ウポポイの展示を解釈する
私はまだ見ていないのだけど、小田原のどかさんのウポポイの展示評にはある程度共感を覚えた。
大学の授業で「展示を見ていないのでわからないけれど、文化相対主義というのであれば、「和人」の視点も必要だろう」と説明した記憶がある。いろんな人がいて、いろんな文化があっていいといだけでは「It's a small world」というディズニーランドのアトラクションと変わらないのではないか、と。
だから、小田原のどかさんの文章での読みどころは「『私たち』和人」の視点」にあると思う。
「日本の貴重な文化でありながら存立の危機にあるアイヌ文化」と言うとき、その「存立の危機」を招いたのはいったい誰なのか。その責任の所在を「『私たち』アイヌ民族」に語らせるのではなく、「『私たち』和人」の視点から明記することこそ、「ナショナルセンター」の役割ではないか。そのような姿勢が示されない限り、ここで行われているのは展示を通じた「新たな『同化』」にほかならない。
小田原のどか「“私はあなたの『アイヌ』ではない”」:小田原のどかが見た「ウポポイ(民族共生象徴空間)」
https://bijutsutecho.com/magazine/insight/22558
実際に展示みたいなぁと思っていたところ、村田麻里子さんの文章を発見した。こちらの方がより公平に展示を評しているように感じられる。でも、読みどころは、やっぱりそこだよね、と思ってしまった。
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