彩る日
琵琶湖へ出かけた。ポカポカとか、麗らかとか、駘蕩とか、そんな日だった。
食べられる草を摘んだ。教えてもらいながらなのでスムーズに集まった、また自分で似ている毒草やなんかも調べて知識にしていきたい。前々から植物をやりたいと思っていたところにえげつない金欠が重なって、必要と興味の両方に引っ張られる形で楽しく必死にやっている。
すごく傲慢で都合の良い考え方だけど、その辺に生えているものを採って食べるというのは生きている感じがダイレクトに来て良い。この時代、食べられる草が分かることよりも金を稼いで栽培された野菜を買うことの方がよっぽど生きる力なんだよなあと思いつつ、でも、生命維持に近いところの知識を持つこと自体になんとなく意味を感じる。生きる力が自分自身の体で得るものから遠ざかって反映される分、その力を実感しづらいからか。
まあ色々こねこね考えたけど、一旦重要なことは一週間ちょっとは余裕で楽しく過ごせる草を得られたことだ。今日は弁当にハマダイコンを入れたし、夜はセリを食べる。ハマダイコンはクセが無く、良い意味で甘みも少ないのでポン酢漬けが素晴らしい。セリは昨日も食べたけど、噛んだ瞬間のセリにしかない香りが優しく強烈に鼻を抜けていく。正直生き延びられればなんでも良いぐらいにしか思っていなかったけど、みんなそれぞれ間違いなく美味しい範疇で個性を持っていてとても良い。
しばらくはお弁当の色が鮮やかになりそうで嬉しい。