見出し画像

『Homecomings New Neighbors FOUR Won’t You Be My Neighbor? December.10 Yokohama Osanbashi Hall』

『Homecomings New Neighbors FOUR Won’t You Be My Neighbor? December.10 Yokohama Osanbashi Hall』から一週間が経った。なるちゃんが卒業するまでにはまだまだライブが残っているから大きな区切り感があるわけでもないのだけど、それでも特別なライブをやり遂げたという満足感がある。思い返せば、特別な編成だったり、会場が大きなホールだったりっていうのはあまり関係なく、毎年冬のイベント終わりには全身の力が抜けるような達成感や次の日がまるまる使い物にならなくなってしまうくらいの疲労感があって、どの年も思い出深い。そもそも、なんで毎年年末にイベントをするようになったかというと、シンプルにクリスマスが好きだから、ということでしかなかったのだけど、毎年毎年続けていくうちに、Homecomingsというバンドにとって、そして僕たちの音楽を聴いてくれている人たちにとっても特別なものになっていったような気がする。だからこそ本当は東京だけじゃなくていろんな場所を回れたらと思っていて、去年のようなツアー形式が僕は一番好きだったりする。冬のツアーは楽しい。寒い季節は散歩が似合うし、パーカーはなにからなにまで長距離の移動にぴったりな服だ。『Whale Living』のツアーでは夜に雪の降る金沢の町を4人でおそろいのパーカーを着てほろ酔いで散歩して勢いでカラオケに行ったり、「Somewhere in Your Kitchentabel」ではほとんどの町で早起きして喫茶店に行って珈琲を飲んだりした。NOT WONKとの苫小牧も、Night Flowersとのイギリスツアーも、冬だったりまだ春の来ていない頃だった。Homecomingsには冬の寒くどこかほこりっぽい匂いが似合う。
 なるちゃんとのライブは発表されていないものも含めると残り5本あって、そのどの段階で終わりを強く意識しはじめるのか、自分でも全然予想がつかない。来年の予定について話したりサポートしてくれるドラマーの人とスタジオに入ったり、新しい曲のデモを作ったりと、色々な物事が動き出してはいるけれど、まだ実感もなければ、喪失感(やその予感のようなもの)もまだぼんやりとしている。いなくなるわけでじゃないし、会えなくなるわけでもないけれど、Homecomongsというものからはいなくなる、というのはどんなかんじなのか。なんにせよ、4人のHomecomingsとしての(一応は)最後の時間を大好きなこの季節に迎えることができてよかった、と思う。

ここから先は

2,510字

tiny kitchen magazine club

¥700 / 月
このメンバーシップの詳細

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?