Muro Box 開発ストーリ―(2)
前記事ではFeng夫妻がMuro Boxの開発に至るまでの経緯を書きました。(参照:https://note.com/muroboxjapan/n/nce4fbcf22f35)
今回はFeng氏によるデザイン設計の開発ストーリ―です。
ゼロからの始まり
Feng氏はMuro Boxのデザインを設計するにあたり”電子オルゴール”とインターネットで検索してみました。すると沢山の電子オルゴールが出てきますが、多くの物は大きなスピーカーが付いたおもちゃの様なオルゴールが殆どだったと言います。しかし、そのようなオルゴールはFeng氏が目指していたものではありませんでした。
彼らが目指していたもの、それは”オルゴールらしさ”を失っていない電子オルゴール。つまり、シリンダーと言われる円柱の部分に櫛歯(くしば)が引っぱられ弾けて出されるあの透き通った音色。その実現を追い求めていたのです。
「Muro Boxを実際に手で持てて、音楽を奏でている際に音の振動を感じられる。私たちはそんなリアリティのある商品を作りたかった。」とFeng氏は語っています。そうして試行錯誤した後、デザイン設計が次第に固まり遂に本格的なMuro Boxの設計を始めていきます。
アイディアから実物に
それまでは順調に進んでいましたが、描いているアイディアのプロトタイプ(原型、模型)を作る作業にかなり苦戦したと言います。Feng氏はそれまで別のエンジニアとして働いていましたが、機械のデザインを担当するのが今回が初めてでした。慣れていないこともあり誰かの助けが必要だったFeng氏は、まず台湾唯一のオルゴール製造工場へ赴きました。しかし、工場長はそんな一風変わったプロジェクトに協力してくれるほど暇ではないし、実際に製造できる保証が無いため相手にはしてくれませんでした。
そんなこともあり、Feng氏は自分で何とかしようとMuro Boxのプロトタイプのデザインを作成してくれるスタジオを探したり、フリーランスのエンジニアを雇ったり工夫を施しましたが全て上手く行きませんでした。結局もう一度仕切り直してスタジオを探したところ、運よくデザインに関して経験豊富なLiao氏に出会います。
Liao氏がパートナーとして一緒に働くようになってから、今までの困難や問題の謎が全て解けるように作業が進んでいくのでした。
(つづく)