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2月23日

図書館内に設置されている小さなベンチに絵本を積み、背骨を丸め読み耽っている三十路男の存在の是非。

キリのよいところまで読み終えて、目を上げると、ピンク色の羊を模したパーカーを着た女の子(推定年齢3歳)が本棚に並べられたウミガメの絵本を指差したまま、微動だにせずこちらを見つめておりました。

距離にしておよそ30センチ。時間にしておよそ10秒。

瞬きもせずくりくりした目玉をこちらに向けたまま、鉛のように固まっている桃色毛玉。

お母さんがやってきて「すいません。この子よく電源落ちちゃうんです。」

再起動の瞬間には泣くんだろうなぁと思った矢先に、お母さんの手の中に元気に涙撒き散らしながら飛び込んで行きました。

すまん、推定年齢3歳(羊)ちゃん。これからは絵本を読むともう極力目を上げないようにします。いや、物臭をするな。恥ずかしくなってきた。キチンと大人が多いところまで持っていって読むようにします。

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