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つぼやき

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つぶやきとぼやき
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2020年7月の記事一覧

母親に言われたことがある。人のこと許せば楽になるよと。専門学校の先生には本当に損な性格してるよねと言われた。上司も扱い辛いと言う。確かに私は狭量で頑固で忘れっぽいところがある。でも別にそれでいいと思っていた。娘が私に似てくるまでは。なんて性格の悪いやつなんだ、と思いましたもんね。

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動物占い知ってますか?ビースターズという漫画を読んで思い出しました。家族を占ってみると一人は肉食動物で残りの三人は草食動物という結果です。小鹿の私がチーターの妻に惚れ込んで生まれたタヌキとコアラの姉妹は、今のところチーターの要素は見当たらずメロンのようにもならなそうな感じです。

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キュウリのようにクールて、一体なんだろうとずっと思っていた。大人になるにつれて、そういうのに近づいていくんだろうと何となく思っていた。エスカレーターに乗るみたいに。18の時に読んだ小説「心臓を貫かれて」なんとなくわかったような気でいたことが、今になってもわからないままでいます。

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腰の骨と骨の間にブスリと針を差し込んでグリグリこねくり回した後に熱い液体を注がれて脚がジンジン痺れている。ギックリ腰だと思っていたら椎間板ヘルニアだった。4年に1回こうなる。シドニーからここまで中止も延期もなく開催されている私のヘル二アンピック。今年は延期と思ったのにな。

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私のかけら。あなたを一目見たときに震えたの。普段は沈黙を守るかけら。冷たくて深い闇の中で眠るかけら。あなたに揺さぶられて火照るかけら。心は熱い光を浴びて輝きはじめる。特別な時間は私を焼く。このかけらは何処からきたの。どうしてあの人にだけ反応するの。私にはわからない。

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1mmでも興味を持ってくれたら嬉しい。話しかけたら笑顔が返ってきたわ。たまに目があうの。やがて付き合うようになった。もう私が考えてることって言わなくても分かるわよね?いいえ。あなたが考えてることって最初から最期まで1mmもわかりません。本当に。私はただあなたを好きなだけですから。

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長女が幼いとき風呂上がりに使ったタオルは少し湿る程度だったので私も同じタオルで体を拭いていた。次第に娘は成長し髪も伸びて重く濡れるタオルはそのまま洗濯機に放るようになった。次女が生まれて私はまた湿ったタオルで体を拭いている。それを見て長女は濡れたタオルで気持ち悪くないのかと聞く。

今何を見てたかって?あなた達のことを見ていた。車内でマスクしたままキスしてるあなた達を。何を考えてたかって?唇を隠したマスクで布をこすりつけあうのはどう考えてもバカみたいだ、と思いながら自分の過去の恥ずかしい思い出について考えた。キスくらい全然いい。マスクって真面目の象徴だもの。

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ここではない何処かへと胸を焦がすよと歌ったのはGRAYだった。風を集めて青空を駆けたいんですと歌ったのははっぴぃえんどだった。現実という葦に絡めとられた重い身体を何処かに運んでくれるのはいつもロックだった。ここではない青空へと風を焦がして胸を駆けながら集めたいんです。

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越してきたマンションで仲良くなれそうな予感のする人に招かれた。リビングには葉の大きい植物がコンクリートの天井から吊るされていて本棚に並んだ古書とバカラのグラスを少し覆っている。家に漂う時間を美しく仕立てた装飾の数々に心が洗われるようだった。キチンとしたセンスて気持ちいいですよね。

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タイヤの細い自転車でトラックの往来する埃っぽい道を走っている。いつか事故するぞと思いながらなんとかやってきました。嫌な汗をかくとブレーキがよく効きます。人見知りがいつまでも治らなくてすぐ会話にブレーキがかかってしまう。娘も幼い頃からそうで私たちはどうも同じ道を走っているようです。

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自転車通勤です。空を見ると分厚い雲が上のほうに留まっていて、その下には煙突から抜け出してきたような黒い雲が漂っている。こういうのを暗雲が立ち込めるて言うんだなと思いながら私は自転車を漕いだ。やがて黒い雲は雨になりアスファルトを濡らして消えていった。会社に着く頃には晴れ間が見えた。

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