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エルデンリングDLC全クリ後の余談(ネタバレあり)


お世話になっております。限界トルガルです。

先日エルデンリングDLCを全クリし、考察とはいかないまでも、色々と自分なりに考える部分があったので、ちょっと書き残しておこうかなと思います。めっちゃ書きなぐりなのでまとまりないです。(ガチ考察は到底無理なのでなんとなくの感想や推察です)

エルデンリング本編及び、DLCのラスボスや内容に関するネタバレがあるので、DLC全クリ後に読むのをオススメします。(この先からネタバレあり)

↓↓↓









早速ですが、まず最初に今作のラスボス、ラダーン装備のフレーバーテキストにはこんな記載があります。

ミケラの刃、マレニアはエオニアに腐敗の花を咲かせるその時ラダーンの耳元で囁いたという

ミケラが待っている。約束の王を



そして、2年半前の2021年12月に出たエルデンリング本編のストーリートレーラー、マレニアとラダーンの戦闘シーン、


この2分50秒~あたりをよくみると


ちゃんとマレニアが「何か」を囁いています。
この作り込み、本当に凄いですよね。


そもそも本編をクリアした時、砕けたエルデンリングをきっかけに起こった破砕戦争の最後、なぜこのマレニアとラダーンが戦ったのか、その明確な理由まではわかりませんでした。

各々のデミゴッドや力や欲望に溺れ、それぞれの目的の中で自分が新たな王や神になろうと画策し動いていた、そんなイメージでした。

しかしDLCのエンディングを知ると、違った可能性を色々と考えてしまいます。マレニアはラダーンと戦っていたこの段階で既に「ミケラがお前を待っているぞ」とラダーンに言っているからです。

DLCのラダーン戦の前、ミケラはこう言います。

私の刃よ、そして祭の英雄よ
貴方たちの戦いは、ずっと謳われる
そして約束は果たされ、強き魂が還ってくる
私の王となるために

私の刃はマレニア、祭の英雄はラダーン、つまり破砕戦争最後の戦いを指し、「貴方たちの戦いは、ずっと謳われる」と言っています。

これは個人的な感想ですが、なんというかセリフから「ミケラがマレニアに仕掛けさせた」という印象を受けますし、「私の王となるために」というセリフもどこか、ラダーンの意思を無視した強制的な要望をしているような印象も受けます。

そして途中のラダーン変身段階では、ミケラはこう言います。

…兄様やっと、還ってきてくれたのですね
…褪せ人よ旧律の王たる者よ貴方が罪を知り、世界を憂うなら
我らに導を譲り給え ミケラと我が約束の王、ラダーンに
優しき理、千年の旅

この時、ミケラはラダーンの事を「兄様」と言っているんですね。
これを見て、ひとつ気になっていた事の意味が変化しました。
それは、マレニアの防具にあるフレーバーテキストです。

兄さまが、約束を違えるはずがない
神の知恵、神の誘惑。ミケラこそ
もっとも恐ろしい神人なのだから

今まで色んな考察で、このフレーバーテキストの内容から、この「兄さま」はミケラをさしており、だからミケラの性別は男性だと、そう言われてきていた気がします。しかし、ミケラがラダーンを「兄様」と呼んでいるのを見ると、このマレニアの言う「兄さま」もラダーンを指しているんじゃないでしょうか。

※ミケラがマリカの様に男性や女性になれる可能性もありますが、DLCで出てきたミケラは見た目も声もちゃんと女性だったので、ミケラとマレニアは姉妹だったと仮定しておきます。

またこのフレーバーテキストがマレニアの言葉だとすると、最後の「ミケラこそもっとも恐ろしい神人なのだから」という言葉も、愛する人や身内に向けた言葉というより、「その恐ろしさを身に染みて感じたことがある者」の言葉という印象も受けます。

そもそもミケラは、誘惑の枝のフレーバーテキストにもあるように「あらゆる者からの愛を強いることができる能力」をもった神人でした。

神人ミケラは、あらゆる者から愛された
愛するを強いることができた

つまり、マレニアのフレーバーテキストは何を言わんとしていたのか。

(ラダーン) 兄さまが、(王になるという) 約束を違えるはずがない
神の知恵、神の誘惑。ミケラこそ
(人に愛することを強いることができる)
もっとも恐ろしい神人なのだから

つまりマレニアは、ミケラが他人を信奉者にさせる能力の恐ろしさを知っていたが故に、ミケラの信奉者にならず、愛することを強いられないラダーンに対して、不思議さを感じていたのかもしれません。


ラダーン撃破後に入手できる神と王の追憶のフレーバーテキストには、ラダーンとミケラの出会いが載っています。

幼き日、ミケラはラダーンに王を見た
脆弱な自分たちにはない、強さを
そして優しさを
だからミケラは純真に願った
私の王に、なってください

ここでいう「脆弱な自分たち」というのはおそらく腐敗に侵されて生まれてきたマレニアと、年を取らずずっと幼いミケラを指していると思います。

※ミケラはマリカと同じく2つの人格(トリーナ)を持っていたと思うので、ミケラとトリーナを指して「自分たち」と言っている可能性もありますが、ややこしくなるのでここでいう「脆弱な自分たち」はマレニアとミケラで仮定します。

つまり、ミケラとマレニアは幼き頃、自分達とは異母兄弟であるラダーンを見る機会があり(ミケラとマレニアの母はマリカ、ラダーンとライカードとラニの母はレナラ)、そこでラダーンの強さと優しさに王を見たことで自分の王になって欲しいという願いを抱きます。(初恋ともいえるのかもしれない)

とすれば、マレニアもラダーンを「兄さま」と言っているのも納得出来るんですよね。2人の中でのラダーンの呼び方は「兄さま」だったと。

マレニアがミケラの能力によってミケラを愛していたのか、それとも姉妹として家族として愛していたのか、それはわかりません。しかし、ミケラが「愛する事を強制出来る能力を持っている」というのは理解していたので、そういう事を見る機会や、感じる機会があったんだと思います。

その上で、なぜラダーンはミケラを愛することを強いられなかったのでしょうか。

もしかしたら、実は愛していたけどそう見えなかっただけとかそういう事もあるかもしれません。でもそれだったらわざわざマレニアが戦ってまで「ミケラが待っているぞ」と言いに行くのも不思議だし、そもそもミケラの王になるべき男に腐敗を巻き散らしてるのも解せません。

実際に愛を強いられたモーグはミケラの狂信者になっていましたし、DLCで出てくる面々も、ミケラのルーンが壊れるまでは明確に魅了されているようでした。


もう少しヒントとなる様なフレーバーテキストやゲーム内のセリフがあります。まずは祈祷・ミケラの光のフレーバーテキスト。

ミケラは、全てを受け容れ、抱こうと望み
だがひとつだけ、そうできぬものを知っていた
絶対の神も、その王も
決して並び立つことはない

これは未だ解釈がまとまりませんが「ひとつだけそうできぬもの」をラダーンと仮定するならば、「ラダーンに愛することを強いることが出来なかった」と解釈することも出来ます。「絶対の神もその王も決して並び立つことはない」という言葉の解釈が難しいところですね…。


またラダーン撃破後、ミケラの記憶に触れると出てくるムービーではミケラはこう言っています。

兄様 私は必ず、神になります
ですから、私たちが約束を守れたら
私の王になってください
…世界を、優しくしたいのです

ミケラはずっと幼いままなので、これを言っている時系列が非常に曖昧です。少なくともモーグに誘拐されてからではないと思うので、
可能性としては

①ラダーンを初めて見た後
②エルデンリングが壊れて破砕戦争が起こった後(マレニアとラダーンが戦う前)
③ラダーンとマレニアが戦い、ラダーンが正気を失ってしまった後

のどれかでしょうか。

個人的には①なのかな?と思っています。ミケラがラダーンに初めて会い、王になって欲しいと願った。その付近の記憶であると。

しかしここで新たに重要になるのは、ミケラが「自分が神になるという約束を守ったら」という条件を作っていたという事です。

ミケラは元々、マレニアの腐敗を治せない黄金律を見限り、原理主義を捨て、新たに無垢なる黄金(新しい律)を見出そうとしていると、そう思っていました。

聖樹を育てたり、見捨てられたものに手を差し伸べたり、そういったものはミケラ自身の元々ある愛からの行動かもしれませんが、
時系列的にミケラの行動を都合よく並べるならば

①ミケラとマレニアが生まれる

②ミケラは幼いまま成長せず、マレニアは腐敗に侵されたまま生まれてしまう

③マレニアの腐敗をなんとかしようと努力するが、黄金律はそれに役立つことが無いことを知る(黄金律を見限る)

④マレニア以外にも、虐げられている色々な事象を目にして「この世界はなぜ優しくないのか」と思っている時にラダーンを目にする。目にしたラダーンは強く、優しく、この人と共に新しい世界を作れれば、もっと優しい世界になるんじゃないかと考える

⑤新しい世界を作るため、自分が神になれたら王になって欲しいと願う

という感じでしょうか。こう並べるとミケラはめっちゃいい子というか、やっぱり優しい子の印象を受けます。しかし、ゲーム内ではミケラを恐れる人がやたら多いんですよね、

本編に出てきた百智卿ギデオンも「ミケラばかりは得体が知れぬ」と言っていたし、DLCで出てきた純血騎士アンスバッハもミケラの大ルーンが壊れた後には「あの方は化け物です。純粋で、輝きに満ち、ただ愛によって人の心を漂白する。私はあれが心底から恐ろしい」と恐れていました。

アンスバッハのは完全に誉め言葉にも聞こえるので、ミケラは強制で愛するように仕向けている訳ではなく、ただただ子供の様に純粋なやましさの無い心で人と向かいあうので、勝手に愛されちゃってるだけな気もします(でもだったら魅了が解けたりはしないのかな)

ただ、そんなミケラがラダーンには愛されているように見えなかったのは、それは神になるという約束を果たしていなかったからなのか、それともラダーンには愛を強制することが出来なかったのか…。難しいところです。


DLC内で取れるイベントアイテム秘儀の巻物にはこう記載があります。

神の帰還は王により導かれ
王の魂には、依り代が求められる

そもそも、影の地にある神の門という場所は、おそらくマリカが神になった場所です。DLC内でアンスバッハがこんなことを言ってました。

ミケラ様が、この地で何を為されようとしているのか
…まだ、はっきりしたことは分かりませんが、
あの方が、影の塔に向かっているのは、確かな様です
そして、ミケラ様は、あの地で神になろうとしている
あの影の塔には、神の門があるのです
そして、かつて一人の神が、そこで産まれたのです
厳重に秘匿されてはいますが…
恐らくは、我々がよく知る神が

マリカは影の地の巫女の村が出身のようなので、影の地でマリカは神になり、狭間の地へと移ったのだと思います。ミケラも最初は母マリカの真似をして自分で聖樹を作り神になろうとしたが上手くいかず、神になる為の旅をする中で影の地に辿り着いたのでしょうか。

そして、神の帰還には王が必要であり、王は魂である必要と、その王が入る依り代が必要な事がわかった為、ラダーンを魂にするためマレニアをけしかけ、依り代を確保する為にモーグを魅了したのかもしれません。

当初はマレニアにラダーンとモーグ、両方を倒し影の地に一緒に行こうと思っていたけれど、マレニアは思った以上にラダーンで大ダメージをくらってしまい、モーグの方には手が回らないままだった、都合よく考えればそんな想像も出来るかもしれません。


ここまで色々と整理するために書いていても、ミケラの本当の心情まではわかりません。純粋な優しい世界を作りたいという思いはあれど、ミケラが他と違うのは、幼い心を持った子供だったという部分です。子供が思うことには裏表があまりないですからね。

周りから見れば残酷と見えるようなミケラの行動も、ミケラ自身には裏表なく、ただただ純粋な気持ちで自分が欲しいものを手に入れる為、必要なことをやっていっている気もします。

影の地に点在するミケラの十字にはミケラが棄てていったものが書かれており、身体やその一部を棄てていく記載が多い中、

我が迷いを、ここに棄てる
我が愛を、ここに棄てる
全ての恐れを、ここに棄てる

こういった記載もありました。
なんかこう、切なくなるんですよね。

少なからずミケラは何かに迷い、自分なりの愛を持ち、沢山の恐れを持ちながら、それでもそれらを全て捨てていき、自分の目的である神になろうとしていた事が想像出来ます。

それは優しい世界を作りたいという大きな目標が根底だったのか、それとも子供の頃にみたラダーンにただ愛されたい、王になって欲しいという願いがあったのか、それもわかりません。

その願いの中でどこまでを計算し、どこまでを自身の能力を使って成そうとしてのか、それもわかりません。

おそらくミケラの半身であるトリーナが、なぜそんなミケラに対して「神にさせないで欲しい」「ミケラを殺して欲しい」と願っていたのかも、これも難しいところです。

ミケラはどこまでいってもわからないからこそ恐ろしい、そう言っている意味が少しわかる気がします。

それでも今回のDLCでは、ミケラ自身の純粋なラダーンへの愛を感じた気もします。純粋だからこそ、愛するもの以外をないがしろにする事も多いように感じますが、ミケラが子供の頃に出会い、ただ憧れたラダーンと、一時でも再び出会えてよかったなと、そう思いました。


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