筋トレ指南本はギリギリ本

失礼な話ですが、
目の前の人間と会話している最中、その背後に急に本棚が映りこみ、その中の一冊に意識が向いてもうお話どころではなくなる時があります。

大抵その一冊は、ピンクや黄色といった目を引く色彩であり、
「コミュニケーション」「会話指南」「面接術」といったような、所謂人とのお話についてのサムシングが記されているようなのですが。
ああ俺は今この瞬間この人ではなく、よくわからない蛍光色のマニュアルと意思を通わせようとしていたのだと思うと、それはもう、一切合財血肉のないものとしか思えなくなってしまうんですね。
今時機械のほうがまだ情緒あふれるやりとりができるんじゃないですかね、知りませんが。


マニュアルに記されていることは、人により多少異なるでしょうが、大体こんなことです。

①相手の弱点を突こう!

相手の会話や思考の弱点や矛盾点は積極的に指摘・質問していくと、会話のペースを握れるぞ!

②相手に答えさせ、自分は答えないようにしよう!

相手に明確な回答をさせることで責任を相手に押し付け、逆に自分は意見を尊重するという体で名言をさけるといいぞ!

③少しづつ相手を誘導しよう!

①②を守ったうえで、飴と鞭を織り交ぜ、こう答えてほしいという回答・返事を引き出すように誘導していこう!


非常にざっくり書くとこんな感じです。
この大筋以外にも細かなテクニックをありますが、大体こんな感じ。


この人間マニュアル感じたのは今までに何度かありますが、
もっとも顕著だったのは、二年ほど前に宗教勧誘をうけたときでして、
急に知らない番号から電話がかかってきたと思ったら、10年前にバイト先が一緒だった際、一度勧誘を受け、お断りした方からで、
「どうですか?その後。生活は大変でしょう?」と。


①相手の弱点を突こう!
男「家賃は今おいくらのところに住んでいるんですか?」
俺「「5万5千円です」
男「やっすwww]」


②相手に答えさせ、自分は答えないようにしよう!
男「いちど考えてもらえませんかね?」
俺「それは、一度会ってお話をしたいということですか?それともあなたがいう本部?というところで教えを請おうということですか?」
男「それは室田さん次第ですね」


③少しづつ相手を誘導しよう!
男「室田さんはやはりほかの人とは違いますね」
俺「なにがですか?」
男『大抵の人がすぐ切っちゃうんですよ。やはり、なんでもチャンスを逃さないようにしているわけですね?」
俺「そういうわけではないですが」
男「ほう、そうではないと。ではどういうことですか?」


ドがつく下手糞ではありますが、こういうことです。
結局お断りしたら、悪魔の如き高笑いを発したのち、一言。
「また電話させてもらいます」
また十年後が楽しみです。
たまに同門の方が勧誘にいらっしゃることがあるのですが、僕はこの話を必ず世間話として喋るようにしています。まあまあ盛り上がります。


宗教の勧誘が悪いという話ではまったくなくて、
程度にはよるものの、誰と話していても、
そのどこで教わったのかわからない会話マニュアルが透けて見えた途端、
もう僕はその人を人として見るのが億劫になるというか、すくなくとも人としての興味はぽかんとなくなってします場合が多いのです。
会話の内容や指摘が面白いこと・的を得ていることは勿論あるためそこは認めつつ、この会話が終わったあとに弄るでろうスマホとなにが異なるかという。極端ですが。
嘘をついたり、暴言を吐いたり、口下手過ぎて一言も喋れなかったり、そちらのほうがまだ好きです僕は。



マニュアルを元にはしないにしろ、目の前にいる人間を、猪口才にも思通り誘導しようというような意思は、僕自身極力持たないようにしようと思います。たまにやるので。自戒。寂滅。極楽大将生活賛歌。


室田渓人
z89133@yahoo.co.jp
Twitter @muro_kei

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