曲面論を学びたい 7日目(接ベクトル)

うおおお1日が2週間くらいになってしまいましたね!!!すみません!!
まだまだやる気はあるんですが実際にやるのはいつでも難しい……

さて、曲面のパラメーター付けの話をしていて、正則なパラメーターというのが必要な条件だということでした。定義をもう一度見てみましょう。

[定義] $${\mathbb{R}^2}$$の部分集合$${U}$$と、写像$${r: U \to\mathbb{R}^3}$$があるとする。$${r}$$は無限回微分可能であるとする。このとき、$${r}$$が正則なパラメーターであるとは、次のふたつの3次元ベクトル
$${\displaystyle\frac{\partial r}{\partial u}(u,v) := \left(\frac{\partial r_1}{\partial u}(u,v), \frac{\partial r_2}{\partial u}(u,v), \frac{\partial r_3}{\partial u}(u,v)\right)}$$
$${\displaystyle\frac{\partial r}{\partial v}(u,v) := \left(\frac{\partial r_1}{\partial v}(u,v), \frac{\partial r_2}{\partial v}(u,v), \frac{\partial r_3}{\partial v}(u,v)\right)}$$
が一次独立であることをいう。ただし、$${r(u,v)}$$の各成分を$${(r_1(u,v), r_2(u,v), r_3(u,v))}$$と書いた。

ちょっと条件を読んでいきましょう。与えた写像$${r = (r_1(u,v), r_2(u,v), r_3(u,v))}$$を使って2つのベクトルを計算しています。一つ目のやつをよく見ると、$${u}$$で偏微分をしていますね。ということは、「$${v}$$を固定して$${u}$$だけ動かしたときの$${r}$$がどれだけ変化するか」を見ていることになります。図形として見ると、これは$${u}$$方向の変化に対応する接ベクトルを計算していることになります。
一方で、二つ目のベクトルは、$${v}$$方向の変化に対応する接ベクトルを表しています。

例の球面極座標では、
$${r(u,v) = (\cos u \cos v, \cos u \sin v, \sin u)}$$
としていました。$${u}$$が緯度で、$${v}$$が経度でしたね。それぞれの方向の接ベクトルの図はこんな感じになります:

u方向の接ベクトル
v方向の接ベクトル

若干画質が悪くて見づらいかもしれませんが… $${u}$$は緯度を表していたので、「$${u}$$方向の接ベクトル」は「経度を固定して緯度を動かしたときにどっちの方向に行くか」を表すベクトルということになります。なので、これは北向きの矢印になっていますね。
同様に、「$${v}$$方向の接ベクトル」は、「緯度を固定して経度を動かしたときにどっちの方向に行くか」を表すベクトルです。これは東向きの矢印になっています。

こんな感じで、曲面パラメーター表示が与えられると、それを使って「接ベクトル」が作れるわけですね。正則なパラメーターというのはこの接ベクトル2本が一次独立だという条件なんですが、それがどう大事かというのはまた明日(以降)見ていこうと思います。今日はアニメーションを作って満足したのでここまで!

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