『海がきこえる』観てきた

現在、渋谷bunkamuraで放映されている。この作品は1990年から1992年にアニメージュで連載されていた小説で93年にテレビで放映されていたらしい。この映画はジブリのなかではそんなに有名な方ではないと思うのだがyoutubeでcitypopとかlofiとかそういう音楽の動画に日本の古いアニメのワンシーン(耳をすませばの雫が机に向かっているシーンなど)がよく使われているが、この作品も例に漏れずよく使われていた。あの90年代アニメの特有な色褪せた感じというのは、そのシーンを見ただけでなんかノスタルジックな気持ちになっていく。その動画のコメント欄に使われている映像の説明がありそこでそれが海がきこえるだと知った。93年の映画にノスタルジックになるのはおかしなものだ、だって私自身が93年生まれだから当時の記憶はないし雰囲気なんて知らないから。
なんか自分は90年代にすごく憧憬みたいなのを持ってるんだと思う。

【感想】
服がどのシーンを見てもよかったファッションのことは自分は分からないけど当時はこんな感じの服をみんな着てたんだろうなと思わせられた。
画の構図もどれも美しかった。


90年代初頭の雰囲気を味わうには最高だと思う。
ただ、女性人物はリアルで解像度が高くよく出来ているのだが、男性の方はそれに比して理想的というかリアリティがなく少女漫画チックだった。私は吉本ばななの「TUGUMI」をなぜか想起した。

*私は勝気な女の子に翻弄される面倒見のいい男が出てくる作品を見ると「TUGUMI」を思い出してしまう病気がある。

最後は卒業して別れ離れになっていた主人公と里伽子は偶然東京で出会ってハッピーエンドとなる。
このシーン見て秒速5センチメートルを想起した人は多くいたんじゃないか?もう少し時間がたっていたら秒速のようになっていたかもしれない…

映画が終わって帰るとき近くにいた若い女の人が「あの女むかつくー」と彼氏と思しき人に言っていたがだれのことなんだろうか、だがそう思わせるほどやはりリアリティがあるのだろう。男キャラなんてもう「いねーよそんな奴」で終わりだ。

建物から出るとちょうど喫煙所がある。

映画観終わるとなんかタバコを吸いたくなる、ただニコチンが欲しくてではなくて映画を思い出しながら紫煙と一緒に映画を反芻する。街をみながら、そういう時間は好き。最近喫煙をエモイみたいな方向にしょうとしている輩がいるがそれはなんか違うと思うよ。

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