見出し画像

ALL THINGS MUST PASS?

 『Moving Days』がリリースになったとき、かつて僕がスタッフとして在籍していたタワーレコード京都店が特別な展開を用意してくれることになり、そのために書いたちょっとした文章です。僕が在籍していたのが2019年の夏までなので、2021年のリリース時にはまだその名残が残っていて、馴染みのスタッフにみんなが手作りで展開を作ってくれたり、京都店限定の特典を付けようと動いてくれたりメジャーデビューおめでとうとメッセージを送ってくれたりしてとても嬉しかったです。 2021年の春はまだまだコロナウィルスの影響が大きく、リリース日に営業していないCD屋さんもたくさんあるような状態でした。もしかしたらあの時書いたこの文章も、あまり人の目に貼ることがなかったのかもしれません。お店まわりやインストアライブもなく、毎日家の作業机からzoomを繋いでリモートで全国各地のラジオ番組に出演したり、取材を受けたりするという不思議な日々。そんなこんなでメジャーデビューに浮かれることがなかったことは、寂しくもありつつ、僕たちにとってよかったことなのかもしれません。『Moving Days』はその名の通り引っ越しをテーマにしたアルバムで、折にふれて東京に来たときのことや京都を離れると決めたときのことを思い出したり話したりすることが多くて、ホームシックのような感覚と新しい町の暮らしのわくわくが混ざったような不思議な気分でした。それも「Moving Days」で表現したかった気持ちのひとつだったのかもしれません。

あれから2年が経ち、あの頃一緒に働いていたスタッフのみんなはお店を離れ、新しい場所で元気にやっているようです。京都にライブに行くときの楽しみのひとつは、そんなみんなの顔が見れることだったりするのです。

ここから先は

1,791字

tiny kitchen magazine club

¥700 / 月
このメンバーシップの詳細

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?