義実現委員会、ネームドキャラクター以外にも多くの命を奪う結果になると知った上でアリウス分校が巡行ミサイルを撃ち込んだことは紛れもない事実です。
それでは、アリウス分校は単なる悪役で終わる存在なのでしょうか?皆で力を合わせて彼女たちを打ち倒し、以前と同じキヴォトスの姿に戻って大団円と言えるのでしょうか。
アリウス分校が一度数の力によって弾圧され、自治区を追われた存在と位置づけられている以上、ここから力で決着をつけるのはかつての過ちを繰り返し、何一つ進歩しない学生たちを描くことに他ならないと考えます。
アビドス対策委員会編やエデン条約編1~2章で描かれた生徒たちの自由意思による「例えその行いが無意味でも」という主張や、物語上は敵対者であっても先生は必ず生徒として接することから、ブルーアーカイブのストーリーは極めて磐石なテーマの上に成り立っており、そこには「生徒たちの物語」が存在します。
であれば、分校と名づけられているアリウスもまたブルーアーカイブという作品中における生徒の枠組みの内にあるものとして扱われるのではないかと考えます。
そして、アリウス分校に抱く違和感や、言動を読み込んでいく中で、彼女たちも間違いなく「教育された生徒たち」であると解釈するに至りました。


アンチノミー


アリウス分校はエデン条約編の核となると勢力にも関わらず、実態には不明瞭な部分が多くあります。その理由の一つとして挙げられるのが、アリウス分校というコミュニティの不安定さです。

初めに、戦闘部隊としてアリウス分校を見ていきましょう。
物語開始前、アリウスは聖園ミカに接触しトリニティ内部の情報を入手。
その後、百合園セイアを襲撃してティーパーティーを秘匿的に二分された状態へ追い込みます。
ミカとナギサの対立を生み出した時点で、アリウスからすれば如何様にも調理可能です。この状況は「少女たちの楽園創生」で考察した、アリウスに担がれた聖園ミカに通ずる要素でもありますね。
万魔殿のマコトにも接触し、移動手段の援助と古聖堂を調印式の場として指定させます。こうして
・トリニティとゲヘナ首脳部、そして先生の配置を掌握。
・両生徒会を一度の攻撃で撃破できる下準備。
・土地と契約にロイヤルブラッドを揃えることで古聖堂に眠る契約の守護者・ユスティナ聖徒会の記録を複製。

今まで打っていた散発的な一手が終盤になって一瞬で飛車角取りからの連続王手、ほぼ詰みに変わるような電撃作戦を成功させました。

アリウス分校の作戦は薄気味悪いほどに周到です。
エデン条約調印式の襲撃でトリニティとゲヘナの主要な組織を壊滅させることが本命だったのは2章エピローグの発言からも明らか。

「あ、あぁっ……つ、ついに始まるんですか……!?よ、ようやくこの時が……でも苦しいんですよね、辛いんですよね……?」(ヒヨリ)

メインストーリーvol.3「エデン条約編」2章20話より。

アズサがアリウス分校を裏切り、ナギサ襲撃作戦が失敗に終わったことでミカが投獄されてもなお、アリウス分校に動揺の気配は見られません。
それどころか、何らかの下準備を本編の裏で進行していたことが仄めかされます。

因果関係を辿ってゆくと、ミカが作戦に失敗しアリウス分校の大隊が撃破されることすら予定調和なのではないかと思えてきます。
事実、アリウス分校から視線が逸れ、シスターフッドが表舞台に登場する結果はミカが作戦に失敗しなければあり得なかった出来事です。これらを支える補習授業部の結束によるアズサの裏切り、ハナコの意思によるシスターフッドの介入と方針転換はエデン条約編を通して表現される「理解できない他人の内心」の働きによって実現したものです。
そして、ミカの失敗はナギサのヘイローが破壊されないように自ら前線に立ったことに加えて、先生を招いてしまったこと。この二つはどちらもミカの内心に起因する出来事ですね。
理解不可能なものだとテーマとして掲げられている他人の内心とそれによる結果が、当然のように前提として作戦に組み込まれているのは異様です。運が良いだとか頭がキレるだとか、そんな領域からも逸脱しています。
まるでこうなることを初めから知っていたかのような鮮やかさが、アリウス分校の作戦から感じられます。

次に、共同体としてのアリウス分校を見ていきましょう。
アリウス分校は学校というコミュニティを継続させるために必要な特質や理念と呼べるものが非常に希薄です。
「トリニティとゲヘナに対する憎悪じゃないの?」と疑問を抱いた方もいるでしょう。それでは、私からの問いを一つ。

「その後アリウス分校はどうするの?」

調印式を巡行ミサイルで爆撃し、トリニティとゲヘナの最高権力者を一掃する作戦はほぼ完璧に成功しました。
その後、学校建造物などの形は残るやもしれません。ですが、組織としてのトリニティ・ゲヘナ両校は高い確率で自治区の行政権を失い、指揮系統の崩壊した各委員会や部活動は抵抗したとしても各個撃破されてゆくことでしょう。
そうして過去を清算し、歴史を焼き尽くした後の更地にアリウス分校の恨みを受け止めてくれるものは存在しません。
「トリニティとゲヘナにぶつける憎悪」がアリウス分校を突き動かす原動力となっている以上、両校の壊滅が達成された暁には晴れてアリウス生徒たちが行動する理由は失われます。

調印したことで仮初のエデン条約機構となったアリウス分校が自治区を築き、行政機関になることを想定する人もいるでしょう。
しかし、ご存知の通りアリウス分校では一般教養が施されていません。セイアと出会った時のアズサが語ったように、アリウスの生徒たちは兵隊となるための情報以外から遮断されています。
それに加えて

「全ては虚しい。どこまで行こうとも、全てはただ虚しいものだ」

メインストーリーvol.3「エデン条約編」2章20話より。

全ての奮闘は無駄であるという主張。物語の鍵となるvanitasです。
実際の社会はとても複雑なバランスで成り立っており、時に崩壊することもありますが、共同体を運用することは殆どの時代で前提とされています。
この運用。キヴォトスで言うなら多人数での部活動や委員会活動。生徒会による自治区の管理。上級生から下級生へ引き継いでいく諸々の経験の積み重ねそのものを否定する立場を取っているアリウス分校は、本来なら物語開始時点まで学校を維持・継続することすら困難と言えましょう。
新たな社会を築くのに非ず、ただ既存の体制を破壊するだけの自らを軽蔑するかのように、サオリは感傷的な一面を見せます。

サオリ(アリウススクワッド)
「私たちみたいな「人殺し」を受け入れてくれる場所なんて、この世界には無いんだよ」

メインストーリーvol.3「エデン条約編」3章9話より。

どこにも生きる場所は無いという悲観と、無駄とわかっていても足掻くことを否定する思考がアリウス分校を縛る限り、彼女たちが自ら居場所を見つける方法を探るのは難しいと言えます。

戦闘行動では丁寧で、精密で、一種の美しさに似た魅力を纏った作戦を成功させられると言うのに、共同体としてのアリウス分校は兵站や組織の継続すら不透明な存在に見受けられます。
熟練した機動部隊の精鋭のような周到さと、思春期真っただ中の不良少年のような自嘲的な性格が同居する歪みこそ、アリウス分校の本質なのだと解釈しました。


パトロンの影


アリウス分校単独での長期間の集団維持や意思共有の可能性が低いとなれば自ずと導き出されるのは彼女らを後援する団体、または個人の存在です。

アリウス分校の使用する武器の数々はとても日陰に身を隠し、密かに反逆の時を伺っていた残党とは思えないほどに整備されています。
私自身、あまり現代火器に詳しい訳ではありませんが、ブルーアーカイブのイラストはとても丁寧にモチーフとなった火器を描写しており、キャラクター固有武器を考察している方も見られます。
その上でアリウス分校の使用武器を見ると、どれも計画された時代が新しく性能も申し分ないものが揃っています。トリニティやミレニアムで使用されているものと比べても見劣りしません。
それに加えて調印式会場を襲撃した際に使用していた巡航ミサイルの存在です。襲撃時、ゲヘナ風紀委員長の空崎ヒナがこのように発言していました。

ヒナ(風紀委員会)
(巡航ミサイル……それも、対空防御システムが迎撃できないほどの速さで?)
(……ラムジェットエンジン?キヴォトスで、そこまでの技術を持っているところは……)

メインストーリーvol.3「エデン条約編」3章7話より。

銃火器が日用品として存在しているキヴォトスにおいて、市街地に対空迎撃システムが配備されていない道理はありません。
これらの防衛線を真正面から突破することが可能な攻撃手段。それはつまりキヴォトス最高峰の技術力が搭載されていることを意味します。
アリウス分校が単独で準備するには明らかに度が過ぎているこれらの装備や聖徒会の複製といった特異存在をもとに、アリウス分校を支援する者達について考察していきます。

本題に入る前にまず、私の解釈では黒幕から除外された二つを紹介します。こちらは読み飛ばしていただいても構いません。

聖園ミカ

聖園ミカがアリウス分校の支援を行っていたのは事実です。これはエデン条約編2章の顛末に基づきます。
ミカがアリウス分校と接触したのは恐らくはセイア襲撃の直前。彼女らがティーパーティーの席に着いた直後だと考えます。
ティーパーティーは特定の次期に引き継がれるものということがハナコの回想シーンから読み取れます。

ティーパーティーの生徒
「準備をしておいてください、浦和ハナコさん。来年のティーパーティーの席は、あなたでほぼ確定ですから」

メインストーリーvol.3「エデン条約編」2章14話より。

ハナコが稀代の秀才とされるほどの成績を修めていたのは一年次の話です。当時から見て来年ならば、ティーパーティーの引き継ぎは二年次のどこかで行われると推測できます。
そして、エデン条約調印式の時期が2021年水着イベント「夏空のウィッシュリスト」の後と判明したことで少なくとも夏までは引き継がれないと仮定。
ティーパーティー引き継ぎの時期として妥当なのは秋から冬。年を跨いでしまえば去年、セイアが襲撃された事実と辻褄が合わないため、9月から12月のどこかで行われるのではないでしょうか。私はマシロのハロウィンボイスで言及されたトリニティの全ての聖人が祝われる日(11月1日の諸聖人の日がモチーフだと予想されます)ではないかと見ています。
つまり、ミカとアリウスが接触してから一年も経っていないと導き出すことが可能です。
この間、ミカから支援を受けていたとしても大隊規模の装備とそれらを訓練する時間を用意するのは至難の業です。
また、セイア襲撃時点でアズサたちは過酷な訓練を切り抜け、実態不明のヘイロー破壊爆弾なるものを持ち込んでいます。
直近のパトロンとしてなら含まれますが、アリウス分校の基盤となるパトロンとしては不十分です。まず同年代の時点で無理がありますね。

・ミレニアムサイエンススクール

この説は上述したヒナの発言に基づくものです。キヴォトスで科学力と言えばミレニアム、まさか…?とざわついた方も少なくないと思います。
ラムジェットエンジンが現実でどの程度先進的な技術か。より条件に適した技術が存在するかどうかはあまり重要ではありません。ここで軸となるのはキヴォトスで希少な技術が使われている可能性です。
ミレニアムサイエンススクールは科学技術に特化した学校として描かれています。また、急速な発展でかねてよりキヴォトスで強い影響力を持っていたトリニティ、ゲヘナに比肩できる新興勢力の星のような存在とも語られています。
和平条約を結ぼうとする古参の巨大校を見た新興勢力が、内部の不穏分子を利用して共倒れを画策することはあり得ない話ではないですね。
しかし、この説は巡航ミサイルに対するヒナの見立て以外に根拠がありません。
ミレニアムは珍しく他校との関わりが殆ど描写されていない学校です。覚えている限りでは美食研究会のサブストーリーでヴェリタスと絡んだくらいでしょうか。描写が少ない以上、ミサイルを提供したのはミレニアムかもしれない程度に留まります。
現時点でミレニアムが関わっていると判断するには情報が乏しい、と言うのが結論です。

ここからが本題。

アリウス分校に十分な期間の補給と訓練を施した者達。それはゲマトリアだと予想します。

・アリウスとミメシス

調印式襲撃の際、燃え上がる古聖堂の中にゲマトリア・マエストロが姿を現したシーンは記憶に新しいところです。
マエストロとアリウスのアツコが取引したことでユスティナ聖徒会のミメシスが出現します。
ミメシスとは

マエストロ(ゲマトリア)
「この閉鎖された遊園地には、かつての多くの人々の幸せが、歓喜が残滓として残っている。そしてそれらの複製(ミメシス)が今、ここに顕現した」
「捨てられたドールに、ようやく意味が付与されたのだ」
「私はこれらをミメシスと呼ぼう。神秘の別側面として恐怖(テラー)の属性を持った、歓喜のレプリカだ」

お仕事ストーリー「総力戦-シロ&クロ」より。

このように説明されています。噛み砕いて解釈すると、土地や物にこびりついた感情の残滓が、それらの一側面を模して現実に形を取ったもの。付喪神や、地縛霊に類似した存在でしょうか。

それでは、ユスティナ聖徒会のミメシスは何を以て成立したのでしょう。
これに関して私は通功の古聖堂という土地、エデン条約という契約、契約に対する調印によって成立したと考えます。

ヒナタ(シスターフッド)
「そのルール、「制約」の役割を持つ人々のことを、戒律の守護者と呼んだんです。約束を破る者たちに対処するトリニティの武装集団……」
「それが、「ユスティナ聖徒会」です」

メインストーリーvol.3「エデン条約編」3章6話より。

数百年前のキヴォトスに存在したユスティナ聖徒会の役割はヒナタの口から語られています。
契約を守護し、違反した者を処罰する力。その中の、契約に違反した者たちへ対処する側面をミメシスしたものがストーリーや通常任務に登場するユスティナ信徒なのだと予想されます。
このユスティナ信徒を機能させるためにアリウス分校が持ち出した手段が、ロイヤルブラッドと呼ばれる力です。

マエストロ(ゲマトリア)
「戒律を守護せし者の血統……そのロイヤルブラッドの「戒命」が動作する様を見届けられたのは、幸甚であった」

メインストーリーvol.3「エデン条約編」3章8話より。

アツコが「姫」と呼ばれることから、この戒律を守護せし者の血統とはアツコを指すものであり、ユスティナ聖徒会をミメシスするために必要な存在なのでしょう。
アリウス分校としては、このミメシスこそがトリニティ・ゲヘナとの埋め難い戦力差をひっくり返す奥の手でした。
しかし、ユスティナ聖徒会のミメシスが完全にアリウス分校の支配下にあるという考えは、ゲマトリア側の描写を読み説いていくことで大きな誤りであると解釈できます。

・ゲマトリアとミメシス

ミメシスはマエストロの専売特許のように思われがちですが、実は黒服がミメシスを口にし、その実験に携わっていることを匂わせるシーンが存在します。
それがアビドス対策委員会編でホシノを救出するために先生が黒服と対峙する場面です。
ブルーアーカイブ屈指の名場面と名高い「大人の戦い」の中で、黒服はこのように語っています。

黒服(ゲマトリア)
「「ミメシス」で観測した神秘の裏側、つまり恐怖。それを、生きている生徒に適用することができるか──そんな実験を始めるつもりです」

メインストーリーvol.1「アビドス対策委員会編」2章16話より。

マエストロが語ったものと同じ、恐怖(テラー)のミメシスの実験をホシノで計画しており、この実験は砂に埋まったかつてのアビドス高等学校本館にて行われる予定でした。

カイザーPMC理事(カイザーPMC)
「……かつてキヴォトスで一番大きく、そして強大だった学校の残骸が、この砂の下に埋もれている」
「ゲマトリアは、ここに実験室を立てることを要求した」

メインストーリーvol.1「アビドス対策委員会編」2章18話より。

ここで重要なのはゲマトリアが土地を要求していること。そして、ホシノを手に入れ、実験を行うためにカイザーコーポレーションの土地簒奪に協力していたことです。
黒服が目的としていたのはアビドス最高の神秘とされる小鳥遊ホシノです。彼女を手に入れるため、アビドスを借金で追い詰めるカイザーに協力していた旨を、他ならぬホシノの前で語ります。
しかし、アビドスの土地がカイザーコーポレーション系列の会社、カイザーコンストラクションの手に渡ったのは前生徒会が存在していた時代だとアビドス対策委員会編2章の序盤で明かされます。
生徒会が消滅した後に入学したシロコやノノミたちのみならず、ホシノすらその事実を知らずにいました。
殆どの土地は前生徒会がある程度機能していた時期に取引されたものと推測されます。
つまり、黒服がカイザーに手を貸していたのはホシノが入学するより以前からの可能性が高いことになります。
そして、これらの計画は黒服の独断ではなくゲマトリアの方針によるものです。

黒服(ゲマトリア)
「何か勘違いされていたようですね……誤解を招いたのなら謝罪しましょう。しかし私は最初から、カイザーの所属ではありません。「私共の企業」がカイザーコーポレーションだとは、一度も言っていないはずです」

メインストーリーvol.1「アビドス対策委員会編」2章14話より。

これらの描写からミメシスとは黒服やマエストロ単独の研究ではなく、ゲマトリアという組織全体を通じた一つの大きな課題であると考えられます。
それではアリウス分校と関わることによってゲマトリアは如何なる結論を導き出そうとしているのでしょうか。


・崇高に至る神秘~ヒエロニムス~

総力戦・ヒエロニムスに初めて参加した時、マエストロが語る衒学的な言葉の数々の中に、以下のような文言があります。

マエストロ(ゲマトリア)
「そこで私たちは、トリニティの地下に封印されし太古の教義に目を向けた。「崇高」とは違うものの、そこに秘められた「神秘」、そして「恐怖」はまた別の意味で似ているような部分があり、つまり概念としては──」

お仕事ストーリー「総力戦-ヒエロニムス」より。

違和感、ありますよね?
トリニティの地下。これはエデン条約編3章でアリウスと取引したマエストロが、今まさに目指しているものに他なりません。
しかし、ヒエロニムス出現時点では既にトリニティの地下、そこにある教義に到達しており、実験の結果として人工の天使たるヒエロニムスが生み出されています。
時系列が捻じれているのは火を見るよりも明らかですね。ここで、同じくヒエロニムス前説の一部に着目しました。

マエストロ(ゲマトリア)
「と、まあ語ってはみたものの……お恥ずかしい話だが実のところ、私たちはそれを真に理解できていたわけではなかった。つまり私たち(ゲマトリア)は、失敗したのだ」
「私たちが近づくことができたのは「恐怖」だけであり、その上それは複製(ミメシス)されたものに過ぎなかったのだ」

お仕事ストーリー「総力戦-ヒエロニムス」より。

この失敗こそエデン条約調印式で起こった一連の出来事だったのではないでしょうか?
アリウス分校の呼び出したユスティナ信徒。彼女たちの頭上に浮かぶヘイローは皆一様にひび割れ、ところどころ剥落しています。
完全な状態と判断するには些か歪なその形や、半透明な肉体からは、どこか虚脱した印象を受けます。
これらが在りし日のユスティナ聖徒会、その「威厳」をミメシスしたものであるかについてはやはり、疑問符が浮かぶところです。

そこで、通常任務10面などに登場する「暴走したアリウス生徒」について気になる部分があります。
通常のアリウス生徒の見た目を塗り替えたように見える暴走したアリウス生徒ですが、彼女たちがアリウス生徒と決定的に異なる点が一つ。
HPバーが0になった時の消滅演出です。
まずは通常のアリウス生徒から。

通常任務Normal 10-1 能楽町1丁目より。

次に暴走したアリウス生徒。

通常任務Normal 10-1 能楽町1丁目より。

アリウス生徒が他の人間型エネミーと同様に倒れた後に少し間を置いてフェードアウトしているのに対して、暴走したアリウス生徒は倒れて間もなく朽ち果てるように消えています。
このボロボロと崩れていくような演出で消滅する敵こそが、ユスティナ信徒です。

メインストーリーvol.3「エデン条約編」3章8話戦闘パートより。

このように、ユスティナ信徒と暴走したアリウス生徒は同様の消滅演出が設定されています。これはユスティナ信徒と暴走したアリウス生徒が同じ性質を持つ存在であることを意味しているのではないでしょうか?
ここで再び登場するのが黒服の言葉。

黒服(ゲマトリア)
「「ミメシス」で観測した神秘の裏側、つまり恐怖。それを、生きている生徒に適用することができるか──そんな実験を始めるつもりです」

メインストーリーvol.1「アビドス対策委員会編」2章16話より。

恐怖を生きている生徒に適用することができるか、という実験。
暴走したアリウス生徒とはつまり、ミメシスによって作り出された恐怖が生身の生徒に適用された結果だと考えます。
そして、現在稼働しているユスティナ信徒たちは「約束を破った者に制裁を与える」という側面の威厳ではなく、恐怖のみがミメシスされた存在に過ぎないという予想です。

最後に、通常任務12面の最後に登場するアンブロジウスという敵について。

通常任務Normal 12-5 西区第2管路より。

このアンブロジウス。見た目はどことなくヒエロニムスに似ていますが、見た目よりも重要なのはその名前です。
アンブロジウスとヒエロニムス。その名はどちらもラテン語によって著作を行ったラテン教父として認められた神学者たちの名です。
アリウス分校のモットー「vanitas vanitatum.et omnia vanitas」もラテン語ですね。

更に、アンブロジウスという方は歴史的にはユスティナ、及びアリウス派とも関係の深い人物です。
ミラノ司教となったアンブロジウスはアリウス派の排除やウァレンティニアヌス1世の妃、アリウス派の信奉者であったユスティナとも対立したとされています。
これらの密接に関係のある名前が同時にモチーフとして採用されているということは、アンブロジウスの出現がエデン条約編中でのユスティナ信徒やアリウス生徒たちの行く末を左右するものになるのではないでしょうか。
その結果としてヒエロニムスを作り出す糧を手に入れ、マエストロの実験が一歩前進したのだとすれば、エデン条約編の顛末は「トリニティ・ゲヘナとアリウス分校どちらも痛手を負い、ゲマトリアが目的を達成する」ものになると、ヒエロニムスの前説で既に示されているのかもしれません。

ゲマトリアによる企業を利用した一学校に対する長期間の簒奪行為と、その先にあるミメシス実験の事実。
ヒエロニムス前説がエデン条約編の事件以後のものである可能性。そしてアリウス分校、ユスティナ信徒らとアンブロジウスの関係性。
これらを包括して導き出した解釈は、ゲマトリアによる壮大なマッチポンプの図式です。



余談ですが、アリウススクワッドが会合しているシーンの背景とヒエロニムスの前説の背景は同じ崩れた校舎らしき場所です。

メインストーリーvol.3「エデン条約編」2章20話より。
お仕事ストーリー「総力戦-ヒエロニムス」より。

アリウス分校は隠れ家や一時拠点として理解できますが、当初トリニティの地下聖堂に現れたヒエロニムスとはちぐはぐなロケーションです。
これは実験の礎となったアリウス生徒たちの意思がこびりついた場所で、彼女たちを礎にした研究の成果を報告しているのではないかと解釈しました。
全ては虚しいと断じるアリウス生徒たちへ向けた、無駄にならないものもあるというマエストロなりの配慮なのでしょうか?


なんという空しさ


ゲマトリアが求める崇高。それを生み出すべくマエストロが求めるトリニティの地下に眠る太古の教義。
手に入れるために目をつけたのが、かつて迫害されたアリウス分校の歴史でした。
時期は不明ながらも、アリウス分校の残党とされる生徒、特にロイヤルブラッドとされるアツコをカイザーコーポレーションなどを利用して確保。
現在のキヴォトスに居場所のない子供を集め、自身をアリウス分校の一員と認識するための教育と訓練を開始。
陰で操る企業の力で兵站を整え、作戦を実行するのに相応しい時を伺っていたところ、エデン条約の可能性が浮上したことで活性化。
アツコを使ったユスティナ聖徒会のミメシス実験。そしてアンブロジウスやヒエロニムスを作り出すための教義を手に入れるための物語が開始。
大まかな流れはこのようなものだと予想しています。

現在のアリウス分校とは即ち、ゲマトリアが結果と利益を得るために作り出された仮初の復讐者でしかないという結論です。
ストーリー上でアリウス分校として活動している多くの生徒たちは、かつてトリニティから追い出されたアリウス分校とは縁もゆかりも無い人物なのではないでしょうか。
アリウススクワッドを構成するメンバーも、アツコ以外はこれと言った繋がりは無いものだとさえ考えています。
アリウス分校の中にあるのは「私たちはアリウス分校だ」という信仰と、それを支えるためのトリニティやゲヘナに対する憎悪。
そして、この憎悪は他者によって意図的に植え付けられたものでしかありません。

それは紛うことなく「教育」です。それもブルーアーカイブにおける先生が行う、生徒たちのより良い生活や将来のためのものではなく、大人の願いを叶えるために子供を利用する構図の教育。
目的のために単純化され、画一的な形に整えられた、憎しみによって繋がりを保つ社会を作り出すシステム。
アリウス分校は未然に防がれたアビドス対策委員会編のホシノとは異なり、大人にとって都合の良い欲望を押しつけられる子供が実現してしまった姿なのではないでしょうか。

アリウス生徒もスクワッドも生徒です。経験や感情に基づかない、他人の作り出した中身の無い「憎悪」を教育された、ただの生徒なのだと私は考えています。

アリウス生徒会長。そして…


ここまで考察してきた中であえて触れていない部分があります。既にお気づきの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
それがアリウス分校の生徒会長と呼ばれる人物です。

ミカ(ティーパーティー)
「アリウスの生徒会長が秘密裏に組織した、特殊部隊」

メインストーリーvol.3「エデン条約編」3章3話より。

聖園ミカと桐藤ナギサの会話の中で登場した、アリウススクワッドを組織したとされる生徒会長。ミカはアズサとの会話でサオリの名を呼んでおり、わざわざスクワッドを組織した生徒会長と名を隠す必要は無いでしょう。
アリウス分校を指揮するサオリと、スクワッドを組織した生徒会長は別人であると考えるのが妥当です。
先生を襲撃した際にサオリが口にした「彼女」も、この生徒会長ではないかと推測しています。

ゲマトリアの一人なのでは?とも考えました。しかし、ブルーアーカイブでは「先生」と並んで「生徒」という言葉が、現実の私達が考えるよりも重大なキーワードとして扱われています。
生徒会長と呼ばれている以上、ヘイローを持ち少女の姿をした何者かであることは確実でしょう。(そうでなかった場合、ブルーアーカイブ考察界に新たな情報がもたらされるため、もっと面白くなります)

ここで記事のかな~り上の方で記述した内容を思い出してください。アリウス分校の作戦はまるで予めこうなることを知っていたかのような鮮やかさだと話しましたね。
アリウス分校の生徒会長は未来が見える?それでは本当の黒幕はセイア?そうとも言い切れません。
セイアがアリウスの生徒会長であることを否定する証拠はありませんが、同時に肯定する理由も見当たらないのです。

セイアが爆破されたことはトリニティの登場人物間では周知の事実であり、その実状や生存が実行者であるアズサや親交のあったハナコの口から語られます。
ハナコの言葉や救護騎士団長ミネの存在までも嘘偽りであると仮定するのはいささか無理があるでしょう。これまでの描写から鑑みて嘘をつくにしては多くを語りすぎています。
また、セイアは3章9話で先生の意識の深奥に姿を現しました。他人の意識と合流する特殊な現象から、現在セイアが昏睡状態にあるのはこのモノローグのためでしょう。
よって、爆弾で負傷した後に意識不明であることは限りなく事実に近い情報だと解釈します。

ならば一体誰なのか?

ブルーアーカイブという作品で、異なる時間軸の存在に触れる場面が一度だけ存在します。
それはプロローグです。
連邦生徒会長と予想されるアロナと同じ声の人物が捻じれて、歪んだ結末と語りながら表示される成長したシロコと思しき人物、割れたシッテムの箱。
タイムリープものやループもの、選択式のノベルゲームに慣れている人ならピンとくるでしょう。バッドエンドルートです。
一度結末まで目にしているのなら、そこに至るまでの物語も当然知り得ているはずです。
アリウス分校の生徒会長。まるで全てを知っているのかのように駒を進める稀代のトリックスター。



その正体はずばり、行方不明の連邦生徒会長です!



な…なんだってー!!と叫んだ人にだけ、この先を読むことを許可します。


もちろん、この予想に至った理由はプロローグだけではありません。
前述したように、アリウス分校の作戦は綿密に練られています。
それもスパイやティーパーティーと繋がることによる内通のみでは想定できないような、個人の感情や組織の行く末までも計算に組み込まれていると解説しました。
いくらアリウス分校が狡猾と言っても個人の感情や現場の判断で左右される結果の手綱まで握るのは不可能でしょう。しかし、調印式襲撃はこれらの結果が十分に達成されることが前提で準備されています。
どこをどう進めればフラグが立つ。どの選択肢にすれば望み通りの結果が得られる。
一度経験したルートをなぞっているのなら、エデン条約調印式の襲撃まで円滑に事を進めることは可能だと考えます。

何よりもエデン条約とは本来、連邦生徒会長が直々に提案した条約です。
事の顛末を知る者。一度終点まで辿り着いた者であり、エデン条約編のきっかけにもなった人物。今はその姿を晦ませている連邦生徒会長が、このエデン条約編で登場する可能性は大いにあり得ると考えています。

残されたのは「何故、連邦生徒会長がアリウス分校にいるのか?」です。
元より今回の考察は私の大胆な予想が多分に含まれますが、ここから先は特にその傾向が強くなります。ですが予想を書けるのは本編が更新されていない今だけです。なので書きます。“覚悟”してください。


まず、一周目と思しき世界でおよそ幸福とは言えない結末がキヴォトスに訪れたことは概ね間違いないと考えます。シッテムの箱は破壊され、シロコはヘイローが壊れ虚ろな目をした、暴走したアリウス生徒と似通った状態になっていました。
この世界では先生も命を落としているのではないでしょうか。そして、先生が命を落とす決定的な瞬間こそが、エデン条約調印式にてアリウス分校に襲撃されたポイントです。
そして、トリニティとゲヘナが壊滅しキヴォトスの均衡が崩れたことでバッドエンドへの分岐は確実なものになったのでしょう。
「今のメインストーリーと何も変わらなくない?」と思う方もおられるでしょう。状況だけを見れば確かにゲーム本編もバッドエンドルートに直行しているように見えます。
しかし、現時点で既に一周目の世界と異なる分岐が発生しているとすればどうでしょう?

一周目ではアビドスの要請に応じることはなく、アビドスはあえなく廃校となり、その結果OPで映った闇落ちシロコに繋がったと仮定します。
本編では連邦生徒会長がいなくなったことでシャーレは先生のみの判断で活動するようになり、そこでアビドスの救援要請に応じます。
その結果、先生はアビドスの五人のみならず便利屋、ヒフミ、ヒナなどと出会い、ゲマトリアとの接触も果たします。
一時的ながらもアビドスの廃校を阻止し、ホシノがゲマトリアの手に渡る事態を未然に防いだことが大きな結果の変化です。

その後、アビドス編でヒフミと出会ったことで先生は補習授業部の顧問になり、補習授業部の四人が信頼を築いたことで聖園ミカの謀反が防がれる結果となりました。
ミカの謀反は一周目でも防がれたと考えています。しかし、そこには補習授業部の姿が無かったのではないでしょうか。先生はアズサやハナコの存在を知らず、シスターフッドの介入などは異なる形で果たされたのでしょう。
先生が補習授業部に関わり、彼女たちが選択することでエデン条約を取り巻く物語の中に補習授業部が加わることが一つの変化です。
ここで重要なのはアズサが補習授業部の一員としてエデン条約に関わってゆくこと。アズサが一人で戦うのではなく、彼女と肩を並べる者がいること。
この変化に繋がる補習授業部が選択するきっかけとなったアズサの告白は、桐藤ナギサ襲撃作戦の日程が突然変更になったことに起因します。これは連邦生徒会長が指示したのではないでしょうか。

補習授業部と交流する内に、先生はゲヘナ側でエデン条約を推進したヒナと再会し、そこで救急医療部のセナとも出会います。
先生の退却を援護し、撃たれた直後に救援に入った者。それは他ならぬヒナとセナでした。
僅かな変化が次の変化を引き起こし、大きな分岐点に影響を与える現象がここで物語の表層に浮かんできたのだと考えます。

アビドス高等学校に協力してゲマトリアの存在を認知すること。補習授業部に協力して彼女らを合格させること。トリニティとゲヘナ、その両方と親交を深めること。
これらが一周目とは異なる結果ならば、連邦生徒会長の失踪を皮切りにした大規模なルート、言うなれば運命の改変は既に始まっているのだと判断できます。

世の中の出来事は全て事前に決定されており、世界はそれに沿って回っている宿命論と呼ばれる主張が存在します。
タイムリープやタイムパラドックスを題材にした作品でも「過去で○○を助けたのに、現代に戻っても何も変わっていない」という宿命論に似た展開が存在します。
これは過去のある地点を変化させても、既定の路線へ向けてレールを切り替えるように流れを戻そうとする力が働き、大きな結果に変化は生じないというものです。歴史の修正力と言った形で解説される場合もあります。
ドラえもんを読んだことのある人は馴染みのある概念だと思います。

連邦生徒会長による運命の改変は、この修正力に対抗するために、連邦生徒会長が失踪すること。元々は存在しなかったか、別の人物が座っていたアリウス分校の生徒会長を担うこと。つまり元いた人物の消失といない筈の人物の出現によって連鎖的に変化が発生してゆくことを狙ったものではないでしょうか。
一度に大きな変化を与えるのではなく、徐々に小さな分岐の変化を積み重ねていくことで「エデン条約が襲撃される」「先生が撃たれる」といった大きなイベントは発生しつつも、その結果を変えることができる、と。
一度だけでは終点を変えることが出来ないのならば二度、三度と変化をもたらし、最後に辿り着く場所は全く違う方向になっている。
プロローグで先生が見る夢。連邦生徒会長らしき人物の言葉を聞く場所が電車の中のように見えるのは、単なるエヴァンゲリオンのオマージュなどではなく、路線を一つの世界線。運命の改変をレールの切り替えとした比喩表現だと解釈しました。

アリウス分校という逃れえない罪を犯す者達に自らの身をやつし、運命に抗うことを決めた連邦生徒会長を支えるものは、彼女にとって信じられる大人である先生。
他の誰もかつての歪んだ終着点を知らない世界。自分だけが世界の記憶を知る者という絶対的な孤独。巨悪の長と罵られ、最後には打ち倒されるやもしれない道。
それでも進むことができたのは、他でもない先生の選択を信じたから。
故にこそ、彼女は託しました。



全ての生徒の青春(ブルーアーカイブ)を。



おわりに


以上が私のアリウス分校に対する考察と今後のストーリーやまだ明かされていない謎の予想となります。
いかがでしたか?なるほどな~と思った方や、そんなわけないだろ!と感じた方。反応は様々でしょう。
この考察を読んでおかしいと感じた部分や、ここはこうなんじゃない?と考え至った部分があれば遠慮せず私に教えていただきたいです。実は私は他人の考察を食べて生きている妖怪なので。
なんなら「アイツの考察おかしいと思ったから俺も書くわ」と全く違うアプローチで解釈したものを見せていただいても構いません。どんと来い、オタクの考察。

最後に改めて補足しておくと、今回の予想は殆ど私の勝手な解釈なので絶対にこうなるとは限りません。と言うかほぼハズレだと思っています。
なら、どうして考察なんて書いているの?と問われると、今この時間に私がブルーアーカイブという作品に向けてい抱いている感情や思考を形にしておきたかったからです。
この作品が何故作られたのか。物語の核となる要素はどこにあるのか。どのような結末が用意されているのか。それらに対して真正面から向き合っていきたいからです。

それではまたどこかでお会いしましょう。バイバ~イ。