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運ぶ日

 重くなりすぎた腰を上げた。

 ようやくきちんとバイトを始めた、実に半年ぶり。ふわふわした仕事で食いつないでいたけど、まあそろそろしっかり貯めにいかないと南米が危うくなり始めると思ったので。
 塾講師をやって接客をやって飲食を少しだけやって今度はスーパーである。二年ちょっとでよくもまあそんなに辞められたなという感じだけど、「一通り」やった感があって悪くないと思っている。店に貢献したいという気持ちが全くないというだけなのだが、それが続かない致命的な原因だと思う。その点今回の仕事は悪くなくて、効率を上げるのが楽しいタイプの仕事(店に対してどうじゃなくて、試行錯誤の余地があるから自分の中で楽しい)、だから続くかもしれない。あと深夜・早朝の職場って妙に居心地が良い。

 途中で極めて条件の良い(自分にとって)仕事を始めたのが良くなかった。採点にしろ飼育にしろ、この世にこれでお金を貰える可能性があるのだと認識してしまうとなかなか「普通に」働くのが難しくなる。割と人生単位のミスになる可能性がある、でもまあもともとやりたいと思っていたこと以外をほんとうにやりたくないと思う様になっただけといえばだけである。結局のところ、石流の言葉を借りるならば、腹八分目では満足できない。

 実習も終わりが見えてきた。忙しくなるぞと思って過ごしていたら、そんなに忙しくなく過ぎ去っていった。一旦安心しているけど、それはそれとして自分でしっかり力をつけていかないと話にならないと考え始めた前期後半だった(まだ前期後半真っ只中であるが)。夏休みはRをきちんと使えるようになろう、つけるべきは知識よりも基礎的な技能だと思った。

 少しだけ砂浜に出かけた、主に草を見るために。
 某先輩を自分の中に降ろして色々抜いてきた。草は抜かないと覚えられない、考えてみたら虫は採らなきゃ覚えられないわけで、すごく当たり前だったのに、植物はガチじゃないから、という謎の予防線を張っていた。もう言い訳せずにしっかり覚えるしかなくなったので覚えられるはず。初めの内は何も分からないけど何でもわかる楽しさがあるから、一旦それに身を任せる形で。あまりにも変化が急だったので、最近人が変わったように草見てるけどどうしたの?と言われたけど、なんにでもハマってしまうのは昔変わらず、たまたま植物の番が来ただけという感覚。今はすごく小笠原に行きたい、あんなに絶望したのに。

 そこそこ運ぶし歩くから腰が痛い。

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