ソフバの世界をぶらり旅~遠藤の詩の世界:4th 「愛と平和」 "Obsession”

ソフバのアルバム「愛と平和」の4曲目である。
この曲は「愛と平和」のテーマである“理想と欲望の関係”を読み解くための重要な契機を与える(あまりにも契機的であるがゆえに、アルバムから分離が困難である)。

主要部分を以下に引用する(いつもの通り、全文掲載は避ける)。

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やつれた肋なら縋りつけなくなる

いやにリアル
肌を切り裂いて行く

Beauty and Beast
よこしまな夜は
And Beast
牙をむくばかり
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快楽殺人者的な状態におちいった人間の主観を淡々と書いており、この人物にとって、獲物がふっくらした体つきであることは重要なことの様だ。それは神聖なものであり、独占されるべき強烈な価値を帯びているのだろう(これが殺人の理由であり、たしかに理想を希求する〜ある意味で一般的な〜心の働きがそこにはあるのかもしれない)。

遠藤は、この不可解な人間の欲望こそが人間の理想を阻むものの正体であると同時に、人間の理想のコアであると考える。当曲以降で人間の無意味な(“仮想的な”)肉欲が淡々と描写されるのは、この様な考えを冷静に描き切るためであると思われる。

この欲望は主意的な人間の行動のどこに位置して、どの様に理想を算出すると同時にどの様にして理想を阻むのだろうか? 最初の疑問に対する回答は、次曲“Last Flower”で仄めかされる。

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