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マーマーなフェス2022感想特集 その6


リミッターがはずれた! フェスの全部がたのしかった!

ラビット鈴木さん| ご来場、お店番


マーマーなフェスに行きました。何から話していいのやら、たくさんのことが起こりました。

わたしはマルシェで13〜15時にお店番を任されて、15時からのパレードと18時からのシアターワークをたのしみにしていました。しかし、11月4日、何万年ぶりの青春かと思うほど夢中になったジャニーズのKing & Princeのメンバー3人の退所報告を受け、もう、フェスどころではありませんでした。毎日、毎日、泣く泣くKing & Princeの情報を集め、ふと何もすることがなくなると、3人の退所を思い出して何もない空間を見つめてこころも頭もカラになっていました。

ということで、何の準備もなしに、直前に電車を調べて、なんとなく財布にお金を入れて、降水確率100%だったので足を滑らせて川に落ちても平気なくらい荷物を防水しました。

行きの電車、長良川鉄道に乗るときに広島のroseさんと再会して、おしゃべりしながら10時半くらいにフェス会場にたどり着いて、まるでディズニーランドに来たようなこころの踊りよう、あらゆるマーマーなみなさんが一同に美濃の駐車場に集合していて大興奮しました。

その後は13時のお店番まで、ひとりで土から出たてのセミのように「あたし2時間の命なのよ!」と、爆速ですべてのマルシェをめぐりました。一度通った場所をもう一度通ることはないと思い、ほしいと思ったら即決で購入し、じゃんじゃんお金をわたしていると、「たくさんの人がシェアした、おっさんの顔が印刷された紙をもらってうれしいかね?」と、お金という意味を失った物質として見えてしまう時間がありました。

思ったより早くおこづかいが減ったので、すっかりファンになってしまったアベイユ・エット・アンさんでお昼にケーキとドリンクをいただきました。こちらのお店は何をいただいても目が覚めるような感動をします。「この世には、こんなにもおいしいものがあったのか……なんてことだ」と。そこで、となりの席でおひとりでいたマーマーガールさんとお話しして、うふうふしている内に雨が降ってきました。

その後エムエム・ブックスのお店に向かい、さおり織りをしているご姉妹の方とお話ししていたら、となりのカフェの上にもお店があるから見てあげてと案内されたのが、お店番をする予定のお店が移動した場所でした。お店番をしながら、「どうしてご本人はお店に立たないんだ! もったいない! 自分の作品の前を通るマーマーなみなさんの反応を見られないなんて、直接お話しできないなんて、てやんでい!」と歯がゆくなりましたが、わたしも自分の出店をせずに人さまの作品を紹介していて、「われわれ、てやんでい!」でした(と思ったりしていましたが、そもそもわたしが店番をした店主さんは、無人で出店するイメージをもっていたようです)。

しかし、右どなり、左どなり、右前、左前、ご近所の出店者さんの表現を見てお話しして、途中からは穂高養生園のリトリートや、TAKAHIROさんの発表会で知りあったみなさんやペロリさんに会えて、もう、鼻血が出そうなくらいうれしかったです。

そうこうしているうちに、なんと! たのしみにしていたパレードの集合時間を20分も過ぎていました! 大失態です! あらゆるスタッフの方に「パレードはどこでありますか⁉︎」と聞いては健康文化センターへ向かい、たまたまチョモさんに会い「パレードはどこですか⁉︎」と聞き、たまたま福太郎さんに会い「パレードはどこですか⁉︎」と聞き、誰もわからず、「パレードはあるのか⁉︎ ないのか⁉︎ どこなんだぁああああああ! あっそうだインスタを見よう!」と見たら3分前に山(MIRAI)でパレードがはじまると報告されていて、「や、やまだぁああああああああああ」と走っている最中に、最初のほうに聞いた、全身赤とオレンジのような衣装の妖精スタッフの男性がいて、「山はこっちが近い!」と走って案内してもらい、ぜぇぜぇ、辿り着いて、無事にパレードの出発に間に合いました。ちなみにこの間、雨は小雨でした。

パレードの打ち合わせが済み、いざ出発というときに突如現れた鈴木。妖精パレードということは聞けたけど、自分が思っていたのとは違うパレードで、妖精ルールがあるのか輪を乱しているのか、なかなかほかの妖精のみなさんと目が合わない。しかし、妖精、わたしは妖精、妖精、妖精、妖精になることに集中する、くるくる、ふわふわ、うねうね、踊っているうちにだんだんと「宇宙マッサージみたいになってきちゃった」といったら笑いがとれて安心しました。

妖精パレードに紛れる未確認生物UMAみたいな気分でしたが、なじめたようでよかったです。IMA会場を年甲斐もなく全力で舞うわたし、なんだか引いている大人が見える気がしたし、いろいろ聞いてまわったスタッフのみなさんが、「あ、パレードって、へぇ」と力が抜けるのが見えた気がしたが、気のせいだ、そして舞っているうちに思う、みんなあしたも自分が生きているって思っているんだろうか? もう、あたしには、今日しかないんだ! 毎日が人生最後の日なんだ! だったらあたしは全力で舞いたい! くるくる、ふわふわ。

そうこうしているうちにパレードは解散になりました。「よし! あとは出店の片づけだ!」と鼻息荒くしてたら、野放しのkaiさんがいたので「1分しゃべってもいいですか!」と芸能人を見つけた関西のおばちゃんのようになり、30秒くらい弾丸で星の子倶楽部だったことと、ネットで奇跡的にkaiさんの作品集『Earth on the Sky』を手に入れたたことと、これからも応援していることを伝え(あとから思うと応援しなくたってkaiさんはあと100年くらい活躍し続けるんだろうけど)走って片づけに向かいました。

そのあと同じ階でどのお店よりも早く片づけ、作品が入ったスーツケースを暴走族のようにガラガラガラガラ鳴り響かせ、いちばんたのしみにしていたシアターワークでベストポジションにつけました。

しかし、わたしは、マーマーなみなさんが「シアターワーク」という発表会をするらしい、そして「シアターワーク」とは海でお石ちゃんを洗っている最中に石が波にさらわれてしまう小木戸さんが指導・演出されている、と言う表面の表面の表面しか認識しておらず、シアターワークが何なのかもすっかり記憶から落ちたままの鑑賞でした。それ以外は何か、穴が空くらしい、そしておにぎりがもらえるらしい、くらいしか思い出せず、発表会ということばが好きというだけで、真正面のスペースにいました。

最初の方は客席に演者の方が一緒にいることが理解できず、途中まで(パッションピンクの方が「それでいいの⁉︎」というところまで)、どこのタイミングでわたしも舞台に上ろうかしらと見計らっていました。

見ていて思ったのは、みれいさんってすごく跳べる人だったんだなぁ(*゚∀゚*)、福太郎さんの太ももってだいぶマッチョなんだなぁ(*゚∀゚*)(あとからインスタライブや声のメルマガを聴いてエピソードを知りました)、それから客席から、シアターワークよりもシアターワークを見ている自分自身を感じて、わたしは人さまの感情によくも悪くも寄り添えない、苦しみに焦点があって引きずられそうな瞬間にビシッと境界線をつくった自分に気がつきました。喜びとたのしそうな場面もぼーっと見ていました。

すべての世界を把握したい、理解したい、法則を知りたい、という観察欲のほうが強かったです。その結果、「喜怒哀楽、ふしぎ、いろいろあったなぁ。本当にいろいろあったなぁ」と、よかったでも、すごかったでも、感動した、とかでもなく、「いろいろあったなぁ〜」と、空っぽになっていました。

そしてやはり発表会はエンドロールがいちばんの見どころだなっ! と感じました。あの今日という一日の、この発表会という最後の、いのちの果てと、さよならと、解放と、舞台が終わるってすばらしい瞬間ですね。すばらしい発表会にすばらしいマーマーなみなさんとご一緒できて本当によかったなぁと思いました。

そのあと、直接みれいさんに感想を聞かれたときに「フェスの全部がたのしかった!」としかいえなかったけど、知らず知らずのうちにリミッターがはずれたなぁと帰ってからしみじみ感じました。

ホテル「フェアフィールド・バイ・マリオット」へ徒歩で向かっているとき、大きな交差点を通り過ぎて街灯もなくなって、あたりが真っ暗になったときの空気が最高に美味かったです。山、土、枯葉、植物、いろいろからの自然の香りを嗅ぐと、穂高養生園の原生林の空気の薬みたいな、それのうすくした感じだなぁと感じました。すばらしい雨でした。

あと! 声を聞くだけでたのしい気持ちになってくるはっちゃんさんと、「タクシーってありますか?」とお話しできたのもうれしかったです。なんやかんや宇宙タイミングで、みれいさん、福太郎さん、チョモさん、kaiさん、はっちゃんさんと話せてびびっています。

2日目は興奮して4時に目が覚め、5時半から冒険に出かけました。
秋の美濃の自然の豊かさとつめたく湿った空気に、エネルギーがどんどこ湧いてきました。申し出ていなかったけど7時に片づけに参加しようと思って、美濃市健康文化交流センターへ行ったけど誰にも出合えず、なんだか男手が必要と書かれている中やってきてしまったことがお恥ずかしくなり、走ってホテルへ行き、まっすぐ帰らずに川であそんでからホテルに帰りました。

そのあと道の駅で、おみやげと朝ごはんを買おうとエレベーターに乗ったら、ひとつ下の階で止まり、なんと、なんと、ペロリさんが乗ってきてとてもびっくりしました。同じホテルに泊まって同じタイミングで道の駅へ行こうとしていたのです。ペロリさんとお話ししながらおみやげを買い、道の駅をあとにしました。

部屋に戻りサンドイッチを食べ、ものすごく眠くなってきたので、構わず爆睡しました。チェックアウトぎりぎりに起きてマーマーなトークショーはアーカイブで見ようと思っていたため、引き続き気の向くまま歩いていたら、山を登りはじめていました。正午近くになり徐々に存在感を表しはじめた筋肉痛。

しかし、あとには引けぬ、自然を感じたい、自然を見たい、自然の中にいたい、自然の匂いを嗅ぎたい、本能のままに、誰もいない山の中を全ての荷物を持ってゼーハーいいながら登りました。登りきったところで、ヒーヒーいいながら降りていると、自分がこんなにがんばれる人間だったなんて、これが、こじょうゆうやさん(星の坊主さま)がいっていた「リミッターをはずす」ってやつか!!! とガッテンがいきました。

春にエムエムブックスでゆみこさんの個展を見たとき、わたしは毎日母の家とひとり暮らしの家を往復する日々で、ひとり暮らしは手放したくないが、いいかげん、このもどかしい生活がどうにかならないかと、こじょうさんに相談したのです。どう母に自立してもらおうか、どうしたら再びひとりの自由が返ってくるのか、どこか遠くへ逃げてしまおうかと苦しんでいました。

こじょうさんは「リミッターをはずす」ということばを繰り返していました。わたしがいま解決すべき問題は、母との関係ではなく、自分のリミッターをはずすにはどうしたらいいかということらしく、帰ってからはもう投げやりで、創作時間が欲しい! と引越しを宣言していました。

そのおかげで美濃へ来る資金も貯まり、無事にこうしてリミッターがはずれました。
余談ですが植原紘治さんとみれいさんの対談本『わたしにうれしいことが起こる。ゆるんだ人から、叶っていく』(徳間書店=刊)を読むより先に、付属のルン・ルを母との共同生活中にかけまくったら(なんとさらに人が増えて、里帰りの妹と新生児の甥っ子とも生活してました)、理性と涙腺と財布のひもがゆるんで家出しました。

なんで、結婚したくて子どもがほしいひとはそれが許されて、ひとりでいたいわたしはひとりでいることが許されないんだ! 不平等じゃないかぁ! 母は昔から不平等だぁあああああああ!!! と全力で泣いて家出しました。

そのときにお世話になったマーマーガールの方がいて、お礼に感謝状をつくって送ったらとても喜んでもらえました。それをきっかけに次は一人ひとりオーダーメイドの賞状を企画をしたらおもしろそうだなぁとアイディアが浮かびました。そんなこともありました。

時を戻しまして、うだつの上がる町並みを観光し、カフェかりぃさんでドリンクをいただこうと入ったら、広島のroseさんに会えました。そしてかりぃさんも食事が終わってドリンクのみになっていたけど、ドリンクしか飲めそうになかったわたしで宇宙タイミングを感じました。

お買いものをしたマルシェのお店の人も、お店番をした時のおとなりの出店者の方もいて、おもしろかったです。おしゃべりをして、roseさんと別れのあいさつをして、ドリンクをたのしんだあと、美濃市健康文化交流センターでなにか手伝えることがないかと聞いたら、今は何もないということで、美濃市駅へ行ったら電車まで時間があったので、エムエム・ブックスへ寄ったら、そのうちお客さんが自分だけになり、妖精スタッフの方とゆったりと過ごせてよかったです。

わたしはお石ちゃんがたくさんありながらも石酔いしないことに感動したり、ところどころにある民芸品の手仕事に感動したりして、畑懐の土を買って帰りました。やはり話そうと思うと全部伝えたくなってしまいましたが、それだけ魅力的な時間でした。

参加できて本当によかったです! そして最後まで読んでいただきありがとうございました!


(マーマーフェス実行委員会|マーマーマガジン編集部)

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