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そもそもなぜ宇宙に惹かれたのか

「アインシュタイン 16歳の夢」

何か大きなきっかけがあったわけではない。ただ1つだけ覚えていることがある。それはたしか幼稚園の頃に教育番組で観た「アインシュタイン 16歳の夢」。

光速に限りなく近い速度で飛んだらどうなるのか、という内容だった。同じく宇宙が好きな父親の隣で、難しい顔をしながら画面に食い入っていた。


それから私は夜眠る前、カーテンと窓の隙間に入って空を見上げるようになった。「この空を、とてつもない速度で飛んだら…」。そんなことを毎晩のように考えていた。そしてその小さな空間は、私にとっての宇宙だった。どんな子守唄より自分の心を穏やかにさせてくれた。
(ちなみに私の父が歌ってくれていた子守唄は、BLANKEY JET CITYの"青い花"。パンクすぎるぜ父ちゃん…)


小学校、中学校、高校、と上がっていってもその興味は絶えなかった。授業中に空ばかり見ていて、先生に叱られて立たされることも頻繁にあった。みんなにクスクス笑われていることなんて気にせず、ボーッと立って空を見続けていた。のちに先生も呆れて私を叱ることをやめてしまった。


そして大学の進路を考えるとき、物理学の道へ進むか、航空宇宙工学の道へ進むか、普段あまり悩まない私だが相当に悩んでいた。
その最たる理由に、物理学が苦手だったというのがある。高校に入って初めて習う学問、そしてずっと憧れてきた自分の求める「問い」に答えてくれるかもしれない学問。しかし最初のテストの点数は70点。他のクラスメイトは100点続出。そしてこの70点は私がとった高校物理学の点数の中で最も高い点数となってしまった。最低点数は17点。追試の常連。
物理学科に進みたいと話したとき、先生は頭を抱えていた。両親は特に何も言わなかったが、びっくりしたかもしれないし、いつものことだと思ったかもしれない。


結局私は物理学科へ進んだ。どうやって合格したかというと、私立大学のセンター試験利用で「化学」を選択するという暴挙に出た。化学は得意だったし、たしか本番のテストも満点だったと思う。
センター試験利用の科目は英語・数学・理科第一選択科目。化学を第一選択科目にすることによって、物理学科への道を拓いた。今思い返しても我ながらおかしな変遷。でもこういった固定観念をぶち壊すトリッキーさは、今でも自分の強みになっているような気がする。

こうして晴れて憧れのアインシュタインと同じ物理学の門を叩いた。

まあなんやかんやあって卒論では相対論や大統一理論ではなく、アストロバイオロジーについて書いた。


なぜそうなったかはまた次回。

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