ビン>カン>PET
この不等式。
何を示すのか。
『飲み物をおいしくする容器の順番』
共感できるだろうか。
例えば、サイダー。
PETボトルで飲むのもおいしいが、それよりは、カンで飲むのがうまい。
そして、カンよりもビンで飲む方が美味い。
夏祭りでのむビンソーダほど美味いものはない。
例えば、ビール。
PETボトルは論外である。カンビールはおいしい。
しかし、ビンビールはなおのこと格別である。
例えば、デカビタ。
PETボトルより、カン、カンより、ビン。
例えば、コーヒー牛乳。
同文。
さて、なぜこのような不等式が生じるのだろうか。
その答えを出すためには例外を見る必要もある。
例えば、温かいお茶。
暖かいお茶では、ビン、カン、PET、どれも不適である。
正解は、湯呑だ。
改めて、問う。ビン>カン>PETの不等式はいかなる原理で成り立つのか。
キーワードは、『量』である。
ビン、カン、PET、湯呑の容量を比べてみよう。
容器自体の大きさにもよるが、あくまで一般的にイメージされる容量である。
PET>カン>ビン>湯呑
である。
これは、おいしさを示す不等式「ビン>カン>PET」とは逆になっている。
つまり、容量の少ない容器ほど、その内容物である飲み物のおいしさが向上するのだ。
更に考えると、量が少ないということは、1mLあたりの満足度が高まるということである。
これを示す思考実験を考案した。
まずは、三ツ矢サイダーを想像してほしい。
オロナミンCほどのビンに入っている三ツ矢サイダー。
ロングカンに入っている三ツ矢サイダー。
2LPETの三ツ矢サイダー。
どれがおいしそうであるか。
次に、以下を想像してほしい。
ちっちゃいPETに入った三ツ矢サイダー。
ロングカンに入っている三ツ矢サイダー。
2Lのでかいビンに入った三ツ矢サイダー。
どれがおいしそうであるか。
それぞれ選んだ容器の種類が異なったのではないだろうか。
以上、まとめである。
・人は量でその飲み物のおいしさのイメージを判断している。
・量が少ないほど、おいしいイメージが膨らむ。
・ビン、カン、PETは、それ自体に大きさのイメージを内包している。
以上の二点が重なり合って、「ビン>カン>PET」という不等式が成立しているのである。
ちなみに、温かい飲み物は少量でいいので、「湯呑」が人気なのだろう。
でかい湯呑なんて誰も想像しないだろうから。
更なる考察としては、ビン、カン、PETの素材自体が持つ「おいしさ」を左右するイメージがあるのだろうが、紙幅のため割愛。メディアとしての容器である。
僕が一番好きなのは、スキー場で飲むちっちゃいPETボトルに入ったココアです。
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