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絶賛個展の準備中

前回の記事を書いてから、もう20日も経ってしまった。わたしは一体何をしていたのだろう、と振り返ってみたら、この20日の間に、職場研修が2回あった。一回目は宮沢賢治・絵本の世界展。二回目は御巣鷹山登山。生きている時間というのは、きっと、ずっと、そうだったんだろうし、そうなんだろうけど、二度とないかけがえのない時を過ごしていることを、最近よく思う。

現在、作家と絵本美術館のスタッフとラジオパーソナリティーの三足の草鞋で活動している。数年前には、いちご農家のバイトと作家活動だけをした年があって、その年が最高に楽しかった。いちごとわたしの世界は無限に喜びがあり、毎日満たされていた。いちご最盛期は制作もしなくていいほど収穫と選別に夢中だった。瞳はいつもキラキラと輝き、幸せいっぱいだった。ところが、いちごと関わっていると、人と全く関わらなくてもよくなってしまう。見えないところでの軌道修正があって、今に至る。

昨日は個展前最後のお休みで、一日中パソコンにへばりついて、プロフィール、キャプション、あとがきのようなものをまとめた。絵本美術館のアートティレクターさんが「手伝いますよ」と言って下さって、それはもうありがたく色々お任せで作ってもらった。校正用に出したプリントで、学芸員さんが文章に目を通して感想を伝えてくれたり、手描きのサインの位置はここに、この太さのペンがいいんじゃないかとか、わいのわいの言いながら、掲示物が仕上がった。

アトリエ(家)に持ち帰り、展示する予定の父の遺した水墨画の横に、A3サイズで印刷した「あとがき」を並べた。わたしひとりではなくて、絵本美術館の人たちと一緒に作った掲示物。こうやって展示を迎えようとしていることがありがたい。文字にしながら、家族との関係性、そのやり取りに大小様々な思いがあることに気づく。ひとつひとつ、忘れずに、案外覚えているものなんだな。けど、もう忘れてしまおうと思う。忘れるわけはないのだから、忘れてしまおうと思う。

作ってもらったあとがきを並べたとき、嬉しくて、胸が震えた。父に感謝なんてしたことなかったけど「お父さん、ありがとう」そう、思ったよ。あぁ、それから、お父さん、プロフィールをとっても素敵に作ってもらったんだ。そっちからも、見えているかな。縁ある方々に、どうぞお声かけくださいね。青富士と天岩戸を対峙させることなど、これっきりだと思うので。


こばやしふみ個展~空を見上げて~

2021.11.26(金)〜12日10日(金)
場所/安曇野山岳美術館
開館時間/10時〜16時
休館/木曜日

入場料/一般・大学生600円、
高・中学生300円、小学生以下無料

上記料金で常設展示もご覧いただけます

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