『やつらを高く吊るせ』馳星周2024年22冊目

 「Driiiive!」と始まる一行目から、一気に引き込まれ、スピード感、熱量、思惑、欲がグリングリンに「Driiiive!」していて最高だった。
 出てくる「やつら」は全員ぶっ飛んでいて、自分の身の回りにはいなそうだけれど、ただ公にはしていないだけで、薄皮一枚の向こう側には、タガが外れたものが潜んでいるのかもしれない。自分だって、まだ気づいていないだけで、そんな所があるかもしれない。
 主人公はもちろんだけれど、金貸しの吉井はわざと困難な金の貸し方をしているのではと思えるくらい、毎回災難が降り注ぐし、その解決の翻弄に主人公を投げ込んでいく。
 とにかく面白かった。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?