ソフバの世界をぶらり旅~遠藤の詩の世界:4th 「愛と平和」 "Ego Dance”

ソフバのアルバム「愛と平和」の3曲目である。音圧が高いベースラインが特徴的なデジタルロックだ(これは藤井が森岡へアドバイスしたものらしい)。シングルの売上は2.2万枚程で、それなりのヒット曲である。

いつもの通り、遠藤の歌詞の主要部分を見ていこう(全文掲載は控える)。

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使い古しの声にうなされ
祖国の魔術
銃を握らす
The end of century boy under the weapon.
Century boy in Nuclear.
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2曲目”Virtual War”で描写されたイラク・バアス党に操られる側の人間の様子を、激しいことばで綴っている。一見わかりやすい歌詞だが、気になるのは"century boy"という奇妙なことばである。これは何を意味するのだろうか?どのような少年なのだろうか?本記事では少し深堀りしておきたい。

この"century boy"ということばは、Tレックスの曲”20 century boy"からの借用であると思われる(それ以外に、このような英単語は存在しない)。"20 century boy"は、ただ快楽にふけってふらふらと踊る少年の歌で、"century boy"とはその様子をもじって、狂気と化した政治的な理想と武器の元で同じようにふらふらと踊る少年を表現したものに違いない。前者はいささか性的で不埒な状態だが(※筆者はこのような美意識は苦手である)、後者は陶酔の状態であるのは同様でありながら、まさに生存の危機に晒された切迫した状態であるというわけだ。

(前記事で説明したような意味での)“仮想の戦争”における切迫した状況のもとで、しばしば実際に生命を失うという理解し難い出来事。仮想が日々の出来事を侵犯していくことの不気味さ。

次の4曲目は、日々の退廃した性を歌った“OBSESSION ”である。

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