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挑戦を許された日

2021年11月19日

おそらく私はこの日を忘れることは生涯ないだろう。

幼い頃から夢見てきた宇宙飛行士。その募集要項に大きな変化があった。

身長:149.5〜190.5cm

何度目を疑ったことか。大声を発しながらベッドで飛び跳ね、訳もわからず冷水で顔をジャバジャバ洗っていた。


身長152cmの私。幼い頃から牛乳を飲んだり懸垂にぶら下がったり、ヨガを続けて背骨のバランスを調整したり。(結果154cmまで伸びた笑)

しかし以前の募集要項の158cmには程遠い。たった4cmなのに、自分の夢はぼやけて見えていた。自分の身長が低いことは誰も悪くない。それゆえに努力のしようもない。宇宙飛行士のニュースを見るたびに、つま先立ちするのが癖になっていた。4cmで自分もあの仲間に入れるのに、と。


しかし予期せず事態は良い方向に一変した。募集要項に大きな変化があった。身長で悩んでいた私だけではない、今までどうにもならない虚しさを抱えていた同志に、救いの手が差し伸べられた。まさに青天の霹靂。


それから私の生活の一部に宇宙飛行士への道が取り入れられた。いやむしろ「生活が全て宇宙飛行士への道に繋がった」、という方が正しいかもしれない。


高校の卒業式のスピーチで、みんながクラスメイトへ感謝を述べるなか、私は「将来は宇宙飛行士になります。その時はみんなで打ち上げの瞬間を見守ってください。ロケットの中で校歌を歌います。」と伝えた。

宇宙飛行士募集のニュースが流れ始めてから、数えきれないほどのLINEが送られてきた。もう何年も会っていないのに、涙を流して応援してくれる友人もいた。


私の夢は、目標になった。そして、これは私だけの目標ではないとも感じた。

私は普段「絶対」という言葉を使わない。けれどこれだけは言わせてほしい。

絶対宇宙飛行士になります。誰もが憧れる、希望の星になります。


…文章にすると照れくさいけれど、あの日からずっと私の心は躍りっぱなし。

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