ボホール旅行記day4 ボホール名物ターシャ観察区域、チョコレート・ヒルズ、ロボック川クルーズを回る
5年ほど前にボホールへ来た時にも回ったのだけれど、ボホールの有名な観光どころは主に3つ。
・ターシャ観察区域
・チョコレート・ヒルズ
・ロボック川クルーズ
だいたいどこのバイシクル兄ちゃん(道端でバイシクル?バイシクル?と声をかけてくる兄ちゃんたち)も、まずこの3つを勧めてくる。
今回は4日目にこの3つを回ったので、その記録。
この3つはホテルがあるアロナビーチ界隈から少し離れているので(なんといってもボホールは思っていたよりも、広い。東京都の2倍の面積、宮古島の26倍の面積である。)、トゥクトゥクではなくタクシーをチャーターして回る。
ホテルでツアーのタクシー手配できるか聞いてみると、私が事前に調べていた相場よりも随分高かったので、前日の夜、おさんぽしているときにその辺のバイシクル兄ちゃんたちにも値段を聞いてみた。
バイシクル兄ちゃんはしっかりラミネート加工されたチラシ(みたいなもの)を見せて、その3つを回るなら、ここに書かれている通り、タクシー貸し切りで3000ペソだよ!と、教えてくれた。これは私が調べていた相場とぴったりで、しかも「ラミネート加工されたチラシ」ということは、基本この値段だということである。ツアーのあとに最初に言われた言い値からさらに高いお金をふっかけられるとか(マニラでやられた)そういうこともないだろう。なんせ、ラミネート加工されてるから。
OK,OK,この値段で明日お願いできる?と聞くと、もちろん!ホテルまで迎えにいくからホテルの名前と名前と電話番号を書いて!と、メモを渡される。またメモである。ここで違う数字を書いたらまたえらいことになる。まったく見えないコンタクトを買うはめになる。
というわけで、ここは夫にしっかり電話番号を書いてもらった。というか、私はAmazonで海外SIMを買って入れてきたのだけれど、なんせ格安SIMで電話はつかえないやつなのだ。だから電話番号を書いても意味がない。
ちなみにこのSIMを買いました。ボホールでもまったく問題なく使えた。なんて便利な時代。(私は今回9日間滞在したので、期間が長いやつにしたけど、一週間とかならもっと安いやつもありました。)
ホテルの朝食を食べて、約束の9:00少し前にロビーに出ると、すでにタクシーは迎えに来てくれていた。南の島ボホールだし時間にルーズだろうと思っていたら、なんとびっくり5分前行動である。すごい。ボホール、 奥深い。
運転手さん(元バイシクル兄ちゃん)は、3つの他にも、「ジンベイザメと泳げるよ!」とか、「バイク・ジップができるよ!」とか、いろいろ勧めてくれる。ジンベイザメもめちゃくちゃみたいけれど、なんせ3つ回ったら結構へとへとなので、それは今度!と何度も言って、最初から決めていた3つを回ってもらうことにした。
この3つ、リゾートによくある「とにかく足を運んでもらうためにがんばって作った観光名所」とはちょっと違う。それぞれしっかりと趣深く、楽しい。(と、私は思う。)前に来たときも予想外の素晴らしさにびっくりしたのだけれど、2回目の今回も、やっぱり新鮮に驚いた。一度来たときの記憶を、軽く乗り越えていくところというのは、本当に良い場所なのだと思う。宮古島の前浜ビーチとか、きじのお好み焼きとか、神宮のぐっちとか。
最初に訪れたのは、ターシャ観察区域。ターシャというのは世界最小のめがねざるで、最小ってどんなもんだと思っていたら、なんと約10cmである。言葉通りの「手のひらサイズ」である。みなさん今、自分の手のひらを見てみてください。そしてこのサイズのおさるさんを思い浮かべてみてください。いや、かわいすぎますよね。それがこれです。
かわいい。かわいすぎる。かわいい。
ターシャはとても臆病なおさるさんで、どれくらい臆病かというと、大きな音を出されたりとストレスがかかると、自分で木に頭をぶつけたりしてじさつしてしまう。だからこの公園内でも、ぜったいにおおきな音を立てたりフラッシュをたいたりしてはいけない。
こんなに小さいおさるさんなので、野生のものを見るのはほんとうに難しいらしく、確実に会えるのはこのボホール島のターシャ観察区域のみ。といっても国営(?)の施設なので、入場料はたしか100ペソくらいと激安。これはもちろん、ターシャ保護のためにすべて使われます。いくらでも払いたい。
まったくもって商売っけのない施設で、ターシャと一緒に写真撮るよ!と、スタッフの人が声をかけてくれるけど(なんといってもターシャには近づけない)、これも特にお金をとったりはしない。でもめちゃくちゃかわいい写真取ってくれるので、チップを渡しました。ありがとう。
ターシャもかわいいし、ここは植物もすごく良い。こういうところで生き生きと茂るグリーンを見ると、わが家の、都会のマンションで生きているグリーンたちがどうしても不憫に思えてきてしまう。いろんな道を辿ってうちに来てくれたのだから、うちのグリーンたちもせめて都会で元気に生きられるよう手をかけよう、と思う。いやほんとうに。
あと、ターシャも植物もいいのだけれど、ここはさらに、お土産ものやさんもいい。公立だからなのか、「保護」という社会的な意味合いが大きいからなのか、お土産物やさんなのにやたらとリーズナブルなのである。ターシャがかわいすぎて、普段はそういうの買わないのにやたらとターシャグッズも買ってしまう。ポーチとか。あと、かごバッグとか、木のアクセとか、そういうのもとにかく安い。めちゃくちゃ楽しい。ただし、めっちゃきれいに並んでいるとかではまったくないので、掘り出し物を探すイメージで。(私はそういうのが好きすぎるのでとにかく楽しい。)
さて、だいたいいつもここで想像以上に時間を使ってしまうわけだけれど、チャータータクシーの運転手さんは根気強く待ってくれている。まあだいたい、駐車場に運転手さんの知り合いがいるのだ。こういうのは、どこの国も似ていますね。
続いてチョコレート・ヒルズ。うちの子どもたちはこの響きから、「六本木ヒルズみたいなでかい商業施設へ行く」と思っていたらしいですが、ボホール島に六本木ヒルズはありません。ヒルズはそのまま「丘」で、チョコレート色をした高さ40〜120mの丘がなんと1000個以上連なったところを見られる名所です。
この階段がまあまあたいへんなので、サンダルを履くにしてもビーサンよりはビルケンくらいの方が楽かもしれない。まあでも、ビーサンでも登れます。(私は。)
ところでこのチョコレート・ヒルズで、私たちはにわか雨に打たれた。ボホール島というところはほんとうに、しょっちゅう雨が降る。すぐに止むことがほとんどだけれど、たまに思い出したように、2時間くらい降り続ける。(まあ、2時間後には止むのだけれど。)だから、このチョコレート・ヒルズの展望台の一番上で、まじめな大雨に見舞われたらちょっと困ったことになる。というわけで、パラパラと降り出してちょっと待ったあと、思い切って下まで降りることにした。
少しずつ強くなる雨と競争するように一気に階段を降りたら、なにかを察したのか、運転手さんがちょうど良いところで待ってくれていた。奥の駐車場に止めて待ってるよ、と言っていたのに。サンキュー!!と言いながら、急いで車に乗り込む。
さて、最後に向かうは、ロボック川クルーズ。ロボック川をゆっくり下りながら、ビュッフェを食べる。もちろん、ビールも飲む。
向かっている間に、雨がまた一度ざっと降って、そして止んだ。雨を眺めながらまたうちのグリーンたちのことを考える。たまにざばっと水をかけてあげないといけないな。
船着き場に行くと、前に行ったときよりもえらくきれいになっている。リニューアルしたのかな?と言いながら調べてみると、実は前に行ったのは、今回の廉価版みたいなやつだったらしい。たしかにものすごおおくリーズナブルだった記憶がある。
とはいえ今回も、大人一人650ペソと絶妙にお手頃。気持ちよく船に揺られて、しかもフィリピン料理をいただいてこの値段である。飲み物は別料金だけど、私の愛するサンミゲルライトがたしか100ペソくらい。とにかく、「観光名所」に商売っ気がない、それがここボホールである。そういうところがとても良い。人々があんまりガツガツしていない。
なんといってもこのクルーズは生演奏つきである。ごきげんな音楽もメローな音楽も阿部慎之助の登場曲(ホームラーン阿部慎之助ーホームラーン)だって演奏してくれる。お客さんに合わせて、その国の曲も歌ってくれる。
私のところに係の人が「チャイニーズか?コリアンか?」と聞きにきて、「ジャパニーズだよ」と言うと、ちょっと困った顔をして引き換えして行った。「日本人はあまり来ないからレパートリーないのかもね」と言っていると、まさかの尾崎紀世彦『また逢う日まで』を歌ってくれた。守備範囲が広い。源田くらい広い。日本人はもちろん私たちだけだったので、お礼にチップを渡し(うまくできている)サンミゲルライトをおかわりする。デッキでは気持ちの良い風が吹いている。
ここで聴くコリアンやチャイニーズの曲もなんだか良かった。フィリピンで人気らしき曲を演奏してくれたときは、フィリピーナたちがノリノリで踊っていて最高だった。音楽、ビール、そして風、という組み合わせはどこでもすばらしいものだ。小さな船のデッキで風に吹かれて音楽を聞いていると、たいていのことはまあどうでもいいよなと思えてきますよね。
このとき、一つ新しい仕事にチャレンジすることを決めた。そういうのも、風が持つ力なのかもしれない。
そしてこのフィリピン料理がなかなかしっかりおいしい。私は思うのだけれど、こういうツアーで準備される「手が込みすぎていない」その土地の料理って、しみじみおいしいのだ。家庭料理に近いのかもしれない。「疲れない」料理である。なんといっても旅は外食が続くので、こういうのがうれしい。
ちなみにこの船を降りたところにあったお土産ものやさんでもまたすてきなバッグを見つけて、値段を聞くと600ペソとのことだったので買いました。フィリピンはかごバッグ的なものがいちいちかわいいと思う。ここで買ったバッグはこの旅のあいだ中、大活躍でした。
駐車場に戻り、運転手さんに「ちょっとお買い物して帰りたいのだけれど」と言うと、OKOKと、えらくマイナーそうなお土産ものやさんに連れていかれた。いや、スーパーとかに寄りたいという意味だったのだけれども、と思いつつ、せっかく連れてきてくれたわけだし入ってみる。「どうせ『ズブズブな関係』でめっちゃ高いとかなんでしょう!」とか思っていたらこれがまた、えらく、リーズナブルだった。出た、商売っけのないボホール。
ボッテガヴェネタみたいな(ちがう)あみあみのポーチを買った。45ペソ。100円ちょっとである。せっかく連れてきてもらったしなと思っていろいろ買おうとしたけれど、どれもこれもだいたいこれくらいの値段で、いろいろ買っても500円くらいにもならなかった。でも、こういうところで買ったものがのちのち重宝したりする。このポーチはこの旅のお財布になり、そして今はリップ入れになっている。
しっかり満喫して、といってもホテルに戻ったらまだ14時くらいだったと思う。一日お世話になった運転手さんにお別れ。どうもありがとう!!
プールでひと泳ぎし(ほんとうにプールアクセスのお部屋最高である)、シャワーを浴びてから夕飯にでかける。
ショッピングモールでも食べたGerry's Grillを見つけて、夫が「今日もここでいいんじゃない???」とキラキラした目で勧めてくる。またもやシシグである。まあ、だいたいいつも旅の後半でその国の食べ物に飽きてきて、もうはやくお醤油味のものが食べたい!!!となるので、その国の料理というのはまだ「おいしい!」と新鮮に感じられる、旅の前半に食べておくに限る。後半は受け付けなくなってくるのだ、経験上。そういったわけでフィリピン料理のスタートダッシュを決めることにした。
ここはまだできたばかりらしく(空港が2018年に完成して、その後パンデミックだったので、しばらくは旅行客が来ず、ここ1年から半年くらいの間に、一気にお店が増えて開発が進んだような気がする。)、周りのお店含めてけっこうきれいで入りやすい。
近くでファイヤーダンスのパフォーマンスが行われていて、こういうものが大好きなむすめが身を乗り出すようにして眺めて動画を撮っていた。こんどはあのパフォーマンスが近くで見られるところに行きたい!と言うので、この旅行中に近くのお店に行こうね、とむすめと約束する。
英語で書かれたメニューすら、料理名になじみがなさすぎてどんなものかまったく想像がつかない。片っ端からグーグルに聞き、空芯菜炒めらしきものを見つけてそれをオーダーする。
あとは、サンミゲルライト。もう、私の体の水分の80%くらいはサンミゲルライトになっている気がする。
ほろ酔いで、足元はビーサンで、ノースリーブでもぜんぜん寒くない気候の中、生ぬるい風に吹かれて、ホテルまでの道を歩く。旅のこういう時間が、大好きだ。
旅は半ば。この時間が続くというのがとってもうれしい。
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